No.1069 ≪見えない力を活かす経営≫-2019.6.26 |
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2019/06/26 Wednesday 16:45:55 JST | |
No.1069 ≪見えない力を活かす経営≫-2019.6.26 目加田博史
晴れ渡った心地よいある日ある時、あなたの回りをそよ風がさっと吹きました。あなたは何を感じますか? あなたは神や仏を信じますか? あの世を信じますか? ご先祖が応援してくれているのを感じますか? 定期的に墓参りはしますか? お地蔵さんがあれば立ち止まって手を合わせますか? 運やツキは本当にあると思いますか? 何かあった時偶然と思いますか必然と思いますか? 類は友を呼ぶと言いますが本当だと思いますか? 人のオーラは見えますか? 病は気からと言われますが信じますか? お金は天下の回りものだと思いますか? 逆境はチャンスの裏返しと思いますか? 直観力は強い方ですか? 鈍感な方ですか? 初めて訪れた土地の分かれ道で右に行くか左に行くかどう判断しますか? マスコミ報道は真実だと思いますか? フェイクだと思いますか? 20年以上前の事ですが、長崎県佐世保市の川滝駅前にある「アンデルセン」という不思議な喫茶店に行きました。食事の後のショータイムに超能力者のマスターがいろんなマジックを見せてくれました。手品やマジックというにはあり得ない出来事が次々と目の前で起きているのですから。 あなたはどう思いますか? この社長とマスターは友人で、社長はサクラに過ぎないのだ。いやいや、マスターは超能力者だ、いやマスターのカウンターに仕掛けがあって別のものと取換えているんだ。
私には真実はわかりませんし、知人の社長がそれほどのクワセモノとも思いません。カウンターに小細工を労すればいずれどこかでぼろが出ます。いまだに、この「アンデルセン」は連日満員で盛況だとか。 錯覚も含めて「見えるもの」しか信じない。証明できないものしか信じない人は経営者には向きません。 あなたは「光」を見ることができますか? 「光」は「影」があることで見ることができます。「影」は「光」によって存在することができます。「光」と「影」はコインの裏表のごとく、密接不可分で本質は一つです。 同じように、人の「長所」は「短所」によって特徴づけられ、「短所」は見方によっては「長所」以上の得難いものになります。長所と短所が一人ひとりの個性を輝かせ、無限の可能性をもたらしてくれます。地球上に暮らす70億人以上の人々の全てが一人ひとり違うDNAをもち、価値観をもち、個性を持っています。その個性の組み合わせが組織や企業を発展させますし、衰退もさせます。同じ波長の人を周囲に集めれば、組織経営は楽ですが発展は阻害されます。異質な個性を集めればそれを調和させて共鳴させる度量を持ったリーダーが必要になります。何が良くて何が悪いかではなく、どのようにありたいかが重要な志になってきます。 「人間(じんかん)万事塞翁が馬」(出所:『淮南子』人間訓)という中国のことわざも、表面的、近視眼的にとらえると物事の本質を誤ることを教えています。一時の災いを嘆いて、長い目で見た幸福を失うことはいかに愚かなことか、このことわざを知ることによってわかります。同じような意味で、「禍福はあざなえる縄のごとし」というたとえも同様です。 会社を経営するということは、ヒト・モノ・カネのバランス、お客様・社員・仕入先のバランス、短期・中期・長期のバランス、ベテラン・中堅・新人のバランス、大きなマーケット・ニッチマーケットのバランスを取らねばなりません。円安が順風の会社もあれば逆風の会社もあります。一時の現象を表面的、近視眼的にとらえて経営判断すると、長い目で見たときに致命的な禍根を残すことにもなりかねません。
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最終更新日 ( 2019/07/05 Friday 17:18:18 JST ) |