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2013/05/22 Wednesday 14:39:26 JST

No.766 ≪アベノミクスと中小企業経営 その7≫-2013.5.22

 

国税庁が会社標本調査統計で企業の財務状況を毎年公表しています。ここでは赤字率が参考になります。各業種別にサンプル調査した企業のうち、営業収入、申告所得、内部留保、交際費、配当金等の実態を表示していますが、全体でみると赤字率は70%に達しています。昭和26年(1951年)の赤字率は228千社中37千社で16%にすぎませんでした。次第に会社の数も増えて、昭和56年(1981年)には1,499千社の内、過半数の749千社、50%が赤字企業に転落しました。平成24年(2012年)3月末には 2,597千社中1,857千社 72.3%が赤字企業となりました。

いざなぎ景気(1965年~1970年)突入時は赤字率が急激に増えて37%台となり、その後次第に減少し、景気の終わりには30%まで下がりました。景気後退とともに増加し、バブル景気が始まる1985年ころには企業の過半数は赤字という状況になりました。バブルの進展に伴い減少しましたが、バブル崩壊を経て急上昇し、あっという間に60%台になり、リーマンショックによって70%台になり、そのまま横ばい状態が続いています。景気回復によって黒字企業が増えるでしょうが、構造的に赤字体質が浸透していることが統計を通じてわかります。日本がデフレに入った時期は1990年と思われますが、そのころ60%台に突入したと思われます。

黒字企業は増収増益基調ですが、赤字企業は増収減益基調で一貫しています。黒字企業は売上と同時に付加価値も確保しているのに対して、赤字企業は安売りで増収に持っている結果、赤字幅が広がっているといえます。約20年前からはデフレ基調の中でその傾向が顕著になりました。
黒字企業の税引前利益率は平均3.7%を確保し、赤字企業のそれは、平均△3.8%になります。利益率付加価値が同じで増収になっているならば、赤字幅はこれほどひどくならなかったでしょうが、黒字企業との差は倍近く開いています。

平成23年度の黒字率、赤字率を実績と業種別にみると、黒字率ベスト5業種は、不動産業32.6%、卸売業30.9%、運輸業30.6%、金融業30.5%、化学工業30%、一方、赤字率ワースト5は、料理飲食旅館業83.7%、繊維工業81.5%、出版印刷業80.6%、小売業75.5%、食料品製造業75.2%の順になります。ちなみに建設業は73.9%で6位にランクされています。

アベノミクスは金融政策と財政政策を使って資金供給を強制的に拡大し、成長戦略でGDPを成長させることで賃金をあげて景気を良くしようという政策です。成長戦略の中には規制緩和やTPPをコア政策としておいていますので既得権益の排除や崩壊もあり得ます。変化が起きるところにはチャンスもあります。チャンスを狙って進出企業が増加します。そのような中で中小企業はどのようにふるまうかによって、明暗が分かれます。
黒字企業になるか、赤字企業になるかの境目は価格政策によって決まります。付加価値をどれだけ確保できるかが決め手となります。単なる仕入単価の転嫁だけでは体質の構造改革はできません。
基本的には、より安い価格でより高い付加価値を創造することです。原材料を削減すると品質問題を起こしますが、原価の多くを占めている人がらみのコストを徹底的に研究し、どうすれば生産性を上げることができるか。ロスやミスを減らすことができるか。また、わが社の強みは何か、わが社の価値を認めて下さるお客様はだれなのか、皆で知恵を出し合って考えることが大事です。

 

目加田博史

 

 

最終更新日 ( 2013/05/30 Thursday 10:09:22 JST )
 
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