No.1066 ≪10年後の事業の柱は何か≫2019.6.5 |
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2019/06/05 Wednesday 14:25:30 JST | |
No.1066 ≪10年後の事業の柱は何か≫2019.6.5 目加田博史
「経営者は10年先を見て手を打て!」とは名言です。目先の事で一喜一憂するのではなく、5年先、10年先を見据える目を養う。戦争の世紀だった20世紀は遠く過ぎ去り、21世紀に入って早くも20年近く経過しました。 世界経済が変化すると経済構造も変化し、既存勢力が淘汰され、新興勢力が勃興します。従来の価値観が陳腐化し新しい価値観が創造されます。 世界中で国土開発が進み建設需要は高まる一方です。医療の南北格差は著しいですが、確実に向上しています。ネットの普及でIOTや自動運転、フィンテックの高度化はとどまるところを知りません。 様々な分野で意欲的な試みがなされています。多くの問題を抱えていますがキャッシュレス時代を背景に無人店舗は増えてゆくでしょう。ソフトバンクやテスラモーターが参入する宇宙ビジネスは花盛りです。世界で唯一の宇宙ゴミを掃除する日本の会社「アストロスケール社」の創業、東大阪の町工場が共同開発して宇宙に打ち上げた「まいど1号」、関東の中小企業のシンジケートが深海をビジネス領域に選んで開発した「江戸っ子1号」。 環境面でも世界各国の意識の高まりがすごく、マレーシアは流れ着いた違法なプラごみを排出した国に送り返す強硬手段に出ており、世界の廃プラ受入大国だった中国は廃プラの輸入を禁止しており、フィリピンでも同様の動きが出ています。日本では廃プラ処理の再構築が求められており、大きなビジネスチャンスが起きてきます。 日本では2020年の東京オリンピック、インバウンドの高まりに伴う施設整備、リニアモーター工事、IR事業の始まりで巨額の投資が続き、スーパーゼネコンの中には約5年分の受注残を抱えている会社もありますが、長い目で見れば少子高齢化で人口が減少している日本では、建設の先行きはそれほど明るくはないでしょう。そうすれば開発ブームが世界中で起きているので、リスク覚悟で世界市場に参入するかどうか経営者の決断が問われます。 中小企業は、大企業と異なりナイナイづくしの経営が基本ですので、これから10年の変革に対して、経営者自らが、持てる経営資源を分析し、どの分野で生き残ってゆくのかを模索してゆくことです。M&Aもあれば新規事業の創業もあるでしょう。その時に大事なことは、「目に見えない財産を残せるか」が判断基準となります。即ち、人材です。 とにかく情報が多すぎます。しかも、玉石混交で、真偽錯綜しているため、知れば知るほど不安になり、知れば知るほどわからなくなる時代に生きています。このような時代こそ、志をもって、ビジョンを描き、それを信じて追及してゆくことが必要です。次の10年後は、どのような世界になっているかを考えるよりは、どのような自分になっていたいか、どのような会社を目指すのかを具体化することが大事だと考えます。 |
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最終更新日 ( 2019/07/05 Friday 17:21:53 JST ) |