No.1032 ≪土地バブルの行方≫-2018.10.1 |
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2018/10/01 Monday 10:22:52 JST | |
No.1032 ≪土地バブルの行方≫-2018.10.1 目加田博史
先週はメールマガジンをお送りできず申し訳ございませんでした。 さて、沖縄・那覇にある当社が入居しているビル(1986年築)の土地の値段を聞いて驚きました。立地は、沖縄県庁や沖縄県警の東対面に当たり、国際通りまで歩いて3分、モノレール県庁前駅まで5分の位置にあり、好立地な割には静かな官庁エリアに属します。条件的には悪くはないと思いますが、人通りは少ないので、商業的価値が高い場所とも思えません。 先日の土地価格調査を見ても、日本の主要都市の土地が軒並み値上がりしており、日本全国、バブルの再来かと思える様相を呈しています。この土地バブルの主役は外国人と言われていますが、定かなことはわかりません。名義は日本企業でも、真の金の出し手は誰かわからないのが実態です。取引の現場に行って外国人が同席していたので、その時初めて外国人がオーナーだということが分かったという話をよく聞きます。取引が合法であれば、とやかく言う必要はないでしょうが、やはり心配なところですね。 話しを戻して、当社の入居しているビルの利回りを計算してみました。建物の価値はそれほどないでしょうが、2億円程度見込んだ場合、土地・建物で10億円になります。家賃収入は、年間で約3300万円ですので、利回りで見れば3.3%となります。購入費を長期変動金利0.3%で借りた場合は、年間で3000万円のテナント収入になりますので、他の物件と抱き合わせで考えた場合、維持費を年間2000万円で見ても十分採算があうのかもしれません。通常、アパートや事業物件の利回りは10%と言われています。最近は競争が激しくなり7%、5%でも成立するようですが、危険な領域に入っているように思います。 沖縄では、土地バブル真っ最中ですので、庶民の手が届かない価格になりつつあります。立地にもよりますが、土地代だけで1億円以上する物件になってしまっています。ホテル需要が著しく、建てても建てても足りないようです。住宅やアパートを建築するより、ホテルを建てたり、アパートでもマンスリー、ウィークリータイプが増えていますし、民泊専用アパートも案件が多くなっています。ほとんどが一棟売りですので、金額が桁違いに大きくなっています。投資から投機に変わりつつあるのかもしれません。 当然のように、様々な業種の大手企業が本土からどんどん沖縄に進出してきています。毎日のように、「沖縄営業所を作りましたのでよろしく」という案内が来ます。 うまい話に乗らない。大きな話に乗らない。周囲の声に惑わされず、規模の大きさに麻痺することなく、身の丈に応じた経営を心掛けることが大切です。経営者の信念や考え方が重要な局面に来ています。「環境は変わった」「潮目は変わった」と認識して、自社に合ったやり方に変えてゆくことが大事です。 私の経験則「人はその時々の力量に応じて難題が与えられる。その難題はその人が必ず解決できる難題である」 |
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最終更新日 ( 2019/07/05 Friday 13:16:45 JST ) |