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No.389【ワクワク・ウキウキ・向上ノウハウ】-2005.1.18
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No.291【ふぐ理論】-2004.2.18 プリント メール
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2007/06/25 Monday 14:36:00 JST
No.291【ふぐ理論】-2004.2.18


初めての韓国

ある顧問先の社員旅行に同行して、生まれて初めて韓国斎州島に行ってきました。斎州島には国際空港があり、博多から1時間、大阪からでも2時間弱の近場で、日本からでも気楽に行ける異国のリゾート地と言えます。
私は沖縄から参加しましたので、ソウル経由で斎州島に移動しました。ソウルの新しい空港、仁川国際空港は海沿いに建設され、北東アジア一の規模を誇る空港で、巨大な建物に躍動感を覚えました。
旧空港の金甫空港とはリムジンバスで1時間ほどの距離ですが、連絡バスの便数も多いためそれほど不便を感じずに済みました。
斎州島は大阪府ほどの大きさをもった島で、韓国の代表的な海浜リゾートです。
観光好きの日本人からすれば、「ホテルを出れば(観るところが)何も無い」島ですが、今後は次第に開発されて、面白い場所になるでしょう。
斎州島出身の韓国人がたくさん日本に移住していますので、斎州島では英語よりも日本語が得意な人が多いのにはびっくりしました。
私の住んでいる沖縄より相当緯度が高いですから寒さを感じますが、時間距離が短いことと、交通アクセスが良いのと、物価が比較的安い(ソウルよりは高いですが)ので、沖縄の強敵となるかもしれません。

誰でも簡単に扱えないから面白い
守秘義務の関係上、仮名を使いますが、社名はアイワイ工業(仮名)といい、代表者は吉藤社長です。
主に特殊なゴム素材を使った超大型搬送システムを製造・販売する日本でも数少ない開発型メーカーです。
搬送システムで代表的なものにエレベーターやエスカレーター、ベルトコンベア、バケットコンベア等様々な種類の製品がありますが、アイワイ工業が製造販売している製品は、きわめて特殊で、ゴムを素材に使ってバケットコンベアと同じ機能を有し、しかも、いかなる搬送物も高速かつ大量に搬送できるシステムです。
しかも、ベルトコンベアのように広大な面積を必要とせず、解体組立による移動も可能なため、地価の高い都市部や場所の取れない地下工事、海洋土木等に適しています。
そのうえ、ゴムを素材にしているため熱や電気の絶縁にも強いという特徴を持っています。
また、ゴムは化成品と異なり、加工が難しいため、精度を上げるには相当の試行錯誤を重ねないと良いものができません。
そのため、参入する企業がほとんどなく、撤退する企業の方が多い業界と言えます。
技術的には対応できる企業が多いのですが、採算性や開発力の問題から、実質的には世界でもアイワイ工業しか供給能力がないため、文字通り「オンリーワン」企業と言えます。
特殊な用途であることと市場の小ささが、ネックではありますが、大量生産に不向きなため大手の参入障壁になっています。
これは企業存続という面では戦略的に非常に有利です。付加価値も高く、高固定費、低変動費であるため、数量が増えれば高収益が可能なビジネスモデルなのです。
一度納品したユーザーは皆ファンになってしまいます。長年頭痛の種だった困ったことが目の前で見事に解決しているからです。

しかし、問題も少なくありません。
そのひとつに受注から納品まで手間ヒマがかかりすぎることです。
二つ目には用途に応じてスペックが一品一様のために効率の追求が難しいことです。
三つ目には、ゴムは加工が難しいために、同じスペックでも現場での動作調整に時間がかかることです。
言ってみれば「誰でも簡単に扱えないシステム」なのです。
プラント全体のシステム構造や関連性、動力系の構造や知識、搬送物に対する経験や知識等の幅広いノウハウが無いとうまく行かないのです。
アイワイ工業でも受注から設計、製作、試運転、調整までできる技術者はそれほど多くはありません。

