No.714 ≪縁に学ぶ≫-2012.5.16 |
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2012/05/16 Wednesday 13:21:30 JST | |
No.714 ≪縁に学ぶ≫-2012.5.16
縁尋機妙(えんじんきみょう)ということばがあります。良縁をつなげてゆけばゆくほど良縁を得て、ますます進化・発展してゆく。そのタイミングのなんと妙なることか。良縁とはもちろん人の縁です。タイミングは天の時、地の利、人の和、天地人の一致が必要だと言われますが、人との出会いもまさに、そのようなものです。教育者として名高い森信三氏はこれを「人間は一生のうち、逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」と言っておられます。啐啄同時(そったくどうじ)も同じような意味でしょう。 若くして亡くなった顧問先の経営者のKさんが主宰された講演会にお招きいただき、その時の講師が作家の神渡良平先生でした。先生の講話はとてもわかりやすく、感動的で、心に沁み入りました。講師の先生の書籍を会場で販売することはよくありますが、義理で買うことはあっても、ほしいと思って並んで買うことはそれほどありませんでした。長い列に並んで著書を買い求め、サインをいただき、短い会話を交わしました。これはぜひとも、会員の皆様にも聞いていただきたいと思い、Kさんに紹介していただくようお願いしました。 神渡良平先生は安岡正篤先生の研究で世に出た方です。講演会以降、神渡良平先生のおっかけをさせていただくなかで、折に触れ安岡正篤先生について語ってくださいます。関西師友協会の関係者や安岡正篤先生ゆかりの有名な経営者の話題も聞かせていただきました。 ところが、読んでみて、自分のあまりの蒙の深さに愕然としました。50本の筮竹から見える変化の妙がそこには書かれていました。論語や東洋思想を読みながら、いまひとつ明快にイメージできなかった言葉のそれぞれが映画館でクリアなビジョンを見るごとくストンと腹に落ちる音がきこえたのです。 この経営コラムの正式なタイトルは経営ワンポイント情報「不易流行」です。コラムを始めた1997年9月のころの「不易」という言葉の解釈はまだまだ表面的でした。神渡先生や安岡正篤先生とのご縁もなく、表面的な我流の解釈にすぎませんでした。「易」にたどりついて初めて、奥深い宮殿の入口にある門扉を開けることができたように思います。
目加田博史 |
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最終更新日 ( 2012/05/25 Friday 10:36:19 JST ) |