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織り成す経営~多様性を受け入れられる人事施策を 第17号-2014.11.28 プリント メール
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2014/11/28 Friday 15:30:59 JST

織り成す経営~多様性を受け入れられる人事施策を 第17号  谷口行利

 

連休中、増田寛也氏編著中央新書「地方消滅」(東京一極集中が招く人口急減)を手に取りました。消滅可能性都市として896の市町村が挙げられています。人口動態に関する予測は、数ある経済及び基本指標の類の中でも、確からしいと思います。同書では、合計特殊出生率という率で捉える誤謬を指摘しています。

人口それも20歳~39歳の若年女性の数で捉えること()、現在は「少子高齢化社会」ではなく「人口減少社会」であることの再認識ができるというのは非常にシンプルで重要な指摘だと思います。やはり、率より、実数なのです。
また、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」による三段階の人口減少プロセスが紹介されています。

・第1段階(~2040年迄)「老年人口増加+生産・年少人口減少」期
・第2段階(~2060年迄)「老年人口維持・微減+生産・年少人口減少」期
・第3段階(2060年以降)「老年人口減少+生産・年少人口減少」期

特に、若年層の人口移動によって、東京一極集中が進み、その多くの若者達は非正規あるいは少ない年収に悩み、かつ、物価・家賃の高い生活環境で我慢しています。その後の流れは論を待ちませんが、次世代を増やす環境が整っていないのは現実でしょう。
そこで、同書での指摘は広域圏及び地方で受け皿を創ろうということになります。そのためには、何が必要になるのでしょう?やはり、需要を創造するのは、起業家・リーダーの発掘、創造であり、それを取り巻く人材基盤の質と量を高めるのが急がば回れということになるでしょう。そのためには、P.F.ドラッカー氏の「ネクストソサエティ」(2002年発行ダイヤモンド社)にあるように、未来組織は「人事管理」を変えなければならないと思います。
筆者は、若い頃は労働基準法の中で働いていた労働者でしたが、のちに会社法上の取締役として役割と担いながら、起業をし、二束のわらじをはいていました。さらには、お互い労働契約法に抵触しないようアドバーザー業務もお請けしています。その一方で、自社でも業務提携や業務委託をビジネス組織づくりとして、取り入れています。
今後、女性の方や高年齢者の方の戦略活用や育児休業や介護休業等の取得の必要に迫られる従業員の方の戦力化、長期的視点でのワークライフバランスを考える場合に、柔軟な経営組織づくりの視点は大変重要になると思います。
そのために、環境適応の柔軟な人事管理制度への見直しや導入をしなければ、新戦力の採用どころか、基幹従業員の方が辞めていってしまう恐れさえあります。

去る10月30日、ホテルオークラ福岡で開催された第63回九州経済同友会福岡大会で、提言(アピール)採択が行われた。少し引用させて頂くと、<引用初め>今後人口減少の本格化で労働力が減少することから、人手不足が常態化し、それが九州経済の発展に制約を課すことが懸念される。こうした事態を回避するためには、労働生産性を向上させるとともに、これまで企業や地域社会が十分に活用していなかった人材、具体的には女性や高齢者、外国人、障害者などに対して、積極的に活躍の場を提供する必要がある。
多様な人材の活用は、単に不足する労働力を補うだけでなく、ダイバーシティ(多様性)の実現により、様々な効果の獲得が可能となる。例えば、新たな発想や能力を持つ人材が加わることで、新商品の開発や新しい市場の開拓が促進され、既存組織の活性化やイノベーションをもたらし、新たな付加価値の創造につながると期待される。加えて、起業家の輩出やソーシャルビジネスの担い手として、社会に活力を与えることも期待される。<引用終わり>

もっともな提言だと思います。ただ、現実論となると、パネルディスカッションでは、都合のいいように(何から何まで)女性を担ぎ出さないでほしいとか、パネリストのトラベル会社トップの弁でバラモン階級出身のインド人幹部は、掃除をしないので、不平が起きるといった問題点が指摘されています。

ここまでくると、何が多様性のある人材基盤を束ねるのか、と考えます。やはり、経営者(リーダー)の魅力と経営理念や使命感、クレドといった契約の原典が重要で、最終的には異文化を尊重しあう理解力(包容力)を高める必要があるのではないでしょうか。(語弊があるかもしれませんが、出産をできない(しない)男性は女性のM字カーブでのキャリアパスが途切れることへの恐怖や悩みは、心底はわからないと思います。
いずれにしても、今後、「基幹経営幹部」「基幹人材」「戦略人材」「機能人材」「兵站人材」など等の経営戦略からみた経営組織の有り様をデザインし、必要な人事施策(採用、教育研修、賃金体系、人事評価、福利厚生等施策)を長期的売り手市場の環境に適合するよう構築する努力を怠ってはならないと思います。
また、地方中小零細企業のように、人材基盤が整っていない(整えられない)組織では、協業や連携を経営戦略としてしっかりと捉えたいものです。
特に、高年齢者の戦略的活用は、貴重な若年層の育成や教育上、中核経営幹部や中核人材の基盤充実上も、組織力の維持・兵站戦略面で非常に重要になるでしょう。

今、人口減少プロセスは第1段階にあります。さらに、経営承継期にもあたっています。人材戦略は10年スパン・・・いずれ第2段階を踏まえて、企業の存続発展シナリオを描かなければなりません。
自らを未来対応組織化していくためにも、多様性を受け入れるためどのような人事管理を行い、また、マネジメントしていくのか・・・人口動態予測を踏まえて、建設的に対応したいものです。

 日本創成会議「全国市区町村別「20~39歳女性の将来推計人口」

http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_2_1.pdf

 

21世紀経営クラブ
経営コンサルティング 株式会社オリナス・谷口行利
Homepage http://www.orinas.co.jp/

最終更新日 ( 2014/11/28 Friday 15:41:53 JST )
 
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