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No.365【価格ではなく価値を提供するサービス】-2005.7.27 プリント メール
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2006/06/06 Tuesday 11:02:19 JST
No.365【価格ではなく価値を提供するサービス】-2005.7.27
3週間前から「建設業はサービス業だ」と提案してきましたが、実際にはすべてのビジネスに通じるテーマです。今回はビジネスの本質的なテーマである「価値」を考えましょう。
様々な業種でおこっている競争は終わりを知らない。

競争は追い抜き、追い越せという気持ちがエネルギー源です。品質競争、サービス競争、価格競争、スピードスピード競争・・と様々ですね。
それで、価値で競争すれば価値競争となるわけです。
価格競争だと価格は下がってゆくのに、価値競争だと価格は上がってゆきます。あなたは、なぜだと思います?

スペックと満足度

スペック(正確にはスペシフィケーション:specification)
と言う言葉があるのをご存知ですね。
設計明細書とか仕様書のことです。お客様の要求事項を文字や図形にしたもので必要条件だといえます。
アンダースペック(仕様を満たしていない)だと100%クレームです。では、オーバースペックなら、よろこばれるかといえば、そうともかぎりません。
つまり、十分条件を満たしていなければ、お客様は満足されないというわけです。
では十分条件とは何か。どんな基準をいうのか。明確に文書化できるか。どのタイミングが良いのか。
残念ながら、十分条件はお客様次第で標準化できません。
私的な事例で恐縮ですが、私の母はいまから25年前に、昔の無理がたたって膝関節を痛め、苦痛で歩けなくなりました。
最初は近所の病院に通ってみてもらっていましたが、なかなか直らないので京都大学の医学部につてを頼って入院する事ができました。
そこで主治医のA先生に出会ったのです。A先生は、おとなしく無口な先生で、必要なこと以外話しません。
検査の結果、レントゲン写真を見せながらA先生は母にこういったのです。
「目加田さん。これがあなたのひざ関節のレントゲン写真です。これが軟骨です。ここが、磨り減ってなくなっているでしょう。この軟骨があるおかげで骨と骨が直接当るのを防いでいるのですが、これがないと直接当るので痛いのです。座ったり、立ったり、歩いたりすると痛いでしょう」
「はい。痛うて痛うてこまっています。何とかしてください」
「そうですね。方法はいくつかありますが、一番良い方法は、手術で軟骨に変わるものをいれるのが一番です。ただ、使っていると次第に磨耗しますので、10年から15年に1回は交換しないといけませんが、痛みはなくなりますよ」
「なんか、難しそうな手術ですね」
「目加田さん、心配しなくて大丈夫ですよ。これはすでに確立された方法ですから、失敗する事はありません。ただ、器具がちゃんと固定できるかどうか骨の具合を見ないといけないので、時間がかかります」
「時間がかかるって、骨の具合を見るために手術しないといけないのですか」
「いや、レントゲンで分かりますから、手術は1回だけですよ。ただ分析しないと器具を発注できないので、それで時間がかかるのです」
「そうですか。安心しました。先生、ひとつよろしくお願いします」
「目加田さん、もう片方もひどくなっているので、落着いたら手術したほうが良いでしょうね」
「いっぺんにするのは堪忍してください」
「わかりました。様子を見てから判断しましょう」

手術は大成功で、母は元気なころのように歩く事ができるようになりました。
退院後、しばらく通院していましたが、このA先生が退職され、どこに行かれたか分からなくなりました。
それまで、通院していた母は病院にいかなくなりました。
「なぜ、いかないの? ちゃんと見てもらわないと後で困るよ」というと
「A先生がいないから、他の患者も皆来なくなった。他の先生に見てもらうなら、いかないほうがいい」
「どこが、そんなにいいの」
「あのA先生はな、私の話を良く聞いてくれるし、わかってくれはる。他の先生はえらそうに、自分の話しがすんだら、私らが何を言うても聞いてない」

顧客満足というのは、お客様の求めるもの(必要条件)を満たすのは当然ですが、期待値(十分条件)を超えたときに初めて実感できます。
スペックだけで合格しても、お客様の満足度は得られないのです。
母の場合は、痛みをなくして歩けるようにすることが要求事項(スペック)でした。方法は他にもあったかもしれませんが、A先生は手術をしてセラミックを装着するという手法をとられたのです。
その際に、今では当たり前になったインフォームドコンセント(治療に先立ち、必要な情報を患者に伝え、患者の承諾をえること)を徹底し、根気良く患者の話を聞いて、患者の不安を取り除き、治療への意欲を高めたことです。その姿勢にうそやはったりがなかった事が患者との信頼関係を強くしたのです。これが十分条件(価値)です。母にとっては無口だけれども安心と信頼ができる先生だと実感できたので安心して手術に望めたことです。
そして、手術後の結果がA先生の行っていた通りだったことも信頼関係を強くしました。

価値とは何か

広辞苑で「価値」を引くと「物事の役に立つ性質・程度。経済学では商品は使用価値と交換価値とを持つとされる。値打ち」と書いてある。
英語ではVALUE。値打ちや価値観は個々人によって異なるので、当然、価格にあらわすとバラツキがある。例えば、日本郵船の豪華客船アスカクルーズ「2006年世界一周クルーズ」(101日間)は最低で380万円、最高で1800万円します。
当然一人旅よりもペアが多いでしょうから、その倍の料金になります。洋服もかばんも持ち物もそれなりのものを準備するでしょうから、家を1軒買うよりも高いことは間違いありません。
だれが買うのか?という詮索は別にして、すでに2007年の募集をしているのですから、すごいですね。客層、設備、雰囲気、イベント、コンテンツ、サービス等が価値なのです。

価値を形にする

常に、お客様が求める価値を追求し、価値を形にする訓練をしましょう。価値は形がありません。気持ちであったり、イメージであったり、気分であったり、思い出であったりします。そのときに、いくらであれば納得して購入するかが価値です。専門家が専門用語で表現しても素人は分からないのです。
素人が分かる表現でカタチにすることが求められています。これが商品開発です。結果的に、それは店舗であったり、メニューであったり、体験であったり、商品であったりします。
格安航空券や格安ホテルは文字通り価格訴求の量販店ですので、際限のない戦いとなります。しかも、終わりのない規模拡大が前提となります。これは淘汰の結果、せいぜい数社が生き残れるマーケットです。
しかし、価値を提案する企業は量販や規模拡大を前提としません。損益分岐点を越える規模は必要ですが、それ以上の規模拡大は不要です。それよりもお客様の満足度の追及がテーマです。お客様が感激し感動されることにより口コミが増える事が価値提供企業の宿命です。お客様はだれか、そのお客様は何に価値を見出すか、その価値を皆で創造するにはどうすればよいかを考えましょう。

 
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