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No.375【「これからどうなる」を簡単に読む方法】-2005.10.5 プリント メール
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2006/06/06 Tuesday 10:33:27 JST
No.375【「これからどうなる」を簡単に読む方法】-2005.10.5
日本の法人社数は約255万社、そのうち上場企業と大企業を合わせても約5000社、全体の0.2%しかありません。しかし、上場企業の資産価値をGDP比率でみると、東京証券取引所(1部上場、1533社、2部上場569社 資産価値は約315兆円)だけ見ても、なんと62.3%に達します。
いかに上場企業の影響力が大きいかが分かります。
ならば、社会や経済、ひいてはあなたの会社の経営に影響を与える上場企業の戦略発想を知っておいて損はありません。どのような発想で、戦略構想を練るのか、判断基準は何か?

例えば、下表をご覧下さい。上場企業の借入金増減を分析したものですが、一貫して金利が低下しているにもかかわらず、年々借入金を減らしている企業が1300社もあるのです。当然、金融機関は金余りになります。財務面で抜群の上場企業からは融資を返済され、あまった資金を運用しなければならないのですから大変です。資金需要の旺盛な中小企業は財務面で不安定なので貸したくない。とても困った状態にあります。
    区分

    1999

    2000

    2001

    2002

    対象社数
    2,092
    2,132
    2,118
    2,065
    借入増加社数
    512
    663
    658
    581
    横バイ社数
    428
    101
    116
    137
    借入減少社数
    1,152
    1,368
    1,344
    1,347
出所:上場企業借入金増減分析 内閣府H16年度年次経済財政報告

このような行動をとる上場企業の発想はどこから出てくるのでしょうか?
金融機関の格付ランクを上げるためでしょうか?
違いますね。上場企業は市場に株式を発行して出資者から直接資金を調達する事ができるので、金融機関との取引はきわめて重要では有りますが、株式の持合が常態化していた10年前とは意味合いが全く異なっています。上場企業が重視すべき相手は、金融機関ではなくて、出資者、すなわち、株式を買ってくださる投資家の方々です。その一部に金融機関も入っているにすぎません。

ならば、なぜか? となると、わざわざ担保や利息の必要がある借入金で資金繰りをするよりも、業績をあげて、株価を上げて、多くの投資家に株を買っていただいて資金調達するほうが、はるかにコストが低くなります。企業も投資家も両方win-winの関係が構築できるからなのです。

上場企業は成長性を予感させないと持たない

投資家は数ある資産運用の中で、株式投資をする選択をしたわけですから、最大の関心事は購入した企業の株価が上がるかという一点です。下がる気配や情報があるとさっさと売却して縁を切ってしまいます。
では、株価が上がると予感させるものは何かとなれば、業績もさることながら、将来の値上がり期待を具体的に連想させてくれる企業か否かということです。つまり、成長性に最大の判断基準をおいているといっても過言ではありません。
株価が安定し、値下がりしないというのはバブル崩壊後の低迷していた経済状況での話しで、いまの上場企業の業績はここ数年連続で空前絶後、歴史上始まって以来の好景気に沸いているのですから、成長する企業を探す事が儲けるコツになります。
成長を予感させるとは、
「大胆なリストラを行うため、今期は赤字だが、次年度以降は低固定費で、大幅増益が期待できる」とか、「従来の代理店や特約店といったしがらみの多い流通構造を大幅に改革し、直販体制をとることによって、利益率の大幅増加を狙う」とか、
「バイオや環境といった成長市場に画期的な製品開発を行うために海外の有名先端企業との業務提携をおこなった」とか、「M&Aによりシェアアップで一気に市場を確保できる」とか、などなどです。
つまり、上場企業の戦略の基本は「投資家を意識した成長戦略」で、財務面の安定を図るのは当然のことで戦略としては論外のことといえます。
戦後の高度成長でお世話になった地方の販売店や特約店は数年前から積極的に契約解消するために動いていますし、現金以外の取引先には売掛残高に相当する保証金の積み増しを強制しています。
新たな、販売ネットワークへの参加も準備されていますが、新規参入先と同じ条件で、いままでの功労は一切不問ともいえます。ましてや、財務面で心配があれば、容赦なく、商標権の使用を禁止したり、取引契約解消に進みます。救済するという線は万に一つもありません。もし、有力販売先がそうなら、即日、担当者を変えて、知らぬ存ぜぬという対応になるでしょう。

相手の立場で発想する

21世紀経営クラブの読者の皆様のなかには、上場企業の代理店や特約店だったり、資本参加を受けている企業も有るでしょう。
理不尽な仕打ちに腸の煮えくり返る悔しい思いをされた方も多いでしょう。
自社から見ると、「今まで彼らのためにわれわれはどれほど無理難題を聞いてきたことか。不良品やクレームが発生したときもお客様の全面に出て彼らを守ってきたんだ。その恩も忘れて、なんというひどい仕打ちをするのか」と思われるような事がいっぱいあるでしょう。
しかし、違うんです。彼らは、そのような手を打たねば、自分が市場から葬られてしまうから、やらざるを得ないのです。
あなたが、相手の上場企業の経営者の立場ならば、どうしなければならないか?
そう考えると、容易に、上場企業がどのような手を打ってくるかよく分かります。

ゴーン革命で有名な日産も、1999年にゴーン氏を迎えるまでは株価の低迷で破綻寸前でした。
クリスマスをヨーロッパで過ごすふりをして、フランス・パリのルノー社のシュバイツアーCEOと会談し、支援を要請した後日談は有名です。
それしか方法がなかったのです。部品会社や関連会社にしてみればなんと言うひどい仕打ちかといわれるでしょうが、上場企業の宿命は、株価を上げるために、株主に奉仕するために、何をすればよいかが判断基準であることを考えれば容易に創造はつきます。あとは、実行力です。
会社のものさしを知ることによって、相手の動きを読む事ができるのです。
特に大きな影響力がある上場企業の動きを読んで、自社にとって何をすれば良いか、何をなさねばならないかをよく考えて、実行に移してゆきましょう。
いままでの功労や実績をないがしろにする収案に対して、人情や温情だけで怒りをぶつけても、相手の担当者を苦しめるだけで、なんら成果は得られません。なぜなら、上場企業の社長といえども、株価を上げられなければ、実績を上げない営業マンと同様でクビになるのがおちです。市場に対する具体的な説得力を持たなければ意味はありません。
このような行過ぎた市場経済が良いとは思いませんが、環境適応するためには、先手先手で相手の出方を読むか、独立自尊の経営スタイルに体質改善するかしかありません。

 
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