人がやらないことをやる
吉藤社長は日ごろから「人のやらない事をやる」ことが好きで、「非常にお客様に喜ばれ、熱烈なファンになっていただける商品だけれども、だれでも簡単に扱えないからこそ最高に魅力的なのだ」という考え方です。
吉藤社長から、「ふぐ理論」(私が勝手に命名したのですが)を聞いて、なるほどと感心したことがあります。
アイワイ工業の商品を「雑魚」と「ふぐ」にたとえて考え方を教えてもらった時の話です。

「漁港で水揚げされる普通の魚は量も多いし、味もそこそこで、誰でも料理ができます。
しかし、『ふぐ』だけは決まった漁港でしか水揚げされませんし、量も少ないし、値段も高いです。
しかも、資格をもった専門の料理人でないと料理そのものができません。しかし、味は絶品です。
どこの居酒屋でも「ほっけの開き」は、500円程度でいつでも食べられますが、『ふぐ』となると名前の通った店で、予約を入れておかないと食べられません。しかも3,000円から5,000円と高額です。
しかし、お客様は高いといって文句を言いません。おいしいから又食べたいと言って予約を入れて、友達も連れて来てくれます。
当社の商品は『ふぐ』なのです。
毎月何千台と量産できるような商品ではないのです。せいぜい、がんばって毎月2台も供給できれば、よいところです。
受注はできても供給力に限界がありますから、納期がかかってしまいます。しかも、資格をもった専門の技術者がポイントを抑えて製作しないとうまく動いてくれません。いずれ、月10台程度の量産は可能になるでしょうし、代理店展開ができるような技術の標準化もできるでしょうが、今は一品一様の手作りが現状なのです。
このような『ふぐ』料理を「ほっけの開き」と同じように価格勝負して、相手の要求を聞くだけでは、メーカーとして成り立たないのです。
当社の商品を『ふぐ』として販売できるように応援してください。」
この話を聞いて大変分かりやすくて感心しました。

セールスマンは商品の宣教師
営業の第一線の現場ではお客様と駆け引きの真剣勝負が続いています。もちろん、同じ素材を使ったライバルもいますし、別の素材の別の工法でのライバルもいます。ライバルの動きを把握しながら行動しなければなりませんが、最後に物を言うのは価値と価格のバランス(コストパフォーマンス)です。
お客様の設備投資予算は決まっていますから、価値(バリュー)があればいくらでも出していただけるものでもありません。
今回受注しなければ、次の設備投資のチャンスは、
10年後にやってくればいい方です。
セールスマンが価格に走る気持ちは痛いほど分かりますが、そこで力を発揮するのが、『ふぐ』理論です。
お客様が求めておられるものが『ふぐ』であることを確認したならば、それなりの価格を提示しなければならないのです。『ふぐ』を「ほっけの開き」と同じサカナとして勝負してしまうと、負けるのは目に見えています。
日ごろからサカナは「ほっけの開き」しか食べていないので『ふぐ』の良さを知らないお客様に、いくら『ふぐ』が美味しいからと言っても、うわさにしか聞いたことが無い『ふぐ』に大金を払うことはしません。
しかし、信頼のおける親しい友人から、
「君は『ふぐ』を食ったことがあるか。値段は高いがべらぼうにうまいよ。一度食べると、病み付きになるよ。一度ご馳走するから食べに行かないか」
と誘われれば、うわさに聞く『ふぐ』を食べられるチャンスと喜ぶものです。
食べてみて初めて『ふぐ』の味が分かるのです。
そのときから、同じサカナでも「ほっけの開き」と『ふぐ』は違うということが分かるのです。
セールスマンは自社の商品に対して絶対的な信頼感をもった宣教師の心境で望まねばなりません。

アイワイ工業は『ふぐ』の専門メーカーとして、『ふぐ』のことなら世界で一番よく知っている企業になろうとしています。

 
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