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No.385【ラーメン店に学ぶ「貧すれば鈍す」】-2005.12.14
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2007/06/25 Monday 14:40:17 JST
No.290【夜明けは近い。価格競争から脱却しよう】-2004.2.11


価格が上がり始めた!

昨年後半から、多くの産業界で原料価格が高騰しており、製品価格への転嫁がうまくできるかどうかにより明暗を分ける状況になりつつあります。
しかし、現状は「原料高の製品安」という過酷な状況にあるために、体力や財務力の弱い企業にとっては大変厳しい時期に突入します。
原料素材メーカーは資本集約型の装置産業ですから、高度成長時代の需要を満たすために投資に継ぐ投資を繰り返し、巨大化することによって成長を確実なものにしたのですが、1985年のプラザ合意以降の円高基調と冷戦終結とバブル崩壊後のデフレにより巨大であるがゆえの苦しみを体験して、行き着いたのが合従連衡戦略です。大同合併することで巨大化し、永遠の消耗戦となりかねない業界内競争をやめて、世界市場でのポジションを確実なものにする術でした。
鉄鋼メーカーが5社から2社になったのは200112月のことです。
また、2000年からグループ化が進んでいた石油産業は10社から4社になり、巨大企業がさらに巨大化してゆきました。 業界で過半数の企業が価格統制を行うとカルテルになり、重大な犯罪となりますが、合併会社が価格をコントロールするのは当然ですから、違反でもなんでありません。競争のステージが20世紀型の競争から21世紀型に変化してきたように思います。
これらの原料メーカーが市況を反映して、原料価格を相当な強気で上げ始めているのですから、加工メーカーはたまったものではありません。
例えば、鉄鋼の値上がり幅は20%40%という大幅なものですが、強気の要因は需要の爆発的な拡大、すなわち、中国オリンピックの需要、自動車産業の好調さがひとつ。もうひとつの側面は、新日鉄/JFEの200393日の名古屋製鉄所、1223日の水島工場の相次ぐ工場大爆発による生産停止による供給能力の減少です。
市況は需要と供給のバランスの上に成り立っていますから、構造的に価格上昇圧力が強くなっていることが分かります。

変化しなければ危機になる
素材メーカーは経営連携を強めることによって収益を確保する戦略をとる以上、加工メーカーや建設業も同様に収益確保のための新しい動きをやってゆかないと、大変です。
つまり、独自の技術や特許や専門性を持たない中規模加工メーカーや建設業、販売業は価格競争にまともに巻き込まれて、「原料高、製品安」という股裂き地獄に進まざるを得ないのです。
時代の基調はまだまだデフレです。大手上場企業を中心に業績が明るくなっていますが、需要そのものが上向かないのですから、社会全体が「好景気」になるには1年以上の時間が必要です。
特色のない商品やサービスではいくら好景気になっても、ジリ貧になることは間違いありません。

いまが絶好のチャンス
情報が瞬時に世界を駆け巡る「情報化社会」になって10年目の今日では、取り巻く環境は日本固有の現象ではなく世界共通の現象なのです。
わが社の強みを認識したうえで、環境に適応していくには、絶好のチャンスです。
いまこそ、お客様が求める商品やサービスを徹底的に追及して、今までに無い、他社がまねのできない商品やサービスを提供しなければなりません。
例えば、
●どこよりも早い納期を実現
●そっくり丸投げできるアウトソーシングサービス
●栽培者が明確な無農薬野菜や果物
●1個から発注できる部品
●年中無休の7D24Hサービス
等、なんでもよいのです。
わが社の強みを活かして、徹底的に差別化するのです。
人並み、他者並みは魅力がありません。
一人一人がNO.1と言えるものを目指し、オンリー1を作る時代になったのです。
このようにいうと、「理屈ではそうかもしれないが、実際はそんなに簡単ではない」と言われる方が多いでしょう。
しかし、今を「先が見えない苦境(マイナス)」と捉えるか、「未来を開くチャンス(プラス)」と捉えるかは、心の持ちよう一つです。ならば、せめて、心の持ちようだけでもプラスで捉えてチャレンジしようではありませんか。

