2007/06/04 Monday 14:41:26 JST |
No.324【イチロー快挙】-2004.10.6
道具を大切にするイチロー選手 次の作文は小学6年生の男子生徒が書いた「僕の夢」という作文です。皆様も一読してください。
「僕の夢」 僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。 そのためには、中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。 活躍できるようになるためには、練習が必要です。 僕は、3才の時から練習を始めています。 3才から7才までは半年くらいやっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。 だから、1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間です。 そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。 そして、中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。 そしてその球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。ドラフト入団で、契約金は1億円以上が目標です。 僕が自信のあるのは、投手か打撃です。 去年の夏、僕たちは全国大会に行きました。 そしてほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会NO.1投手と確信でき、打撃では、県大会4試合のうち、ホームラン3本を打ちました。 そして、全体を通した打率は5割8分3厘でした。 このように、自分でも納得のいく成績でした。 そして僕たちは1年間、負け知らずで野球ができました。 だから、この調子でこれからもがんばります。 そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に招待券を配って、応援してもらうのも夢の一つです。とにかく一番大きな夢はプロ野球の選手になることです。
もうお分かりですね。イチロー選手の作文です。 作者は「愛知県西春日井郡 とよなり小学校6年2組 鈴木 一朗」となっています。
3歳のときから自分の進路をしっかりと描き、その夢の実現に向かって走り続けて、本当に夢を実現した偉大な人物です。 2004年10月2日(土)アメリカメジャーリーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が前人未踏のシーズンヒット記録を84年ぶりに塗り替え、262本を達成しました。同じ日本人として、わずかな期間に野球の本場アメリカという異国の地で偉業を成し遂げたイチロー選手をこの上なく誇らしく思います。 8月はアテネオリンピックで日本選手団の大躍進と快挙に国を挙げて喜び、その後のパラリンピックでも偉業ラッシュに感動して、今度は野球で快挙です。 本番に弱いといわれた日本人のメンタリティが、科学的な練習方法と日本人にあった適切な指導法と日本人固有の精神力の相乗効果で大きな成果を上げだしているようです。
イチロー選手が世界記録を達成した同じ日に、顧問先の経営計画発表会が那覇市内のホテルで開催されました。その席に来賓で招かれていた名古屋のA会長から教えていただいた話です。 『イチロー選手は道具を大切にし、バットやグラブはもちろんのこと、スパイクの泥をきれいに落さないとロッカーから出なかった』そうです。 道具を大切にする姿勢は全ての仕事の奥義に通じる基本中の基本です。 当たり前といえば当たり前の事ですが、この当たり前の事がなかなか出来ないのが人間で、それが出来るイチロー選手は『すばらしい』の一言です。
板前さんが「包丁一本、さらしに巻いて」修業をするのと同じように、ビジネスマンの道具はパソコンであり、車であり、鞄です。会社にあっては事務机がそれです。 「成績さえ上げれば、車が汚かろうと、パソコンが壊れていようと、机の上が乱雑になっていようと関係ない」といわれそうですが、それで本当に成績が上がっているなら、それは一時的なまぐれでしかありません。 道具を大事にするという姿勢は、仕事をさせていただくお客様に感謝し、仕事に対して謙虚さを持っていることを意味し、今日一日を反省し、明日への飛躍を誓えるすばらしい人です。 いまは不遇でも、逆境でも、必ず、いつか大きく羽ばたく日が来ることは間違いありません。 整理整頓が出来ない企業が長く存続したためしがありませんし、清掃や挨拶ができない幹部が生き残った例は皆無です。 イチロー選手がそれを具体的に実証してくれました。
変化とは180度変わること 先ほどの経営計画発表会の席で、東京のB社長のコメントが大変新鮮で真実を付いているので感心し、思わずメモをとってしまいました。 「変化とは180度変わるものなのです。中途半端ではないのです。例えば、私はいま犬を飼っていますが、子供の頃の犬は家の外で飼うのが当たり前でした。しかし、いまは、家の中で飼うのが普通です。惣菜や弁当というのは、昔は家で作ってもらって、外で食べるものでした。しかし、いまは、外で買って、家で食べるものに変わりました。 変化するというのは、180度変わることをいうのです。」なるほどと感心しました。 それほど、私たちの考え方、お客様の考え方というのは変化して行くものです。企業もこの変化に抵抗するよりも、いかに変化を先取りして軌道に乗せるかということが大事なことだと痛感しました。 子供の頃、家の中で犬を飼うのは非常識で、頭がおかしいのではないかと思いました。 今では犬の病気には民間版の犬用健康保険が商品開発され、ビジネスになっています。 昔は、弁当は高級な仕出屋さん以外では売っていませんでした。いまは、様々な選択肢があり、デパートでは老舗の高級料亭の弁当から手軽な弁当までなんでもそろっています。スーパーはもちろんのこと、コンビニやほっかほっか弁当等、歩いて数分の距離に365日、24時間いつでも買うことができます。 頭では「変化に適応する」ことがいかに大切か分かっていても、実際にはなかなか難しいものです。 ビジネス道具の一つであるコンピュータと電話も10年前までは、別々のツールでした。 当時、オフコンがまだまだ主流で、オフコンの技術者から見れば、パソコンは不完全なコンピュータというよりもおもちゃに過ぎず、ビジネスの世界で使える道具とは思っていなかったのです。 Windows95の発売とインターネットの解禁によりパソコンがコンピュータの主流になりました。 携帯も値段が高く、企業経営者や役員クラスが道楽で使っている印象が強かったのです。 ところが、価格が安くなるとともに、普及し、インターネット接続が当たり前になってくると、もっていない人を探す方が難しいほど普及しました。 財布は忘れても携帯は忘れないほどの必須アイテムになったのです。 インターネットという共通のインフラの整備でパソコンと携帯は一体化して進みつつあります。
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