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No.399【「顧客満足」と「顧客不満足」の差】-2006.3.29
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No.1070 ≪経営センスの磨き方≫-2019.7.3 プリント メール
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2019/07/03 Wednesday 17:59:11 JST

No.1070 ≪経営センスの磨き方≫-2019.7.3 目加田博史

 

「(社長の)A君はとても誠実で、有能だ。ただ、トップ営業が弱い。財務は銀行から褒められているし、人材も得意先から喜ばれている。他にないシステムもつくっているし、知名度だってある。うちの強みを活かせばもっと業績を上げられるのに、なぜかやらない。私にはそれがわからない。何とかなりませんか?」という相談をいただきました。
「それは、経営センスの話なので、すぐにご期待に添えるかどうかわかりません。長い時間とコストをかけた割には成功確率は低いかもしれません。センスは育てるよりも育つものですから。『必ず身に付きます』と自信を持って言い切ることはできませんが、できないわけではありません」と答えました。

センスというのは、わかったようなわからないような言葉です。見えないのですから。しかし、中身はさておきマネはできます。例えば、ファッションセンスです。センスがあると評判の人のマネをすれば、同じ服を身に着け、同じしぐさをし、同じ表情をまねると、見た目はそれなりにできるものです。モデルがある限りマネができます。おそらく「センスが良くなったね」いわれるでしょう。しかし、にじみ出るような人間性まではコピーできません。映画「マイフェアレディ」でオードリーヘップバーンが演じる下品な花売り娘イライザがイギリスの社交界にデビューした時のように。

センスの反対語はスキルです。知識ともいえます。顕在化できる形式知です。しかし、センスは暗黙知に近く、極めて属人的な能力と言えます。能力というよりも個性と言った方がピンとくるかもしれません。この経営センスは努力すればそれなりに身につける方法があります。

1つは、異質なものと溶け合う事です。例えば、町内会、商工会議所活動、倫理法人会のような名刺や肩書が意味を持たない異業種交流です。お茶会に参加するのも良いでしょう。ファシリテーションサークルもお勧めです。普段の見慣れた光景や価値観が当てはまらない集団の中で、地面が抜ける恐怖感覚がありますが、次第に慣れてくると楽しいものです。
次に、外国人も多数参加している集まりに参加することです。NGO団体主催のセミナーやサポーターになるのも好いでしょう。言葉は致命的な障害ではないことがわかってきます。そして、次に、海外でもビジネスにかかわることです。会社では異質な人材が集まることで新たな着眼が生まれます。同質の人材は、発想が偏ってしまいます。ホンダの飛躍は、本田宗一郎が技術を担当し、マネジメントは藤島武雄に任せ切ったから始まりました。
アフリカに靴を売りに行った2人の営業マンが、同じ環境に遭遇し、「クツオクレ、ミナハダシ」「スグカエル ミナハダシ」と本社に送った電報のように、価値観がまったくことなった環境に身を置くことで、経営センスは磨かれます。

2つ目には総合力を身につけることです。
分析は今あるものを分解して突き詰めてゆく作業です。例えば、SWOT分析は経営計画書を策定するときに、振り返りや現状理解の上で非常に有効です。しかし、限界があります。今起きている事象については分析できますが、行間を読んだり、無から有を産むことはなかなかできません。今あるものをつなぎ合わせて、今はないないけれど必ず必要になるものを生み出す力が総合力です。陰陽でいえば、次々に分裂し、成長する力は陽の力です。分裂の究極、成長の究極にあるものは、すべてが蓄積され融合されて結実し成熟する力が陰です。
経営センスの究極はこの総合力、陰の力です。これを磨くこと。
私がかって籍を置いていた外食産業での話で、ファミリーレストランの立地を決める時、店舗開発部が様々なマーケティングデータをもとに決めた店舗ははやらず、候補内に足を運んでトップの直感で決めた店舗は繁盛しました。分析したデータを総合する訓練が経営センスを磨いてゆきます。

3つ目は違いを持つことです。違いとは、やらないことを明確に持つことともいえます。
東京オリンピック招致のきっかけともいえる日本のお家芸「お・も・て・な・し」。これとホスピタリティの違いを海外の人にどう説明するか。「おもてなし」を、「お客様の要望を、速やかに、親切に、丁寧に、清潔に、正直に、穏やかに実現する」と捉えると、海外でも同じように対応しています。だから、何が違うのかが分からない。単なる程度の差になってしまうのです。
日本のおもてなしと海外のホスピタリティは全く別物です。主人の要求を満たす召使の上下関係がホスピタリティで、亭主の世界観の中で楽しんでもらう対等関係がおもてなしです。
その原点は茶道にあります。茶道は一期一会に、亭主がお客様を楽しませるためにさりげなく工夫を凝らし、お客様は亭主の思いをくみ取ろうと楽しむ。言葉でいえば、「和敬清寂」です。
「上下関係にしない」ことで違いを明確にしています。一見、同じように見えるものでも、明らかな違いを作ることで経営センスが磨かれるのです。

4つ目に、決断する勇気を持つことです。
経営に対する打つ手は無限にありますが、そのほとんどに答えがありません。どれも正しいし、どれも間違っているかもしれないのです。やってみないとわからない。いくら、分析しても、いくらシミュレーションしても、所詮は過去の延長線にすぎません。未来は人智を超えたところで結果が出ますので、「答えが無い」のです。
経営陣が集まって議論して、多数決で決めることはできますが、決断はできません。決断とは「決する」「断行する」の2つのプロセスから成り立っています。これは、経営者しかできません。いかなる結果になろうとも、すべてを受け入れる責任があります。経営者は、決断する勇気とその背景にある総合力と直観力を持つことで試行錯誤ができ、次第に経営センスが磨かれてゆくのです。

No.1070 経営センスの磨き方.pdf 

最終更新日 ( 2019/07/12 Friday 17:17:29 JST )
 
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