苦境から飛躍した泡盛
苦境に陥ることによって大飛躍した事例に、沖縄の名産品で「泡盛」があります。
従来の泡盛と言えば、「きつい、臭い、おじさんが飲む」酒という印象があり、中でも古酒(クース)は35度以上の強い度数の酒ゆえに年配者向けの酒で、若い人たちには人気がありませんでした。
1990年ごろから若い人向けに古酒を20度~25度という低い度数に押さえ、当時のマイルドトレンドに合わせた「琥珀色の古酒」が開発されてヒットし、各酒造メーカーは競って商品開発を行いました。
その結果、「マイルド古酒」ブームが起きて、生産量が追いつかず、欠品状態が恒常化するぐらいに活況を呈しました。古酒とは業界基準で3年間熟成させた酒のことをいい、通常の泡盛は2週間で製品化するのに比べて、古酒は3年以上の時間を要すために、ヒットしたからといって増産すると、たちまち底を突いてしまうため、生産量が限定されるのです。
これらの古酒は非常に評価が高く、沖縄県内はもちろんのこと、東京、大阪を中心にした本土市場、海外、特に欧米市場にも広がっていったのです。
市場規模が拡大し、泡盛業界全体が活性化したのは良かったのですが、その後の大増税という苦境の種はこのときに蒔かれたものでした。

大ヒットの後の大ピンチ
この「琥珀色の古酒」を見た欧米の洋酒メーカーから「琥珀色の酒ならばウィスキー並みの酒税にすべきだ」というクレームがつき、WTOに提訴されたのです。WTOの裁定勧告により、改正酒税法が施行されることになり、泡盛(焼酎乙類)は洋酒並みの高酒税になり、ウィスキーの税率は是正され、逆転してしまいました。
改正前の1Lあたり30度の泡盛の酒税は87.75円でしたが、3度に亘る改定で、2001101日より193.51円と改正前の倍以上の税率になりました。
当初は各メーカーとも高くなった酒税を製品価格に転嫁するつもりでしたが、他社の思惑を慮りながらの作業なので、一向に転嫁が進まず、その間に増税前特需で買いだめした商品が市場に出回り、逆に小売市場では値崩れが起きて、価格が下がりだしたのです。
酒税が2倍以上高くなったのに、小売価格は逆に安くなってゆく。まさに「原料高の製品安」です。
価格転嫁すると「便乗値上げ」の汚名による顧客離れを恐れたメーカー各社が思い切った手を打てなかったのです。当然、酒造会社の収益は悪化します。
体力のない会社は悪いうわさが立ち、身売り話が飛び交いました。

逆境をばねに新商品に活路
この苦境の中で、泡盛の絞り糟(もろみ)を製品化できないかと大学とタイアップして研究を進めた企業が出てきました。
絞り糟は産業廃棄物です。廃水処理には莫大な設備投資が必要でしたが、企業規模から見て割が合いません。ほとんどのメーカーは養豚業者に手数料を払って豚のえさとして引き取ってもらっていました。
手数料を払って捨てているこの高栄養廃棄物を何とか生かせないかという発想で、絞り糟に特殊な酵母を加えて再発酵させて出きたのが、「もろみ酢」です。有名な鹿児島や中国の黒酢は酢酸を主体とした製品なので、常温保存ができますが、クエン酸を主体とした「もろみ酢」は開封後の保存ができません。
最初は数社の酒造メーカーしか生産していませんでしたが、「あるある大辞典」に代表される健康番組で取り上げられてから、一気に爆発的なブームを呼び、大ヒットしました。市場は本土市場で、健康食品ルートと限定したため、高値安定の高収益源となり、低収益の泡盛をカバーすることができたのです。
デフレ下にもかかわらず値崩れがしにくい商品開発の成功です。

ピンチは求めるものではありませんが、結果的にピンチになれば、「大飛躍の絶好のチャンス」とプラス思考で受け止めましょう。必ずその通りになります。

 
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