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No.389【ワクワク・ウキウキ・向上ノウハウ】-2005.1.18
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No.1013 ≪叱ると怒る≫-2018.5.10 プリント メール
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2018/05/10 Thursday 16:05:59 JST

No.1013 ≪叱ると怒る≫-2018.5.10 目加田博史

 

恥ずかしい話ですが、私は30歳になるまで、「怒る」と「叱る」の違いが判らず、同じような意味で、使っていました。ある時、副社長にミスを指摘され叱責されました。席に戻り、先輩に「すごい剣幕で副社長に怒られました」というと、先輩は、「副社長は怒る人じゃない。叱る人だ。君が面倒臭がって手抜きしたんじゃないか?」と言われました。「えっ、どうしてわかったんですか? それに、怒るも叱るも同じでしょう?」というと、「大違いだよ」と教えていただきました。

「いいか、叱るというのは、君に見どころがあるから成長してほしい、立派な人間に育ってほしい、わかってほしいと願うから、厳しく叱責するんだ、たとえ嫌われることがわかっていてもね。今わからなくても、いずれ君にわかってもらえればよいと思っている。叱るとき、そこに愛情がある。しかし、怒るというのは、そうじゃない。愛情どころか、憎しみがこもっている。感情任せのうっぷん晴らしは怒りが静まるまで、手が付けられない。
君も、クレーム対応の基本はしっているだろう?そう、その通り、『怒り曲線』だ。クレームは怒りだから、最初の小さな怒りが次の怒りを誘発して、どんどんエスカレートする。途中で言い訳でもしようものなら、怒髪天をつくというぐらいに切れる人がいる。だから、たとえ明らかに相手に非があっても、理性を取り戻すまで傾聴姿勢を崩さないことだ。冷静になれば話も聞いてくれる。話がそれたが、副社長は感情コントロールできる冷静な人だから、怒ることはない。叱る人だ。」
「確かに、烈火のごとく怒っていたかと思うと、最後は励まして下さいました。」
「まあ、副社長は愛情が強すぎて、話がくどくて長いのが欠点だな」「はい、それは私も同感です」

前職のタナベ経営時代、仕事に慣れたころに大きなミスをしました。
当時、田辺昇一社長が主宰する社長会の一つで、関西の中堅企業で構成する「社長会」の事務局を担当していました。事務局の仕事は、企画・運営は勿論、講話録の製本、発送まで行います。その日は会員講話で電気会社のA社長が、業界の裏話やこぼれ話をしてくださいました。誰もが知っている数々の超一流企業の創業者の理念や哲学は言うに及ばず、夜の遊び方や世間を騒がした出来事の真相や、人にまつわるエピソードを実名で語ってくださったのです。いずれも当事者しか知らないきわどい話ばかりです。A社長は冒頭、「オフレコでお願いします」とわざわざ釘を刺しておられました。
会合の後、私はテープ起こしをアシスタントに頼んで、印刷・製本し、会員企業に発送を依頼ました。通常は原稿を起こして、講話者の校正を受けて、了解後印刷・製本するのですが、その時は多忙を極めていたこともあり、そのままアシスタントに丸投げしてしまったのです。

翌日、A社長からすごい剣幕で電話があり、「講話録が届いたが、私が校正していないのに製本されている。しかも、オフレコだといったのに、全部実名になっている。どういうことだ。まさか、会員に発送していないだろうな。」とんでもない失敗をしたことに気付き、飛んでゆき、平謝りに謝りました。
A社長は「君をクビにしても良いが、それでは君もつまらんだろう。チャンスをやろう。今週中に全部回収して私のところに持ってきなさい」「申し訳ございませんでした。今週中に全部回収します」と約束して、帰社し、上司に報告して、回収に回りました。2日間しかありません。すべての予定をキャンセルして回収に集中しました。講話録が届いているかを確認し、未開封なら開けないでほしい、開封しているなら回収に伺う旨を伝え、訪問しました。会員企業は、東は名古屋から西は四国・岡山まで点在していました。
回収するごとに、A社長に電話を入れ、夜には回収した講話録を届けました。ところが、B社だけ、すでに社内回覧中でどこにあるかわからないといわれ回収できませんでした。A社長に事情を話し、誤りました。
「約束を守れず、申し訳ございません。B社だけ回収できませんでした。時間がかかっても必ず回収します。もうしばらくお時間をいただけませんか?」
「目加田君、君は良くやった。もういい。B社長には僕が頼んでおくから大丈夫だ。ぼくももう少しオブラートに包んで話せばよかったのだが、何しろ尊敬する偉大な創業者の生の姿を伝えたくてね。かえって、君に悪いことをしてしまった。すまなかったね。これは、僕が開けるのを楽しみにしていたプレミアムのナポレオンだ。これを君に上げよう。今回の君の仕事に対する私から褒美だ。これからもよろしく頼むよ」
「A社長、本当に申し訳ございませんでした」

帰社後、副社長に顛末を報告すると、「ごくろうさん、A社長には僕からもお礼を言っておくよ」で終わり。こっぴどく叱られ、首も覚悟していた私は、あまりのあっけなさに全身の力が抜けてしまいました。
素晴らしい方々と出会い、育てられたと感謝しています。

新渡戸稲造著「武士道と修養」に次のようなくだりがあります。
「あの黒雲の後ろには太陽が輝いている。
『天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ず、まずその心志を苦しめ、その筋骨を労し、その髪膚を飢えしめ、その身を空乏にし、行い、その為すところを払乱す、心を動かし性に忍えてあたわざるところを曾益するゆえんなり』と孟子はいい、聖書もまた『神は愛する者を苦しめる』と言っている。天、神は人を叱るが、決して叱りっぱなしにはしない。叱るのは叱る甲斐があるからであり、その裏には深い愛情がこもっている。
切羽詰まった状況になり、もう駄目だと思う時、そういうときこそが死生の境界である。そういう時に一大勇気を出して奮発すると、長い間の苦悶が瞬く間に消滅することがある。そこで気力を落とせば地獄となり、発奮すれば極楽となる。一つ飛べば天に昇り、一足外せば堕落する。」

No.1013 叱ると怒る.pdf 

 
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