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No.381【「人はコストではなく資源だ」】-2005.11.16
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No.792 《標準原価の謎》-2013.11.20 プリント メール
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2013/11/20 Wednesday 14:02:15 JST

No.792 《標準原価の謎》-2013.11.20 目加田博史

 

顧問先の製造業で、ある製品について「儲かっているのか、儲かっていないのか、よくわからない。見積もりを作成する時の標準原価でみると利益は出ていない。しかし、工場全体でみれば大きな利益が生まれている。分析すればするほど樹海で迷子になったように、何が何だか分からなくなっています。これはどうすればわかりますか」という質問がありました。
いままで何度となく受けた質問です。

標準原価は労務費、材料費、経費から成り立っています。材料費は歩留まり率を測定して正味原材料費を計算します。副資材費は製品1個につき使用する標準的な数量で計算します。問題は労務費と経費です。
労務費は工程でかかる人件費なので、標準的な力量をもった人の作業時間を、標準時給で計算します。経費は水道光熱費や減価償却費、租税公課等固定費を一定の基準で按分して計算します。では労務費は実際の製品製造のコストを反映しているかといえば、横に人が付いていてストップウォッチをもってワークスタディでも行わないとわかりません。人によって力量や段取りや手際良さが違うので、コストは変わってきます。例えば、時給800円の人が、5分かかって作る場合(66.8円)と、時給1000円の人が3分で作る(50円)のでは16.8円も異なります。標準原価では時給750円の人が6分で製造する(75)とした場合、計算上の標準原価と実際の現場とのかい離は1個当たり25円~8円となります。この製品を月間1万個製造したならば、25万円~8万円の差が出てくることを意味しています。通常は一つの製品を作るのに最低でも5工程以上有りますので、誤差はこの5倍以上に膨らむことになります。

工場で生産される製品は50品以上有るでしょうから、誤差はさらに大きくなります。計算上の標準原価ではなく、実際のコストをつかむには、ビデオ撮影して分析するか、ストップウォッチでスタディするかしかありません。オールロボットで無人化された工場なら、誤差はもっと少ないでしょうが、中小企業ではむつかしいです。

質問に対して、「残業しなくても生産できて、売り値から原材料費を除いて1円以上の利益が出ていれば儲かっています。」と答えました。理由は、仕事量にかかわらず労務費も経費も固定費とみなして良いので、売り値-材料費の差額が1円以上有るならば、儲かっているといえます。その差額が大きければ大きい程、利益も多くなります。基本的に工場の場合、工場から出荷された額が増えない限り、工程での生産性向上は別の工程で消化されますのでほとんど意味がありません。製品在庫や中間在庫として工場内に滞留していたのでは利益はでません。

建設業の場合は1現場の規模が大きく、工期も長いので、製品(現場)ごとの損益管理は極めて簡単ですので、これをやらない手は有りません。

締めてみないとわからないようではマネジメントとは言えないでしょう。せめて週次で損益がわかるようにしたいものです。

最終更新日 ( 2013/11/20 Wednesday 14:02:33 JST )
 
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