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地方中小企業再生!≪第04号≫~あなたの会社の経営力は大丈夫ですか? プリント メール
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2008/06/26 Thursday 09:53:18 JST
地方中小企業再生!≪第4号≫~あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?

 

前回迄のあらすじ;
地方中小企業の経営者 池溜(いける)氏はメイン銀行での借り換えがうまくいかず、逆に再生支援機関の紹介を受ける。対応に窮した池溜(いける)氏は、経営コンサルタント谷氏の話を聴くことにした。

そして、谷氏は、3ケ月間の元本返済停止を要請し、再生計画を早急に作成しようと言うのだった。さらに、金融機関に借入金元本のリスケジュールや債権放棄その他の対応を依頼する再生計画策定と経営責任への覚悟を意思統一するため、緊急取締役会を開催し、谷氏が、会社の状況を説明することに。

経営陣に明確な危機意識と役割意識(=責任感)があるか!

(経営者 池溜(いける)氏) 
これから、臨時取締役会を開催します。先日、お話しているように、我が社は資金繰りが回らず、窮状に陥っています。その状況を、経営コンサルタントの谷先生にご説明頂こうと思っています。よろしくお願いします。
(経営コンサルタント 谷氏) 
皆さん、おはようございます。臨時取締役会にお招き頂きました経営コンサルタントの谷です。今日はよろしくお願い致します。
今日はたっぷりお時間を頂いていますが、まず、結論からお話します。
この表を見て頂けますか?金融機関からみた我が社の債務者区分(=格付け)は“要注意先”になっており、このまま取締役会が一致団結して、再生計画を練らなければ、“破綻懸念先”になる可能性があります。その先は、資金繰りがまわらず、法的整理の恐れがあるのです。

表;債務者区分と金融機関の組織対応例taiguchi_61.jpg

幸い、メイン銀行さんは自己資本比率の優良な地方銀行。メイン銀行さんが我が社を不良債権とみなさないよう、納得される再生計画を策定する必要があります。金融機関に借入金元本のリスケジュールや債権放棄その他の対応をお願いするわけですから、社長を筆頭に、取締役会の構成員である取締役の皆さんにも、経営責任を求められます。ましてや、多くの中小企業様は、取締役が借入金の連帯保証人になっておられ、会社と取締役個人は一蓮托生なのです。 
(取締役 池溜(いける)氏) 

今まで、社長についていけばうまく行っていました。売上もそこそこある我が社が何で!あぁ・・・。
(取締役 川氏) 
だから、社長には意見具申しようといつも思っていたんですが、 常にトップダウンで、私も勇気がありませんでした。

(取締役 藤氏) 
取締役会は都合の悪い時だけ開催、またか、という気持ちです。
(取締役 武氏) 
そうだ、我々もある意味、被害者です。会社の経営成績を知らされていなかったし、いつも、池溜社長と経理部長の其池(それいけ)だけでやっていて・・・。
(経営コンサルタント 谷氏) 
皆さん、ここは取締役会です。責任逃れや犯人探しは止めて、会社を守ることに全員が集中して下さい。
(取締役・・・) 長い沈黙の後・・・
わかりました。従業員のために、我が社に帰ってきた後継者の池溜君のために、さらには自分達のために、なんとか、この難局を乗り切りたいと思います。先生、よろしくお願いします。
(経営コンサルタント 谷氏)
ありがとうございます。涙が出そうだ。勇気が出ます。幸い、我が社がラッキーなのは、メイン銀行さんが地元の優良金融機関であり、 中小企業再生支援協議会(※以下、「協議会」)を紹介してくれています。
常日頃、決算書と事業展開を見ているメイン銀行さんが、協議会を紹介してくれるということは、再生支援の可能性があるということです。  

その可能性とは、代表的には次の2点です。
財務デューディリジェンス(調査。以下「DD」)後の貸借対照表で、純資産残高がマイナスという債務超過残高が、再生計画の中期5年度目あたりで、プラスに転じること。
「①」の上での債務償還年数(平均有利子負債残高/フリーキャッシュフロー)が概ね10年以内であること

次に、各種DD、財務DD,事業DD,法務DDなどがあります。
今回の我が社のケースでは、メイン銀行さんが紹介をしてくれた協議会に相談を行い(第一次対応)、そこで窓口専門家から、資料照会の上で、経営全般についてのヒアリングや協議を行います。ここで抱える課題を抽出し、方向性が一致できれば、具体的な個別支援として、個別支援チームが構成され、複数の専門家の助言や支援を受けながら、経営の改革・改善計画の具体化のための再生計画の策定に入ります(第二次対応)。
特に、地方中小企業の場合は、決算書が曖昧な点もあるため、公認会計士による調査・報告書策定である財務DDに力点がおかれます。その上で、実態に即した経営分析や事業性分析、再生計画を策定する事業DDに入ります。テーマによっては、法務DDも入るでしょう。
ところで、財務DDが終了し、先ほどお話した貸借対照表で、純資産残高がどういう状況なのか、を把握します。ここからが、再生計画策定のスタートでしょう。

1. 経営に関する現状認識を行います。財務DD後の決算書が社長の、取締役会の経営通信簿でしょう。決算書や各種数値による定量分析やその背景である定性分析を行います。

2. 貸借対照表は我が社の財政状態。資本の活動の状態です。純資産がマイナスということは、我が社において、自分達が築き上げた利益が存在していない、ということです。信じられないでしょうけど・・・。
また、会社の資金繰り体質も現れています。抜本的に見直します。

    3. 損益計算書は我が社のビジネスモデルです。その方程式をしっかり分析します。今後の市場動向やユーザーニーズの変化、競争環境、社内環境を踏まえ、なぜ、“経営が悪化したのか?“その問題点と真因を把握します。その上で、我が社の特長を活かし、今後どのように、再生を図るかを踏まえて、事業性をしっかりと見極めます。特に、売上が横ばいでも、再生できるという計画を策定しなければ、金融機関は首を縦に振りません。
    いずれにしても、ここで、どれだけのキャッシュフローが出せるかを客観的に示し、その対策に合理性があることが最大のポイントです。

    4. 経営責任を明確にする。
    再生計画においては、債権者である金融機関さんに、元本返済の猶予(=「リスケジュール」)を始めとした痛みをお願いするわけです。当然、我が社も、経営責任が求められます。
    経営責任とは、①経営者交代や役員報酬の大幅減額、②減資、③私財提供などがあります。
    つまり、経営責任を明確にし、債務者区分の格付けをあげる再生計画を策定すれば、事業や会社は残せるのです。
    今回、気をつけなければならないことは、取引金融機関が合計で5つあるということ。担保設定の状況にもよるし、一筋縄ではいかないですね。
    ちょっと、休憩を入れて、今後の協議会の仕組みの流れや“経営悪化の理由“を協議するために、中小企業の経営リスク対応チェックリストを説明しましょう。                (次号に続く)

    taniguchi62.gif

最終更新日 ( 2009/05/29 Friday 10:33:28 JST )
 
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