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No.381【「人はコストではなく資源だ」】-2005.11.16
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No.970 ≪今打つべき手≫-2017.6.28 プリント メール
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2017/06/28 Wednesday 12:39:16 JST

No.970 ≪今打つべき手≫-2017.6.28 目加田博史

 

アベノミクス景気は戦後3番目の長さになるようですが、今一つ、評価が定まっていません。景気の勢いの目安としてはGDP成長率が指標になりますが、戦後最長と言われた小泉景気(20022008)のGDP成長率は1.4%でした。しかも、為替は80円代の円高で、物価は100円マックや250円牛丼に代表されるようにすごいデフレ状態でした。給与は上がらなくても物価が下がりましたので、景気実感はそれなりにあったと思います。

その点、アベノミクス景気はせいぜい1%というところです。それも、異次元の金融緩和による円安効果、それに伴う輸出企業の空前の好業績、その結果日経平均株価の上昇という、主に金融面の影響が大きいので、一般庶民の好景気実感はないかもしれません。
大手企業が一斉に採用活動を開始し、新卒採用戦線は、中小企業にとっては厳しい状態になっています。中途採用も活発で、失業率の低下と求人倍率の上昇により、人手不足は深刻です。非正規社員の正社員化が進み、働き方の多様化がどんどん進んでいます。

一方、不足する雇用は、外国人が埋めています。例えば、沖縄のコンビニ店は、深夜から早朝のスタッフはほとんど外国人です。もちろん、お客様も外国人が圧倒的に多く、日本語はめったに聞こえません。これでもちゃんとまわっています。また、HISの「変なホテル」に代表されるロボット・ホテルや、ローソン等のレジなしコンビニが今後ますます増えてゆくでしょう。今では、レストランも注文と会計をスマホでできる店舗ができつつあり、このような状況が続くと、仕事の生産性があがり、人手不足の解消につながり、外国人対応がスムーズになると思います。このようなIOT対応できない業種は、固定費の増加につながる給与を上げざるを得ないでしょう。人材育成に力を入れて、生産性を向上させることで、固定費を吸収することになります。

戦後の経済成長では、岩戸景気(19581961年)やいざなぎ景気(19651970年)が有名ですが、東海道新幹線開業、東京オリンピック(1964年)、大阪万博(1970年)、山陽新幹線開業(1972年)、田中角栄首相の提唱する日本列島改造論(1972年刊)が大きく影響していると思います。このころのGDP成長率は10%を超えています。土地も株も給与も上がるのが常識でした。少し無理してローンを組んで住宅を購入しても、数年すれば値上がりするので、その売却益を頭金にして、もっと大きな物件を買い求め、これを数度繰り返して成功する人が続出しました。それも、バブル崩壊とともに、奈落に落ちてしまいましたが。

アベノミクス景気で、特に感じるのは、投資案件の多さです。中でも、沖縄におりますと、インバウンドだけでなく、国内観光客も増えており、マイス(MICE)やインバウンド狙いのリゾートホテル、民泊物件等の民間大型案件の話題であふれています。まさにリゾートバブル状態です。実際に着工し、開業する物件はどの程度かわかりませんが、建設会社は積算を選別せざるを得ない状況になっているのは間違いありません。鋼材をはじめ建築資材の高騰が確実ですし、人材不足は深刻です。公共工事は有資格者の取り合いになっています。相場の倍近い待遇をうたった求人広告も出ています。大型案件は、今の相場で積算するれども、実際の建築は数年後なので、致命的な赤字になるリスクがあり契約するには勇気がいります。

企業は、待遇面では賞与で調整していましたが、リクルート活動を行うには、給与の見直しをしなければならない企業が多く、大幅昇給を決断する企業が増えています。
また、残業抑制やサービス残業廃止も国策で進んでいますので、働き方を変えねばなりません。そのためには、ICT施工等の生産性向上が不可欠になりつつあります。

さらに、温暖化による異常気象が常態化し、熱中症対策も重要です。特に、現場での熱中症対策は、こまめな休憩・水分や塩分補給が欠かせません。本人が「大丈夫」と言っても、すでに症状が出ている場合が多いので、管理責任者の指導は必須です。建設業の優先順位は、1に安全、2に工期、3に利益です。
安全対策の強化と、資材等のコスト上昇、利益の確保という矛盾した方程式をいかに解くかが経営者に求められています。

解決策は、付加価値を高める、限界利益率を高めるしかありません。お客様の価値基準が、「価格」のみの場合は、対応できませんが、賢明なお客様なら、「安物買いの銭失い」の愚は犯さないはずです。そのようなお客様に、多少の価格差はあっても、長い目で見て得する、喜んでいただける付加価値を納得していただくことが大事です。売上高や受注を優先する志向は命取りです。

イニシャルコストはかかってもランニングコストが大幅に低減できるので、5年で元が取れる設計だとか、ICT施工の取り組みで、現場管理を徹底し、工期を短縮するとか、現場が美しく、従事する人々のきびきびとした規律ある行動が、感動的だと評判を呼び、施主様の評価が上がり、大きな宣伝効果になるとか、IoTを使って、残業をなくし、働きやすい職場環境を作ることで、入社希望者が増えるとか。

今は、難しい多次元方程式を、判断基準の優先順位をつけて、勇気をもって、行動しなければならない時代に入っています。 

 
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