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2018/02/16 Friday 12:09:19 JST

No.1002 ≪労働生産性100万円を実現する≫-2018.2.16 目加田博史

 

2012年12月26日に、安倍政権が発足以来、アベノミクスを支持しています。今も、その考え方に変わりはありません。当時の閉塞感を打開するには、従来にない画期的な発想と英断が必要でした。中でも「黒田バズーカ効果」は非常にわかりやすく、1年で、1$=85円の円高から1$=105円の円安にシフトし、輸出企業の業績を好感して株式も上昇し、高揚感が漂い始めました。

徐々に、経済が活性化し、会社もなんとなく良い方向に向かい、仕事も徐々に増えてきて、経済指標は記録更新を繰り返しています。好景気だといわれても、今一つ、生活実感はないでしょうが、着実に改善しています。
オリンピック後が見えないので、漠然とした不安を抱えながら経営しているため、企業も大胆な手(投資・待遇改善)を打ちにくいのが現状です。しかし、経済は着実に成長しています。当然、「禍福はあざなえる縄のごとし」ですから、危機も同時に成長していますが。

いま、働き方改革が脚光を浴びています。労働法を改正し、長時間労働を是正し、労働生産性を改善する。結果として、給与アップを図り、個人消費を活発化して、GDPを成長させるとともに、デフレから脱却するという目論みです。アベノミクスの「第三の矢」(懐かしい響きですね)が起動しています。

2017年版の労働生産性の国際比較で、日本は19位です。アメリカは6位。ドイツは8位。これは、一人当たりGDPを表しています。金額ベースで見れば、日本(19位)は41,574$、アメリカ(6位)は57,591$、ドイツ(8位)は48,989$です。赤ちゃんも、100歳のベテランも含めた場合ですから、なんとなく漠然としてピンとこないですね。これを就業者1時間当たりで見ると、日本(19位)は46$、アメリカ(6位)は70$、ドイツ(8位)は68$です。労働者が1時間当たり生み出す付加価値を表します。アメリカと比較すると、1時間当たり24$低いのです。ドイツと比べると22$低いのです。これだとわかりやすいですね。

私たちが日常使っている経営分析に、企業の生産性の基準となる労働生産性(人月限界利益)という指標があります。基準は1,000千円です。1$=110円、月間法定労働時間160時間で比較すると、日本(19位)は801千円、アメリカ(6位)は1,225千円、ドイツ(8位)は1,197千円となります。会社が目指すべき当面の目標である、労働生産性1,000千円を実現する必要性がこれからもうかがえます。

年間労働時間は、日本はこの10年で随分と改善し、1719時間となり、アメリカの1790時間を追い抜きました。アメリカより働かなくなってしまったのです。ドイツは1371時間ですから、週休3日制の国で、別格です。ドイツ製の製品が高性能・高品質・高価格のなのは当然ですね。
平均週間労働時間は、日本は41時間、アメリカは41時間、ドイツは40時間ですから、ほとんど変わりません。
変わるのは、祝日休暇と有給休暇の消化日数です。年間休日はというと、日本は137日、アメリカは128日、ドイツは145日なのです。最低賃金も日本は823円ですが、アメリカは800円(1$=110円換算)です。低賃金長時間労働をしているのは、日本よりもアメリカです。なのに、国際比較では圧倒的な上位にいる。なぜでしょうか?

「働く時間の長さで勝負する時代は終わった」と言われますが、働く時間の長さは、人生のある一定時期、20代~30代では絶対的に必要だと思っています。
問題は仕事の仕方です。私が社会に出たころは、まだワープロなるものが世に出ていない時代でしたから、文書は手書きでしたし、データ処理は磁気テープにパンチするやり方でした。いかにきれいに早く書くか、いかに正確にパンチするかは、熟練しかありません。時間をかけて練習するしかなかったのです。
今は、パソコン、スマホ全盛で、同じ目的を果たすには、テクノロジーを使いこなせるかどうかで生産性が変わります。テクノロジーを使いこなすには、やはり一定の時間が必要です。後10年もすれば、自動運転、自動操作は当たり前で、テレパシー通信を標準装備するでしょうから、頭の中でいかに文章化し、グラフィック化するかが生産性を分ける時代になるはずです。

元に戻すと、労働生産性の国際比較を改善するには、個人の努力の問題ではなく、国の産業構造をどのように改革するかで決まってしまうということです。アメリカの産業構造は製造・金融・IT・通信及びその知財分野で付加価値を創造し、GDPを稼いでいます。NASAから生まれたデリバティブ、ゲイツのWindows、ジョブスのiPhone、ベゾスのamazon等が付加価値を生んでいます。就業者1時間あたり最低賃金は安くとも、一人当たりGDPが高くなるのは、産業構造の創造性に依存しています。これは政治家の仕事です。私たちができるのは政治家を選ぶ事です。

日本がどのような国柄を目指すのかによって産業構造は変わるでしょうが、会社は環境適応して存続しなければなりません。その基本条件が、人月当り労働生産性1,000千円であり、これを実現するための具体策を取らねばならないのです。人年労働生産性が12,000千円になれば、労働分配率50%でも、年収6,000千円にすることも可能です。それでも、一人当たり経常利益は2,000千円出せるはずです。安倍政権の働き方改革の旗振りをきっかけに、人月労働生産性1,000千円を実現するための改革に着手しましょう。「M脳職人」を増やしましょう。

 No.1002 労働生産性100万円を実現する.pdf

最終更新日 ( 2018/02/27 Tuesday 09:10:56 JST )
 
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