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No.382【会社の宝は智恵巧者】-2005.11.23
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No.449【読書で社員が変わる】-2007.3-21 プリント メール
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2007/03/22 Thursday 09:19:24 JST
No.449【読書で社員が変わる】-2007.3-21

 

年齢を重ねれば重ねるほど人は成長して行かねばならない。リンカーンの有名な言葉で「40歳になると顔に責任を持たねばならない」と言うのがある。しかし、一般的には、大人になるに従って勉強しなくなるから不思議である。
会社に入った当座は仕事について行く為に一所懸命に勉強をし、読めと言われた本を読んで、出ろと言われたセミナーに出席し必死でメモを取って努力する。

それが、仕事に慣れてくると共に緊張感が薄れ、出世すると共に勉強もしなければ本も読まず、セミナーにも出ない。人の話を聴かなくなってくる。
当面の仕事や技術の勉強だけしておれば事足りるとでも思っているのであろうか。
技術は日進月歩で進歩し、革新的な技術が日々生み出されているのに、旧態依然とした技術の深堀をするだけで生きて活けるという自信は一体どこから出てくるのであろうか。本当に不思議である。

パソコンが飛躍的に普及しだしたのは20年前であるが、当時のパソコンはまだまだマニアのおもちゃだった。コンピュータの巨人IBMがパソコンオタクのビルゲイツにパソコン用OSの開発を依頼、出来上がったOSがMS-DOSで、このソフトを元にできた会社がマイクロソフトである。
創業者のビルゲイツは9年連続で富豪世界一の地位にあり大成功を収めた。IBMがMS-DOSを理解できず使いこなせなかったので、著作権をビルゲイツに売ったためである。ビルゲイツはIBMの開発資金で世紀の発明と呼べるMS-DOS、今のWindowsの原型、を開発したことになる。

このソフトがパソコンのOSの主流となり、オフコンからパソコンにダウンサイジングが世界的規模で発生した。同じコンピュータでもオフコンの技術とパソコンの技術はまったく異なり、それまでコンピュータといえばオフコンが主流だったのがパソコンに変わってしまった。しかし、世の中の流れを勉強しておれば、いずれオフコンの時代が終わることは簡単に予測できた。パソコンの勉強を始めた技術者はオフコンもパソコンも対応できる技術者として引っ張りだこだったのである。
人間社会で起きるさまざまな出来事を幅広く関心をもって勉強しておかねば、専門バカになって大きな失敗することになる。基本はやはり、便利に、楽に、豊かに、平和に、楽しくいきたいと願っているお客様の願望に答えることにあるのである。
そのためにも読書はきわめて有効な手段であり、人間の器を大きくし、成長させてくれる最高の贈り物である。読書をしない人はこの得がたい宝物を拒否しているに等しい。

私は経営コンサルティングの中で会社が成長するには社員の成長が不可欠なので、社員に読書感想文の提出を提案している。
社長からは「良いことだからやりましょう」という承認は得られるのであるが、幹部から反発を食らう場合がある。社員からの反発は想定内であるが、説得方法を工夫しているが、幹部からの反発は想定外であきれてしまう。このような幹部はさっさと地位を降りていただいた方が会社と部下と家族のためになると思うのだが、そうもいかない。
いずれにせよ、必要な本を読むという作業はなかなか抵抗の多い出来事であることがわかる。
なぜ、抵抗するかというと、「感想文」を書くことに抵抗するのである。面倒くさい、難しい、時間がない。でも本当は自分の考えが何もないことに気づくのが怖いのである。自分の考えをしっかりと確立するために本を読んで、人の話を聞くのであるが、どうもそういう風には考えてくれない。

本といっても莫大な量の本があるので、選択できないだろうから、自己啓発やビジネス書、時事テーマ、歴史を中心に、「推薦図書BEST30」というリストをつくり、それぞれの本の見所と概要を一覧表にして提供している。もちろん、先ほどのジャンルであれば、特に推薦リスト以外の本でもOKにしているのだが、なかなか受け入れていただけない。
そして、本は自分で買ってもらうことを薦めている。
ある設計事務所で社員研修の一環で読書感想文を取り入れて実践している素晴らしい会社がある。
3ヶ月ごとに感想文を提出していただいているが、今は5回目を数えている。
始める時はいろいろと議論があった。自分でなぜ買わないといけないのか、なぜ読みたい本ではいけないのか・・・。

「まず、やってみましょうよ。そして、感想文は1行でもかまいません。まず、やってみて、具合が悪ければまた相談しましょう」
それから、3ヶ月。提出日を前に、続々と感想文がメールで送られてきました。
どれも力作で、レポート用紙1枚ぎっしりと書いている人がほとんどで、この会社の教養と意識の高さに感心しました。
最初はあらすじを要約したような感想文が多かったが、2回目になると自分の意見を表現するようになり、3回目には、要約がなくなり、自分の主張したい意見の引用として利用するようになった、4回目には堂々と自分の主張に論陣を張るようになってくる。回を追うごとに内容が充実し、知性や教養が身についているのがわかる。
感想文を書けば、次は発表である。声に出して皆に聞いてもらう。「一番最初にやりたい人(はいませんか)」と問いかけると、しばらく沈黙があり、「はい」と手が上る。発表した後で、友情コメント、愛情コメントをメンバーから求めるのだが、なかなか出てこない。そこで2~3人を指名して、コメントしてもらう。
「聴き手の心で話し、話し手の心で聞く」ことが前提なので、皆真剣に聞き、聞いて感じたことを言葉にすることによってさらに思考が深くなってゆく。発表者も聴き手の気持ちが理解できる。
「2番目にやりたい人」・・・同様の進め方で全員が満遍なく発表する。
緊張のあまり、感想文を読むだけで終わる人もおれば、声が小さい人もいる。何を言いたいのかわからない人もいる。
2回目になると、「1番目に発表したい人」というと、すぐに「はい」と手が上る。一歩前進である。
原稿を見ずに発表する人が増えてくる。発表者へのアドバイスもポイントをついている。
3回目になると、発表に工夫が出てくる。声のトーンや表情、小道具といった、聴き手を意識した発表になり、講演に近くなる。原稿を見る人がほとんどいなくなる(いいぞ、いいぞと私)
4回目にはプレゼンテーションスタイルで発表する。プレゼンテーションスタイルとは、聴き手にある一定の決断や行動を強いることだが、説得力の涵養に効果がある。感想文の発表は、講演の練習、プレゼンテーションの練習という位置づけで行っている。いつ何時お客様のところでプレゼンテーションしなければならなくなるかわからない。
また、業界の集まりでコメントや講演をしなければならないかもしれない。その時の為にも、日頃から人前で話す訓練をするのである。
自分の考えを人前で照れずに理路整然と話すには講演の技術をマスターしなければならない。目配りの仕方、声のトーン、間の取り方、笑いのとり方、身振り手振り、板書の使い方、時間のとり方等会得しなければならないスキルがいっぱいあるのである。感想文を書くことで、知識を身につけ、自分の言葉で表現することで論理的に整理し、聞き手にわかりやすい表現をすることで共感を得ることができる。
プレゼンテーションへの応用ができるので、ビジネス提案の成功確率が高くなる。社員の皆さんの堂々とした態度で感想文を発表するのを見るととても頼もしくなる。

良いこと尽くめの読書をぜひ経営に取り入れていただきたい。企業は人で決まります。人は常に刺激を受けないと成長しません。適度なストレスは成長促進剤なのです。

 
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