トピックス
No.391【今時のイギリス】-2006.2.1
更に読む...
 
Home arrow FAX情報 arrow No.1010~1039 arrow No.1029 ≪まほろば研究会について≫-2018.9.5
No.1029 ≪まほろば研究会について≫-2018.9.5 プリント メール
ユーザ評価: / 0
悪い良い 
2018/09/05 Wednesday 16:23:31 JST

 No.1029 ≪まほろば研究会について≫-2018.9.5 目加田博史

 

今日は、日本及び日本人の歴史に関心のある方にお勧めです。そうでない方は退屈かもしれません。
4年前から年1回、「古事記」の現場を旅する「まほろば研究会」を行っています。日本の成り立ちや神話の現場に立ち、日本を体感し、今に感謝する旅路です。国も会社も永続しなければなりません。永続するモデルが「古事記」に記載されています。今年は、熊野・伊勢方面を旅します。

「古事記」は国民に向けて書かれた最古の歴史書です。「日本書紀」「続日本書紀」は海外向けに書かれた外交文書ですので、表現の仕方や登場人物や出来事が異なります。どちらも政治的意図を持って編集されていますので、事実は異なるかもしれませんが、行間に真実を物語っていると思います。
「古事記」編纂に先立ち、全国の行政府に出された指令は風土記の編纂です。この時に、それぞれの国や地域を2文字で表現することを求めています。出雲・常陸・摂津・越前・美濃・・国名は全て2文字です。その流れを受けて県名も2文字が多いです。3文字の県も元をたどれば2文字です。和歌山は紀州、鹿児島は薩摩、北海道は蝦夷といった具合です。
これら全国から集められた風土記をもとに、「古事記」が編纂されますが、その時に、政治的意向が働き、権力者が権力を握る正統性を明確にされました。結果的に前後の脈絡が異なっていたり、何度も登場する神々がいるかと思えば、一度だけ登場しその後の消息が不明になったり、時系列のつじつまを合わせるために、100年以上生きた天皇が無数に出てきます。しかも、「古事記」と「日本書紀」では天皇の寿命が大幅に違います。例えば、仁徳天皇などは「古事記」では83歳ですが、「日本書紀」では143歳で、60歳も違います。

さらに不思議なことに、「古事記」は3巻から成っていますが、第1巻の多くを出雲国の物語が占めています。出雲国の主役であるオオクニヌシが兄弟に3度にわたって命を狙われその都度高天原の神に命を助けられた物語、因幡の白ウサギの物語、手間山の赤猪の物語、スサノオの娘婿試験の話などがそれに当たります。スサノオは天の神ですが、その娘婿オオクニヌシは地の神なので、本家である高天原に出雲国を返す根拠が語られています。

逆にみれば、「古事記」編纂当時の700年ごろは、出雲国は無視できない権勢を誇った国として認知されており、いくら国内向けの神話と言えども、あからさまなことは書けなかったということです。また、もう一つの国譲りも登場します。神武東征の仕上げにかかったころに、奈良盆地に権勢を誇っていたトミビコの娘婿であるニギハヤヒが国を譲り、神武天皇の配下に入ります。これもおかしな話です。

どういう事かと言えば、トミビコは、大阪の港で神武東征軍と戦争になり、司令官であった神武天皇の兄イツセに手傷を負わせ、死に至らしめた敵です。おそらく許せないはずです。そのトミビコの娘婿として国を治めていたニギハヤヒが神武天皇のもとにはせ参じ、「アマツカミの御子ニニギが、高千穂に天降ったと聞きましたので、私もアマテラスの命により、十種の宝物をもって、天磐船に乗り、河内国に天降って来ました。その後大和に移り、トミビコを治めております」と言い、アマツカミの印である宝物を神武天皇に献上し、忠誠を誓うからです

ニギハヤヒは、トミビコの妹のトミヤビメと結婚することで、大和国を治めていました。生まれた子がウマシマジです。ウマシマジは物部連・穂積臣・婇臣(ウネノオミ)という豪族の祖先にあたります。
神武東征により、娘婿のニギハヤヒに忠誠を誓っていたトミビコは、神武天皇を侵略者とみなし、攻撃します。ニギハヤヒは「神武天皇は、私と同じアマツカミで侵略者ではない」とトミビコを説得しますが、納得しないので、トミビコを切り殺して、神武天皇に忠誠を誓うことで第二の国譲りが完成するのです。
ここからは私の想像の世界であることをご了解いただきたいと思います。ニギハヤヒとはだれか。アマテラスとスサノオの誓約でできた長男オシホミミと、天上界の創造神と言われるタカミムスビの娘アキツシヒメが結ばれて、アメノホアカリとニニギが生まれます。ニニギは高千穂に天孫降臨したことで有名ですが、アメノホアカリは出自もその後の行方もはっきりしませんし、兄か弟なのかもはっきりしませんが、おそらく長男ではないかと思います。古事記では、長男より末子に近い子供が継承することが多いので、アメノホアカリも同じでしょう。ニニギは高千穂に天下り、アメノホアカリはニギハヤヒという名になって、河内に天下り国を治めていたのです。神武東征を受けて、アマテラス直系の神武天皇に下って忠誠を誓ったのです。これは、土地の豪族の子であるオオクニヌシが、本家高天原の直系であるスサノオの娘を娶り、権力を掌握し、国を発展させたのと同じように、本家高天原の直系であるニギハヤヒが、土地の豪族の娘を娶り、権力を掌握し、国を発展させたのです。土地の豪族の血が混じっているので、本家が登場すれば、本家に国を譲るのは当然だという論理です。

「古事記」の編纂に当たり、非常に苦しいストーリーを神話という形を取り、納得性を高め、権力の正統性を画一なものにしてゆくプロセスは、企業経営においても、正統の継続性という観点でとても参考になります。

 No.1029 まほろば研究会について.pdf

最終更新日 ( 2018/09/19 Wednesday 17:04:55 JST )
 
(C)2005 建設業経営コンサルタント 目加田経営事務所 組織活性化、売上げ向上、コストダウン、ISO取得支援、ビジョン策定のお手伝い 沖縄 大阪 京都. Powered by Mambo. Designed by MamboTheme - Mambo professional templates!