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No.406【会社は危険がいっぱい】-2006.5.17
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116号-ヒューマンエラーの改善- プリント メール
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2013/02/08 Friday 10:23:43 JST

経営に役立つISOシリーズ 116号-ヒューマンエラーの改善-

 

金属加工業A社は、ISO9001の認証取得以来、2回目の更新審査を迎えました。社長がインタビューを受けています。

審査員:各部門を見せて頂きましたが、全体的にレベルが上がってきていますね。

社 長:ありがとうございます。管理責任者を中心に各部門の責任者がマネジメントをしっかり進めている成果だと思います。

審査員:顧客満足という観点ではどのように評価していますか?

社 長:私は、クレームを無くしご迷惑をおかけしなくなることが一番の顧客満足につながると考えています。そういう点からするとまだまだ努力が足りません。

審査員:管理責任者にお聞きしますと、クレームは20件ですね。昨年に比べると半減していますが、再発している事例も多いとお聞きしました。クレームゼロにするためには、次に何が課題となってくるとお考えですか?

社 長: クレームについては、品質マニュアルの規定で、是正処置を取っているのですが、ヒューマンエラーについては再発防止が難しいのです。

審査員:どういうことでしょうか?

社 長:当社の工場での業務は、全自動で機械が加工をしてくれるのではなく、社員がロット毎に仕様書を読み込み、加工作業を行います。クレームというのは、その業務過程で人間が引き起こしているのです。人間は機械と違ってすぐ変わると言うものではないですから難しいです。

審査員:製造部で、是正処置報告書を見せて頂くと、ほとんどの件で原因は「作業者の確認不十分」となっていました。そして、その再発防止策は「社員教育を実施した」というものでした。しかし、再発しているクレームについてもこういう対応ではクレームのゼロには到達できないと感じます。

社 長:方向が間違っているということですか?

審査員:そうではありません。今まで取り組んできた結果、グレームが半減してきたのですから、間違ってはいないでしょう。社員の意識を高めるなどの効果があったのだと思います。しかし、今後はより突っ込んだ取り組みが必要になるだろうと言う事です。クレームとなるミスが発生した原因を担当者の不手際だけとして良いでしょうか?現場の担当者はパートやアルバイトの方も多いですし、入れ替わりも多いとお聞きしましたので、担当者の努力プラスアルファがなければ前進できません。

社 長:なるほど、そうですね。パートの担当者が入れ替わってまた同じクレームが再発すると言う事も結構あります。

審査員:今原因としている「担当者の確認不十分」はもう一歩踏む込んだ分析の余地があります。それは、「作業者が確認しなかった」、「作業者は確認を出来なかった」、「作業者は確認しづらかった」等々にまで掘り下げることです。「確認不十分」という言葉はあまりに抽象的です。抽象的な言葉では原因究明も対策検討もできません。例えば、製造部の是正処置の事例ですが、起こった不適合は「仕様書にサイズと違う加工を行った」でした。その原因は「作業者Aの確認不十分」で再発防止策は「作業者Aに指導を行った」と書かれていましたが、これを読んで適切な是正処置かどうか社長は判断ができないと思います。もしかしたら、原因は「仕様書が経験の浅い作業者Aには確認しづらかった」のかも知れません。そうだったらならば是正処置は「経験の浅い作業者でも一目で分かるように様式を変える」ことになるでしょう。不適合の改善は、上っ面の話ではなく、具体的な事実を押さえることで確実に進むのです。

社 長:なるほど、分かりました。私たちの原因究明は、担当が起こしたことだから、担当の教育を行えばよいと短絡的な処置をしていたかも知れませんね。原因分析をより具体的に行う事が大切ですね。

審査員:そうです。原因分析には経験が必要です。社長と管理責任者は、提出されてきた是正処置報告書の不適合の内容と原因と是正処置が本当につながっているかという観点でチェックして下さい。つながっていない場合や是正処置として効果を出すか根拠が不明瞭な場合は差し戻しして再検討させて下さい。最初は簡単には検討が進まないかも知れませんが、経験を重ねれば原因分析と是正処置立案がしっかり出来るようになります。

社 長:分かりました。取り組んでみます。

マンパワーをかけて製造を行う製造業、建設業やサービス業では、担当者のミスによる不適合やクレームに対する是正処置は、担当者や関係者への教育訓練や会議での周知に終始する事例が散見されますが、「ヒト」のせいにせずより突っ込んで検討することで、不適合やクレームの再発防止につなげましょう。

 

以上

 

根橋弘行

最終更新日 ( 2013/02/20 Wednesday 11:13:38 JST )
 
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