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2018/03/28 Wednesday 14:21:29 JST

No.1007 ≪事業承継税制の特例を活用する≫-2018.3.28 目加田博史

 

もうすぐ新年度が始まります。3月決算の会社も多いことでしょう。毎年のように「税制改正大綱」が発表され、その都度、税理士先生が活躍されていますが、今年は少し面白い改正がなされています。
増税と減税を使い分けて、アベノミクスとの連動性を担保するのが狙いですが、研究の価値があるのは、中小企業を対象に、事業承継税制の特例が創設され、うまく使えば、非常に有利で合法的な節税を行いながら事業承継、特に、株式の移転が可能になる点です。
この特例を思いっきり簡単に言えば、「事業承継に際して、株式等の贈与税又は相続税を、後継者は、次期承継時まで留保される、つまり払わなくてよい」という税制です。これは時限立法で、41日から5年以内に、各都道府県知事に特例相続計画を申請し、10年以内に実施すれば良いのです。
一般的には課税金額に応じて税率と控除額が決まっていますが、時価総額が6億円以上の場合は、55%の相続税率となり、約3億円以上の相続税又は贈与税が必要ですが、これが留保されるのです。
しかも、法定相続人以外でも可能になっている点です。今までの制度は、株式の2/3以内とか、相続税の8割迄とか、先代経営者一人から法定相続人の内の特定の一人に限定しなければならないとか、様々な制限があり、8割以上の継続雇用の義務があったり、将来不安に対するリスクが大きかったため、あまり積極的に活用されていませんでした。これらの制限が一切撤廃されました。生前でも死後でも可能になり、法定相続人以外を含む3人以内であれば、すべて認められるようになりました。

事業承継は、経営権の承継と株式等財産の承継があります。すでに、後継者へ事業承継され、後は、株式の承継だけという会社も多いと思います。今回の税制大綱は、株式の承継を進めやすくする意図があります。日本の会社数は421万社あり、そのうち420万社、99.7%が中小企業です。その7割が赤字経営を余儀なくされており、子供や社員が後を継がないので、売却、廃業、倒産、清算する企業が無数にあります。社長の平均年齢は62歳と高く、近い将来80歳になるのではないかと言われています。やりたくてやっているというより、後継者不足でやめられないのが現状です。

中でも、大変なのが、昼夜を問わず、人生のすべてを会社に注ぎ込み、がむしゃらに働いて、会社を成長させ、良い会社に育て上げた、未上場の中小企業の場合です。10年以上の長期計画で株式の移転を行わない限り、贈与にしろ、相続にしろ、莫大な費用が掛かります。例えば、株式の時価総額が5億円近くになれば、後継者は簡単に払えるような状態にはありません。退職金や大型投資で大幅赤字にすれば株価は多少下がりますが、復元中に景気の後退が来れば悲惨です。先代経営者としては目の黒い間になんとかしたいと思い、やってはいけない手法に手を染める場合もあるかもしれません。
財務内容の良い会社の事業承継は、まさに、大事業なのです。そこで、今回の税制は大いに研究の価値があるのです。

今までの経験則でいえば、長年トップを務めてきた経営者は、ある意味で、無自覚の権力中毒になっている方が多いものです。この中毒を中和する意味で、財界やライオンズクラブ、ロータリークラブ等の社会ボランティア団体の役割が大きいと思いますが、事業ほど面白いものはこの世にないので、やはり、究極は事業にかかわることが最も良いと思います。やりたいことがあって引退する場合は別ですが、それが見つかっていない場合は、現役を続けることが、会社のためにも家庭のためにも子孫のためにもなると思います。

株式は拒否権発動ができる33.4%まで下げて、それ以外は贈与又は持株会等に移してゆくのです。拒否権を持ちつつも、特定分野のプロジェクトを進めながら、会社の成長度合いに応じて、拒否権発動の必要がなくなれば、3.1%の株主総会請求権まで下げてゆくのです。このようなプランを進行できるのは、後継者との信頼関係がなければできません。信頼関係が構築できていなければ、危険極まりない選択になってしまいます。

先代経営者と後継者が、手法の違いや価値観の違いを乗り越えて、じっくりと腹を割って話し合い、どのような会社にするのか話し合うきっかけにすることをお勧めします。その長期ビジョンの実現のために、市場資金を導入する意味で、上場を検討する価値は大いにあります。また、長期計画で合法的な節税を図りながら株式の移転を進め、事業承継するのも良いやり方です。
取り巻く環境は日々激動し、生き物です。その環境の中で経営をしている会社もまた、生き物です。一寸先の事はだれにもわかりませんが、長期ビジョンがあれば、これをチャンスに変えることができます。「一寸先は光」なのです。税制改正の特例の活用に注目しています。

 

No.1007 事業承継税制の特例を活用する .pdf 

 
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