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No.840 ≪神嘗祭と経営≫-2014.10.29 プリント メール
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2014/10/29 Wednesday 15:31:25 JST

No.840 ≪神嘗祭と経営≫-2014.10.29  目加田博史

 

機会があって「神嘗祭奉祝祭」に初めて参加しました。今年は遷宮後初めての神嘗祭ということもあり、大勢の申込があったそうです。神嘗祭は1016日の夜から17日にかけて行われる神事で、新米を神様に召しあがっていただくことで、1年の豊作と国家の平安を感謝する儀式で、伊勢神宮の祭礼の中でも最高位にあるものです。天皇陛下が召しあがるのは1123日の新嘗祭といいます。
神嘗祭では沐浴潔斎した神職が古式にのっとり、木と木をこすりながら火をおこすところから始まり、その火で米を炊きご飯を作ります。この時に使用する御塩(みしお)は神宮の塩田で生成されます。
漆黒の中、天皇陛下のお姉上の池田厚子様のご先導で、神職の隊列を示す松明の明かりだけが流れてゆく光景は、厳かで、身が引き締まります。ここでも西行の詠んだ歌といわれる「何事のおわしますをばしらねどもかたじけなさに涙こぼるる」心境になります。

狩猟民族は個人の力量で生き抜いてゆくことができるかもしれませんが、農耕民族、中でも米を主食にしてきた日本人は、一人の力量では何もできないことをよく知っています。1粒の米ができるには、計り知れない多くの人の協力が必要です。苗を作って、田植えをし、草取りをし、実れば稲刈りをし、脱穀して、食べられるようにする。その間には、天候に左右され、獣を追い払い、台風を乗り越えねばなりません。さらに、仕事をする服を作る人、食器を作る人、道具を作る人、家を作る人、病気を治す人、神に祈りをささげる人、数えきれない多くの人々の協力が必要なのです。自分のできることを皆の為に使い、皆の力を自分のために少し貸していただくというお互いさまの精神が自然と醸成されます。

私たちの祖先をたどってゆくと、38代前で14000万人となり、50代前で1兆人、64代前になると1京人という天文学的な人数になります。つまり、私たちのすぐ隣にいる方々も元は祖先の一人かもしれないのです。だから皆が仲良く、平和に暮らすために、互いに「我」、つまり「わがまま」を言わず、一歩引いて我慢する態度が日本人の行動を決定しているのです。これが、日本人の道徳であり、美徳といえます。
東北大震災の特に世界から称賛された日本人の心は、誰かに学んだわけではなく、生まれながらにして、自然と身についているものです。教会やモスクで道徳を学ぶ外国人には、これが理解できないのです。新渡戸稲造が「武士道」を英文で書いたのは、アメリカ人の妻を理解させるためだったといいます。

天皇陛下の最大の仕事は「祈り」だと聞きます。「公」のみで「私」が一切無い祈りの連続です。凍てつく板間に長時間正座されて祈りをささげられると聞いています。東北大震災後の計画停電の時は陛下も国民と同じ生活をすることを望まれ、暖房は無かったそうです。「もし、国民に災難が降りかかるなら、私を通してからにしてください」という祈りが神代の時代から連綿と続いている日本という国に生まれた幸せをかみしめたひと時でした。

「何事も、自分の力で成し遂げてきた」という自信は必要ですが、そこには目に見えない多くの方々の無数の働きがあればこそという感謝の心が無ければ、いずれ崩れます。宇宙旅行もできるし、命までも再生できる科学万能時代とはいえ、いまだに私たちは、一番原始的な単細胞生物である大腸菌すら創造できないのです。私たちの体の中にある60兆個の細胞の一つ一つに存在する遺伝子も誰によってデザインされたか解明の糸口すらつかめていません。社員、関係者を含む多くの方々や環境に対する感謝の心をベースにした経営は成功を持続させますが、そうでなければ、自信が慢心になり、慢心が傲慢になり、傲慢が驕慢になり、おのずから崩れてゆきます。
私は経営にも「遷宮システム」が必要だと考えています。経営体制も20年サイクルで刷新する経営をすると、常に新しい状態を永遠に維持できるからです。出雲大社のように60年サイクルもありますが、基本は20年サイクルの遷宮を経営に取り入れ、5回の遷宮で100年企業が出来上がります。節目節目で、創業の原点に戻り、感謝の心を捧げましょう。

 
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