トピックス
No.390【人は能力が及ばなくなると「逃げる」「言い訳」をする】-2005.1.25
更に読む...
 
Home arrow FAX情報 arrow No.980~1010 arrow No.0999 ≪働き方改革の行方≫-2018.1.24
No.0999 ≪働き方改革の行方≫-2018.1.24 プリント メール
ユーザ評価: / 0
悪い良い 
2018/01/24 Wednesday 11:52:17 JST

No.999 ≪働き方改革の行方≫-2018.1.24 目加田博史

 

お陰様で、1997年9月3日の初号以来、毎週水曜日に発行してきましたメルマガも999号となり、次回の1月31日で1000号を迎えます。これも皆様のご支援のおかげと心より感謝しております。ありがとうございます。

財務省のホームページで、平成27年度の法人企業統計によると、全産業における売上高は1431兆円、粗利益は357兆円(粗利益率24.9%)、経常利益は68兆円、税引後利益は42兆円。配当を除いた内部留保は20兆円です。このうち、資本金10億円以上の大企業で見れば、売上高は547兆円、粗利益は122兆円(粗利益率22.3%)、経常利益40兆円、内部留保10兆円です。企業数では0.3%の大企業が、日本全体の経常利益の59%をたたき出していることを意味しており、アベノミクスが始まった平成25年度より毎年コンスタントに続いており、大企業はアベノミクス様様といえます。また、全産業の自己資本は636兆円ありますが、資本金10億円以上の大企業で見れば、自己資本は360兆円あり、全体の57%を占めています。日本全体の自己資本比率は40%ですが、大企業は45%と高いです。

一方、日本国の自己資本は522兆円の債務超過です。国は債務超過、民間は潤沢な内部留保で、合計すると114兆円のプラスになります。だから、日本の国債、つまり、国の借金が1000兆円を超えていても、「大丈夫だ」という論法にもなっています。

内部留保は、本来、いざという時のための貯金であり、資産です。現金があるわけではありません。不動産の含み益や含み損、不良債権や正常債権等を評価した結果、計算上の資産が内部留保です。この内部留保の一部を、もっと、労働者に還元し、賃上げにより個人消費を刺激し、企業業績を向上させ、デフレを脱却して、経済を成長させる。そして、AI・IOT・ロボット等への設備投資により生産性を向上させて、働き方改革により、残業を減らし、その時間を有効に使ってより住みやすい世の中に変えようという象徴が「働き方改革」、つまり、国民一人一人の意識改革、価値観改革です。結果的に、出生率が改善し、少子化に歯止めをかけたいのです。

まったくその通りで、大いに賛同できるのですが、これを行うには、相当な決意で臨まないとできるものではありません。今までの日本人としての美徳であり、成長神話の根本ともいえる「良い仕事をする」という価値観を変えなければなりません。スローガンや掛け声では変わらないだろうから、法律で規制してしまおうというのが、今の流れだと思っています。同一労働同一賃金は、組織内における、正規・非正規の別を失くすことを目的としていますので、これは当然の流れだといえます。同じ仕事でも成果は異なりますので、成果をどのように評価するかが、今後は大きなテーマになるでしょう。経験時間による熟練度合や教育訓練、本人の意欲や努力による能力差は出てくるでしょう。これからは、成果を評価する方法の研究がますます重要になります。かって一世を風靡した成果主義は失敗しました。どのような評価方法をとるか、企業の知恵が試される段階に入りました。

どのような仕事にも、ある一定時間の現場にどっぷりとつからないと身につけられないセンスや勘というものがあります。
昔の人は「仕事は盗むものだ」といい、教えてくれませんでした。中でも料理の世界では、先輩が作りお客様が食べられた料理が厨房に戻ってくると、こっそりとソースを舐めて味の感覚を磨いたものです。教わったレシピ通り作っても、どうしても出せない味があるのです。一流シェフのひと手間、ひと味、ひと工夫というたぐいのもので、俗にいう「暗黙知」です。おそらく、AIでも、ロボットでも出せない微妙な味があるのです。
酒も同様で、3年熟成した酒と、熟成した酒と同じ分子構造に機械で加工しても、味は全く違うのです。時間が作り出す価値でしょう。ものづくりの世界では、皆、このようなデータ化できない「暗黙知」があります。これは、たとえ、手取り足取り教えられても、身につけられるものではありません。まして、就業時間内にできることでもありません。ある時期にある一定期間どっぷり現場につからないとできないのです。この期間があることで、その後の仕事の生産性が飛躍に高まり、お客様満足度が高まり、付加価値が高まり、好業績につながってゆくのです。これを、残業規制や同一労働同一賃金として法律で定めた場合は、10年、30年先の日本の「よさ」はどうなってゆくのでしょうか。

中小企業は、大企業のように賃上げしなければ人が集まらないので、いくら苦しい時でも、毎年、たとえわずかでも賃上げはやってきました。大企業のようなドラマチックなリストラをすると、組織が持ちません。今後は限られた原資を使って、より有効に分配することが求められるでしょう。

前職に転職した最初の1年の年間休日は4日、月の労働時間は400時間を優に超えていました。時間給にすると当時のマクドナルドの時給より低かったと思います。しかし、仕事が楽しくて楽しくて仕方がなかったのです。会社からは早く帰れといわれましたし、家には妻と幼い子供が待っていましたから、早く帰りたいのはやまやまですが、それ以上に仕事が楽しくて、面白くて。残りの320時間の使い方を工夫しました。1日平均11時間の使い方です。家族との食事、睡眠、通勤、余暇の使い方です。この時の経験が、今の私を支えていると思っています。結局は、ルールではなく、トップの理想と働く人の志と智慧の工夫次第だと思います。

No.999 働き方改革の行方.pdf

最終更新日 ( 2018/03/19 Monday 09:31:00 JST )
 
(C)2005 建設業経営コンサルタント 目加田経営事務所 組織活性化、売上げ向上、コストダウン、ISO取得支援、ビジョン策定のお手伝い 沖縄 大阪 京都. Powered by Mambo. Designed by MamboTheme - Mambo professional templates!