2007.09~話し合いの目的を再確認しましょう!!~ |
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2007/09/21 Friday 10:15:22 JST |
2007.9~話し合いの目的を再確認しましょう!!~
業界中堅の保険会社のコールセンターで働くAさんは、電話オペレーター部門のグループマネージャーのうちの一人です。そのマネージャーAさん(正社員、以下Aさん)は以前から気になることがありました。それは部下のBさん(契約社員、以下Bさん)の言動に納得がいかず、目につくことが多いのです。Bさんが常日頃から忙しい中、チーム全員が働いているにもかかわらずあまり協力的でない事に、「チームの一員としての自覚が足りない。」と思っていました。
今年の夏、Aさんは改めてBさんと話し合いをもたなければならないと思いました。発端はBさんが「8月に休暇を7日とりたい」と言ってきた事でした。
Bさん: Aさん、すみません、ちょっといいですか? Aさん: どうしたんですか? Bさん: 昨日出した休暇届けの事で、返事をいただきたいのですが・・・ Aさん: ああ、その件か、ちょうど良かった、実はその事で話があったんだ。今、ちょっといい?・・・Bさん、 先月7月にも2週間の夏休みを取っているよね。 Bさん: ハイそうですが、何か? Aさん: Bさんも分かると思うけど、今、人が足りなくて忙しいから休みを調整できないかな、と思って。どう? Bさん: ・・調整するという事はその時期に休みをとらない事ですよね。・・・出来れば休みを取りたいんですけど・・。 Aさん: この時期、皆忙しいからさ、お互い助け合おうよ。 Bさん: それは分かりますけど、前々から考えていたんです。 Aさん: でもわかるでしょ、皆の今の状況? Bさん: ・・・そうですが・・・ Aさん: ・・自分の希望だけを聞いてもらおうと考えるのはどうかな?他の人はその辺を考えてそれぞれ行動してるんだよ。自分だけっていうのはなぁ・・そのへんはきちんと考えるべきじゃない? Bさん: でも・・・・ (・・以降も同じようなやりとりが続く)
Aさんは「またか」という思いで「もっと自覚をもってほしい」と話し合いに望むのに対し、Bさんは「こっちはこっちの事情がある」という態度で話し合いは平行線をたどるばかりでした。
ここで双方の言いたいことをまとめてみます。 ・Aさん:チームの一員としての考え方を身につけてほしい、チームのためなら多少我慢もするべき。 ・Bさん:チームの一員であることは理解している。しかし、それよりも自分の時間を大事にしたい。 理想論は、Bさんがチームのために考えを改めAさんの要望を受け入れる事ですが、人はそう簡単に変わらないのが実情です。今回のケースも結局話し合いは平行線のまま終わり、Bさんは届出どおり休暇を消化しました。話し合い後も状況は以前と変わらずAさんにとっては “Bさんは相変わらずまた同じ事を繰り返している”という納得出来ない感情的なしこりを残したままの結果となってしまいました。
:具体的行動提案 ・話し合いの目的を変える 今回のケースのように同じような結果を繰り返し、進展しない場合は別のアプローチで会話を持ちましょう。 Aさんの話し合いの目的はBさんを対象に「説得する」事にこだわって会話を進めていましたが、そうではなくBさんが出来ることは何かを話し合う事に変える事が必要です。
・話し合いでのポイント - 再度、自身の判断を考えてもらうために上司としての判断を明確に伝える。そうすることで 話し合いで解決すべき点をはっきりさせる(今回のケースではBさんの行為が組織に与える影響「業務に穴があくこと」ことを伝える)。
- 対応可能な譲歩を引き出す姿勢に気をつけながら話す。
- チーム内の他の人とシフトを交代する等、出勤日が調整可能なことも付け加え説明する。
・具体例 - 「残念だけどあなたの要望どおりにはどうしても受けいれられない。どうしてもその時期の業務に穴をあけることはできないんだ。もう少し我々の状況を考えてもらえるかな?」
- 「じゃあ、○日と○日はどうしても出勤してほしいから、その辺は都合はつくかな?」
- 「他の人との調整もあるから、例えばどの日なら都合は都合がいいのかな」
*もし仮に譲歩が引き出せないならその答えをBさんの意思として尊重し対処するべきですが、留意したいのはBさんのタイプには「自らの行動が組織に与える影響」に気づく様、時間と機会を与えながら対応する事です。
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最終更新日 ( 2007/10/19 Friday 10:31:34 JST )
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