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2014/04/30 Wednesday 15:17:15 JST
No.814 ≪仕事のできる人は感情コントロールも上手≫-2014.4.30 目加田博史

先日、私の尊敬する森先輩(仮称)について書かせていただいたところ、思わぬ反応があり、「人間関係の判断や感情の処理」についてリクエストをいただき、とてもうれしかったです。リクエストにお応えして今週はこのテーマにさせていただきます。(少し長文です)

森さんとは、大阪本部で4年間ずっと一緒でした。その間、一度も怒られたことも、怒っているところを見たこともありませんでした。いつもクールで、スマートに仕事をしていました。私はしょっちゅうミスしたり、期限に間に合わなかったり、勘違いしたり、内容がいまいちだったり、いつも迷惑をかけていました。

あるとき、日本を代表する最大手総合商社の新規事業診断をしていた時のことです。チーフの森さんのもとで市場調査を担当しました。新しい分野なので業界団体や統計資料が殆どありませんでしたので、人にあって足で稼ぐという地道な調査しかありません。当時日本でこの事業に取り組んでいた主な企業をリストアップし担当者にインタビューすることで情報を整理し、方向性を提案するしかありませんでした。
アポイントを取りながら、お会いして話を聞くのですが、インタビュー先が全国に分散している上、他の仕事を抱えながらの出張ですので、細切れの日程でアポイント入れながらなんとか全員の方からインタビューすることができ、関連資料も入手しました。あらたにご紹介いただいた方も含めると30社以上に登りました。

通常、大きな診断の場合、診断原稿は完成するまでメンバー全員が会社に泊まり込んで書きます。当時はコンビニもなく、着替えを持って会社に来られるご家族が多かったです。私も四苦八苦して入手した情報やデータを分析するのですが、チームミーティングでの仮説を検証するだけのデータにはなりません。森さんから指示されている切り口はとても高度で難しく、何度書き直しても満足のいくものができません。期限の日、森さんに原稿を提出しました。森さんは原稿をパラパラとみると、「御苦労さん。今日は休んでくれ」と言ってくれました。原稿の出来栄えを聞くと、「後で読んでおくから、明日渡す」と言われました。

翌朝、机の上に付箋が無数に付いた私の原稿がありました。付箋の一つ一つに細かい字で指示やアドバイス、質問が書いてあります。殆どやり直しに近い修正です。最初はズボラをかまして、部分修正をしていましたが、部分を修正すると全体像に矛盾が出てきます。だからと言ってやり直す時間も気力もありません。夜、森さんに修正した原稿を渡すと、「ご苦労さん、今日はもう休んでくれ」。翌朝、机上に昨日よりも沢山の付箋が付いた原稿がおかれていました。

修正した原稿を、地方出張から帰ってきた森さんに手渡すと、「ごくろうさん。今日は休んでくれ」。「チーフ、どこが悪いんですか?」と私は食ってかかりました。「目加田君なあ、この診断はだれもやったことがない事業の可能性とその成功プロセスを提案することが目的や。どの程度の市場規模があって、その成長性や市場構造の変化はどうなるか予見して、ライバルの動向や戦略を見据えて計画を立てないといけない。やってみないとわかりませんでは通用しない。ましてクライアントは日本トップクラスの世界企業だ。良い仕事をしたいじゃないか。だから君には一番難しい市場調査をやってもらっているんだ」

「そうはいっても、誰もわからないものを私がわかるわけないですよ。チーフは切り口が見えているんだったら、自分でやったらいいじゃないですか」と言ってはいけないことを言ってしまいました。「わかった。原稿は預かっておく。今日はごくろうさん、自宅に帰っていいよ」。翌朝、机上には付箋のついた原稿は有りませんでした。汗暗いむっとした診断チームの部屋に行くと皆黙々と原稿を書いていました。森さんは今日も出張でいませんでした。親しい先輩が「目加田君、森さんが君の原稿をほめていたよ。早く合格して良かったな。俺は全然まとまらん。完全主義者の森チーフのOKを早々ともらってうらやましいよ」と言ってくれました。『合格? OK? まさか』

結局、診断報告書に使われた私の原稿はインタビューで入手した生データだけでした。そのデータを使って、分析し、ビジョン構築と戦略展開をしたのは森さんでした。報告会当日、報告書には私の名前がありましたが、報告時間はわずかでした。ほとんどを森さんが担当しました。さすがクライアントは世界企業だけあって、表現は紳士的だが容赦ない質問が次から次に出てきます。その質問に平然と論理的に答える森さんの姿を見てますます尊敬してしまいました。

その後しばらくして森さんにこの時のことを聞いてみました。「あの時、私がやけになって仕事放棄したのに、なぜ、怒らなかったのですか」、すると森さんはいつものように「目加田君なあ、俺もどうしたらよいかわからんかったから怒れるはずがないやろ。俺が君の立場だったら同じことをしていたかもしれん。俺は良い仕事をしたいだけや。クライアントに『さすが!』と言わせたい。妥協すれば楽だが、それでは人生をかける仕事にはならん。俺の趣味に付き合ってもらっているだけでも感謝しているんだから、うまくゆかないからと怒っていたら罰が当たる。チーフは結果責任や。今の君は遂行責任を十分果たしたんだから。これからも頼むよ」

高い志を持っている人は「すごい」と思います。自分に厳しく人にやさしいそれぞれのメンバーの強みや家庭環境、性格を判断して、誰にどの仕事をどの程度の品質で割り振るかで既に仕事は決まっているようです。クライアントに対してはチーフが結果責任を持つことを覚悟すれば、つまり原因自分論に徹すれば、感情は冷静にコントロールできます。

最終更新日 ( 2014/04/30 Wednesday 15:31:22 JST )
 
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