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No.389【ワクワク・ウキウキ・向上ノウハウ】-2005.1.18
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2017/08/30 Wednesday 12:35:59 JST

No.979 ≪アベノミクス景気と中小企業経営≫-2017.8.30 目加田博史

 

828日の政府月例経済報告によりますと、アベノミクス景気(仮称)が57か月持続し、いざなぎ景気(57か月)と並んだそうです。先週の「88バブル」とどこがどう違うのでしょうか?
経済が成長するにしたがって、国富(GDP)の伸び率も緩慢になり、いざなみ景気のころから実感を伴わない「数字上の成長」になり、0.1%とか0.2%でも伸びれば、持続しているととらえています。
ちなみに、戦後の好景気を古い順に並べると、神武景気(約8%)→岩戸景気(約13%)→オリンピック景気(約13%)→いざなぎ景気(約12%)→88バブル(約6%)→いざなみ景気(約2%)→アベノミクス景気となります。
( )内は成長率を表しています。その時の給与の伸びを見ると、いざなぎ景気の時は約18%、「88バブル」の時は約7%伸びました。いざなみ景気の時はマイナス0%で景気実感がありませんでした。

アベノミクス景気も、今のところ、景気実感がありません。ところが、経済指標を中心に概観すると、すごい成長をしているのです。
20174月~6月の国富成長率を見ると、年率換算4%に達し、年間で生んだ富は約450兆円を超えました。アベノミクス景気平均では1%未満でしょうが、インバウンドや円安で効果があったようです。
法人企業統計によると、日本の全企業の営業利益は、売上高が横ばいにも関わらず、昨年対比で11%も増えました。その多くは資本金10億円以上の大企業で、中小企業ではその半分以下の5%前後で推移しています。個人消費も順調に増え、今まで売れなかった新車も43万台増え、旅行も昨年より約4%増加、小売業の販売額も2%以上増えました。その分百貨店は△1.4%減少しましたが。少子高齢化と言われて久しいですが、久しぶりのイケイケどんどんの消費と言えます。
建設業も順調で、中でも民間工事は、住宅の着工戸数も、マンション販売数も、受注額もすべて増加しています。また、人の面では、失業率は3%を切り、常用雇用指数は昨年対比で約3%、有効求人倍率は1.5人以上、今年の1月以降残業しないと経営できない状態になっています。人手不足が顕著です。

アベノミクス景気の本質を考察すると、3つのポイントが浮かんできます。
第一には、為替問題で、アベノミクスが始まるまでの数年間、1$85円で固定されたかのように強烈な円高が続いていました。世界中が低金利、マイナス金利状態の中、金融緩和すればするほど、円高になる状態が続いていました。アベノミクスは円安誘導が必須だったのです。ハイテク輸出企業の業績改善を図らねば、日本経済は立ち行かないという切羽詰まった状態にあったこともあり、黒田バズーカ砲が火を噴いても、大きな反発はどこからもありませんでした。双子の赤字から抜け出したアメリカの景気が良いこともあり、円安に寛容になっていることが大きいように思います。ヨーロッパは、イスラム国の影響もあり、移民問題でそれどころではなかったともいえます。
今年就任したトランプ大統領のアメリカの製造業を強くするMAGA政策に、日本企業もいち早く工場進出を表明したこともあるでしょうが、良好な関係の中で、しばらくは、円安基調が続きそうです。
強引な円高シフトを受け入れた「88バブル」に比べ様変わりです。

第二には、原油が安いことです。ひところの1バレル30$を切るほど安くはありませんが、50$を超えることはありません。1バレル100$1$=80円の円高の時の1バレルは8000円になりますが、1バレル40$1$=115円の円安時の1バレルは4600円になりますので、両方の数字を見ないと、原油の状況は見えにくいものです。
また、シェールオイルの商用化のめどが立ったことで、アメリカが世界最大の産油国になり、世界の需給状態に大変化が起きているのです。アメリカにとって、中東の戦略エリアの重要度が下がったといえます。
お陰様で、日本のエネルギーコストは、しばらく安定するでしょう。第三次世界大戦でも起きない限り。

第三には「ツキ」に恵まれていることです。まず、アベノミクスが始動して間もない20139月、2020年東京オリンピック誘致が決まったことです。東京大改造による案件が目白押しになり、大都市を中心に燎原の火のごとく景気の良い話が広がってゆきました。さらに、リニアモーターの開業を前倒しする具体的な必然性の裏付けができました。さらに、東南アジア諸国の経済成長に伴うビザ発給を緩和したことでインバウンドが激増し、LCCの就航がそれに輪をかけて、円安に伴う割安感も手伝い、2013年のインバウンド旅行者は1000万人を超え、3年後の2016年には2000万人に達しました。但し、この活況は、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄エリアに限定されており、他の地方都市への波及はこれからのようです。

インバウンド観光、オリンピック需要という具体的な要因から、次第に肌感覚でも生活実感のある景気にまで発展する可能性が高く、従来の「数字上○○景気」が、実感を伴った景気に移行するのではないかと期待しています。
中小企業は、財務面での脆弱さもあり、大きな設備投資や、思い切った人的投資には慎重にならねばなりませんが、本業強化のために、数年先を見越した投資準備を強化しなければならないと実感しています。「88バブル」は財テクバブルでした。本業と無関係の不労所得を得るためのバブルは続きません。額に汗して、身を粉にして、将来を確実にするための本業重視の投資には絶好の環境がやってきます。特に、人材採用をはじめとした人的投資や社内体制改善は、時間がかかりますので、技能適性を持った人材を中心に今までにない積極的な投資を行ってゆきましょう。

 
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