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2017/08/23 Wednesday 17:11:49 JST

No.978 ≪1988年のバブルの本質≫-2017.8.23 目加田博史

 

今のバブル気味の景気(仮称 アベノミクス景気)をうまく活用する意味で、1988年のバブル景気の本質を振り返っておくことは無駄ではないと思います。以前のバブルを「88バブル」と呼ぶことにしましょう。

88バブル」の引き金は大きく3つありました。
一つは、プラザ合意による円高是正です。当時、アメリカは双子の赤字の経済を立て直すには、ドル安円高基調に持ってゆきたかったのです。そこで、1985922日に先進国蔵相がニューヨークのプラザホテルにひそかに集まり、会合が持たれました。どのような内容だったかは定かでありませんが、前日の921日の為替が1=241円だった円が、翌日の923日には210円の円高になりました。その後、円高基調で推移し、12月には202円になりました。
円高により、日本国内では、輸入が増えて物価が低下し、価格競争が起きるようになりました。株価が上昇し、資産価値が大きく膨らみ、その資金が、不動産に流れ込み、不動産価格は高騰しました。
市民が不動産を手に入れるのは困難になり、家を買うことをあきらめました。そのお金を使って、様々なものにお金を使うようになり、消費の多様化が始まりました。価値観が大きく変わっていったのです。アパートに住んでいる人が、高級外車を乗り回していたのはこの時代です。また、モノの豊かさより心の豊かさを追求するようになり、ますます、消費は多様化しました。このようにして、「88バブル」が誕生しました。

一方、円高は輸出企業を直撃し、価格が高くなり、売れなくなり、業績を悪化させました。海外市場での苦戦を回避するために、輸出企業は内需にシフトしました。内需とて、楽園ではありませんので、激しい競争が起き、あの手この手を駆使して、市場には安くて価値ある商品があふれたのです。その結果、消費が進み、景気が良くなってゆきました。

もう一つの、要因は、オイルです。1985年に1バレル30$だった原油が、1986年には8.5%も下がり、エネルギーコストが大幅に下がりました。1979年のイラン革命、さらに翌年から始まったイラン・イラク戦争の影響で、エネルギー危機を恐れた先進国が、採算ラインに乗らなかった非OPEC地域で油田開発に着手し、成功をおさめ、OPECの減産合意による減収に耐え切れなくなったリーダー・サウジアラビアの増産により、価格が大幅に低下しました。産油国にからむ紛争の危機が発生するたびに、原油が乱高下し、産業成長に影響するのは困るので、原油に変わるエネルギー源として、2010年代のシェールオイル革命、メタンハイドレート開発に直結しています。

3つ目の要因が、女性の社会進出による所得の増加です。消費の多様化は、価値観の多様化をもたらしました。1988年に、共稼ぎは77万世帯だったのが、年々増加し、2011年には111万世帯にまで増加しました。この所得の多くは消費に回されたと思われます。女性の活躍により、貯蓄優先の家計が、消費に回り、世の中の景気をひっぱって行きました。女性の社会進出は「88バブル」の隠れた主役だったかもしれません。

1980年代の税制改革により、所得減税が実施されましたが、これも消費拡大に大きな役割を果たしています。その後、所得の如何にかかわらず税を徴収する消費税導入により消費は減退しますが、「88バブル」の時は、所得減税が影響していたことは事実です。

88バブル」は不動産への過剰な投資が目立ち、「地上げ」等の社会問題も発生し、総量規制の実施により一気に「88バブル」は崩壊し、後に「失われた20年」と呼ばれる低成長時代が到来しました。
今のアベノミクスバブルは、「88バブル」の反省を踏まえ、教訓としてとらえることにより、企業の成長の起爆剤又はきっかけにしていただければありがたいです。
次回以降のどこかでアベノミクスバブルについて、考え方をお伝えしたいと思います。 

 
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