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No.387【今年の出来事】-2005.12.28
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2019/08/28 Wednesday 10:35:09 JST

No.1078 ≪世界的な景気後退に要注意!!≫2019.8.28 目加田博史

 

いつも思うのは、「盆明けには何かが起きる」ことです。お盆の行事は四季のある日本の行事ですが、二季の国でも雨季から乾季の変わり目ですので何か関連があるかもしれません。
そういえば、1929年の世界恐慌は10月24日に発生しましたし、1939年にナチス・ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発したのは9月1日です。1989年のベルリンの壁が崩壊したのは11月9日で、2008年のリーマンショックは9月15日に発生しました。今年はイギリスがEUを離脱する期限を迎えますが、その日は10月31日です。日本では2009年の民主党政権が自民党に取って代わったのは9月16日でした。今年、10月1日には消費税増税があり、10月22日には即位礼正殿の儀が行われますが、このような時期に消費税増税が果たして予定通り行われるのかどうか。

最近の新聞報道をみると、誰も勝利しない米中関税合戦の影響で、アメリカも中国も景気後退が進んでいるようです。EUも途上国も元気がありません。景気後退を阻止すべくFRBが金融緩和を実施しましたが、まだまだ足りないようで、今後も金利は低下傾向にあるようです。マイナス金利の日本はどのような手があるのかわかりません。

私は学生時代、あまり熱心な学生ではありませんでしたが、専門ゼミだけは皆勤で、当時興味を持っていた国際金融論を専攻し、卒業論文は「SDR(Special Drawing Rights:特別引出権)の考察」でした。
戦時中の1944年7月に連合国の首脳はアメリカのニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まり、戦後体制を議論する中で、戦後復興を促進する貿易をより円滑にする必要があることで一致し、そのために通貨を安定させなければならないと考えました。第二次世界大戦の遠因ともなった通貨切下競争を止めて、アメリカが金とドルを固定する金本位制をとり、加盟国通貨はドルと交換比率を固定するという「ブレトンウッズ体制」、別名、「金・ドル本位制」なるものを約束したのです。そして、それを管理する組織であるIMF(国際通貨基金)とIBRD(国際復興開発銀行)の設立を決定しました。
の結果どうなったか。加盟各国は戦後経済復興をするに従い、貿易量が飛躍的に増大し、基軸通貨となったドルの量も飛躍的に増えてゆきました。しかも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、戦後復興と経済はどんどんと拡大し、インフレが昂進し、アメリカの財政は拡大の一途をたどりました。一方、金の物量には限界がありますので、金の裏付けを持たないドルが増えれば、いずれドル不信からドルが破たんしてゆくのは目に見えていました。
そして、ニクソン大統領が悪夢のような「金とドルの固定を放棄する」声明を出しました。いわゆるニクソンショックで、1971年8月15日の事です。それに伴い日本が1$=360円の固定相場から変動相場制を移行したのは8月28日の事です。これで戦後の世界経済を担ったブレトンウッズ体制は崩壊し役目を終えました。

これに先立ち、1969年にはアメリカの財政危機に対応すべくIMFがドルに代わる資産としてSDRを創設し、軟着陸させる予定でした。しかし、現実には基軸通貨としてのドルの人気がうなぎ上りで、だれもSDRを使おうとしませんでした。私が、1977年に卒業論文に着手したころは、IMFが活躍しSDRが普及してゆく過程でしたので、今のようなSDRのみじめな末路は想像できませんでした。いまも細々と存在していますが世界の外貨準備全体に占めるSDRの割合は3%未満で見る影もありません。

ニクソンショック後も金の裏付けを持たないドルが世界中で利用され、アメリカが意図したような形にならず、依然としてアメリカの経済動向が世界経済を左右し続けたのです。ドルに代わる基軸通貨として期待され1999年1月1日に発足したユーロは20年たった今でもヨーロッパだけに通用する地域通貨の域を出ていません。
通貨変動に伴う金融危機を経験した世界は何をしたか。外貨としてのドル資産を持つことに精を出しました。
なんと、ブレトンウッズ体制は終わらなかったのです。世界中から資金が集まったアメリカは個人消費を活発にすることでなんとかバランスを取っていたものの、これもいずれ限界が来ます。買われれば買われるだけ借金が増えるわけですからアメリカはますます経常赤字が増加しました。当然ドルが買われるのですからドル高になります。すると輸出産業は低迷し、苦境にあえぐようになるのは時間の問題でした。これを専門家はブレトンウッズⅡ体制と呼んでいます。

世界の警察官としての使命感を持っていたアメリカは「やーめた」とは言えなかったのです。
1975年に始まったG7も、1985年に発足したEUも、1992年に合意したNAFTAも、1995年に発足したWTOも、2016年に合意したTPPも、すべて世界の枠組みを相互に補完することで調和とバランスを取り健全な平和社会の構築を目指す方向に舵を切ったのです。
そこに誕生したのがトランプ大統領で、これらはすべてアメリカを縛る縄と捉え、経常赤字の原因は、輸出国のせいだから、ドルを安くしてアメリカの輸出産業を強くしなければならないと、国益重視のアメリカファーストの政策を取っています。しかし、世界は既にグローバルなネットワーク経済で多層に複雑に絡み合っていますので、結果的にアメリカも中国もEUも途上国も元気がなくなってきています。

来年はアメリカ大統領選挙がありますし、これからアメリカは1年かけて選挙イヤーが始まります。そこでどのような考え方が出てくるか予想できません。
1992年アメリカ合衆国大統領選挙で、無名のビル・クリントンが現職パパ・ブッシュ大統領に挑戦し、勝利を収めた時のキャンペーンは"It's the economy, stupid"(経済こそが一番大事だ、それがわからないのか馬鹿者!)です。当時、冷戦の終結や湾岸戦争における勝利といったような、外交政策で大きな成果をもたらしたパパ・ブッシュの再選は誰の目にも明らかで民主党に勝ち目はないと思われていました。
しかし、クリントン氏は経済のほころびの兆候を見逃さず、「経済」を焦点にして選挙戦を戦いました。「景気後退がみられるにもかかわらず『経済』に対して的確に取り組まないブッシュより、クリントンのほうがよい選択肢だ」というイメージを作ったのです。
結果は、1991年3月の多国籍軍によるイラクへの地上侵攻の数日後の世論調査ではアメリカ人の90%がブッシュ政権を支持しましたが、1992年8月の調査では、アメリカ人の64%がブッシュ政権を支持しないと答えたのです。この歴史をトランプ大統領が知らないはずはありません。私達は時代の本質を見る目を養わねばならないようです。

最終更新日 ( 2019/09/05 Thursday 16:52:26 JST )
 
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