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No.406【会社は危険がいっぱい】-2006.5.17
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2019/08/09 Friday 09:34:26 JST

No.1075 ≪ドラッカー博士の情勢分析≫-2019.8.9 目加田博史

 

私の尊敬する師匠に2005年11月11日、あと4日で96歳になる前に亡くなったピーター・F・ドラッカー博士がおられます。知らない人はいない20世の知の巨人です。日本経済新聞社から発行されている「ドラッカー 20世紀を生きて」という日経新聞の私の履歴書を中心にまとめたものを読みかえしています。
ドラッカー博士は、亡くなるその時まで現役のクレアモント大学の教授でした。

私達コンサルタントからすると神様のような存在で、「マネジメント」「経営学」を発明した方で、経営と組織に関する造詣がとても深い方でした。
ドラッカー博士の教えの中で、今も、私が忠実に実践しようと意識している中に、「経営とは顧客創造である」「企業が持たねばならない2大機能とは、マーケティング機能とイノベーション機能である」があります。

中でも2大機能は、日々の経営の中で要求されるものです。マーケティング機能とは、顧客欲求がすべての企業行動の原点であるという認識です。具体的には、①お客様が何を買いたいのか求め続けること、②お客様が価値を認め、それを必要とし、求めている満足が商品を買うことによって実現すること、③理想のマーケティングは販売不要にすること、と喝破しています。

さらに、マーケティング機能の次に、イノベーション機能が要求されるとしています。イノベーションとは新しい顧客満足の創造です。具体的には①革新によって新しい満足を創造すること、②より大きく成長することよりも、より良くしなければならないこと、③よりよい製品、多くの便利さ、より大きな満足、結果としての価格低下を実現すること、としています。

ドラッカーのお父さんは、ハプスブルグ家が所有していたヨーロッパ最大のオーストリア=ハンガリー帝国の政府の役人で、外国貿易省の長官でした。家庭は裕福で、何不自由なく育ったのですが、サラエボで皇太子が暗殺されたことに端を発した第一次世界大戦の勃発で帝国は崩壊しました。ドラッカーが5歳の時です。
その頃にお父さんが自宅で開くサロンの常連だった人々で、創造的破壊を提唱したシュンペーター、近代心理学の父フロイト、天才ピアニスト シューマン、大作家のトーマス・マン等というそうそうたるヨーロッパの知識人に囲まれて育ちました。

その後、不況はヨーロッパ全土を覆い、職業を見つけなければならなくなり、ドイツに移り、20歳そこそこでアメリカ系の投資銀行のエコノミスト兼証券アナリストとして採用され記者になります。
「アメリカの株価は上昇を続ける以外にありえない」という記事を書いた数か月後に、1929年10月24日の暗黒の木曜日と言われる世界恐慌が発生します。若かったとはいえ、自分の書いた記事と真逆の事態となり、この時に「相場の予測はやらない」と決心して、生涯それを貫きました。

私が、もっとも尊敬するところは、ドイツの新聞記者時代に、ナチスドイツを取材し、ヒットラーにも何度もインタビューし、ゲッペルスにもインタビューをし、その他の政党にもインタビューして、綿密に情勢分析した結果、ナチスドイツが政権を取る、ヨーロッパが危機に陥ると判断したところです。誰もが「あり得ない」「人気はあっても政権を取ることはない」とは思っていた時です。

実際に、ナチスが政権を取り、ドラッカーが勤める新聞社に親衛隊が突入し、「ユダヤ人を全員解雇せよ、さもなくば全員収容所に行くかこの場で決めろ」と言われ、ユダヤ人を解雇する現場に遭遇します。ドラッカーはナチスを批判する論文を他の新聞社に送っており、掲載されることが決まっていました。露見すれば、逮捕は免れません。そして、自宅に親衛隊が訪れ、心臓が止まる思いをしましたが、その時の親衛隊の制服を着ていたのが、同じ新聞社の同僚で、「君はユダヤ人ではないから、一緒にがんばろう」と打合せに来ていたことがわかり窮地を脱しました。

48時間以内に脱国しなければ身に危険を及ぶと悟り、様々なルートを使いロンドンに亡命することができました。
あのような1920年~40年という戦争の世紀で、物騒な社会環境、経済環境の中で、冷静に分析をして、行動をとることができるとは、まさに知の巨人だといえます。
常に、情勢分析をして、「次はどうなる」「その理由はこうだ」という分析力を磨いておかねばとつくづく思っております。

 

最終更新日 ( 2019/08/14 Wednesday 16:39:07 JST )
 
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