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No.967 ≪リーダーの本分≫-2017.6.7 プリント メール
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2017/06/07 Wednesday 13:25:44 JST

No.967 ≪リーダーの本分≫-2017.6.7 目加田博史

 

人は皆、「本分」(ほんぶん)を持っています。本分とは、「その人の本来尽くすべきつとめ・義務」という意味です。「学生の本分をわきまえる」とか、「本分を全うする」とか言います。
2人以上の組織なら、リーダーが必要です。別の呼称でいえば、総理大臣とか、知事、社長、部長、現場代理人、キャプテン、理事長、組合長、代表、プロジェクトリーダー、座長、チームリーダー、店長、級長等、様々な呼び方があります。組織やグループを代表して判断する人をリーダーと言います。そして、リーダーには尽くさねばならない本分があります。

話題の多い東芝の歴史から、「リーダーの本分」を考えてみたいと思います。
もともとエリート官僚だった石坂泰三氏は、乞われて第一生命に入社し、1949年に、第一生命社長から東芝再建を要請されました。当時、東芝は1939年に合併して誕生した会社で、戦後の混乱期を乗り切れず、苦境に陥っていました。石坂泰三氏は、持ち前の分析力を発揮し、従業員の2割に相当する6000人を削減しなければ、重病人の東芝を救えないと判断し、経営陣の結束を図る一方、自ら組合幹部と渡り合って大争議を収めました。その後、乞われて、1956年に、財界総理になった時は、大阪万博を大成功させています。この世紀のビッグ・プロジェクトの時に、官僚組織の弊害をいやというほど体験したようで、「もう、きみには頼まない」(城山三郎著)といって、目的を実現するために、毅然とした判断をくだして、大阪万博を空前の大成功裏におさめたことは有名です。どのような場面でも、リーダーには譲れない一線があります。その一線を守れなければ、「本分」を尽くせないのです。石坂泰三氏の場合は、東芝の再建であり、万博の成功だったのでしょう。

オリンピック景気の反動で、40年不況に突入した日本経済は、東芝を再び苦境に陥しいれました。東芝を再建するために、1965年、メザシの土光さんこと、石川島播磨重工の土光敏夫氏に東芝を託し、いざなぎ景気に乗り、再建を果たしました。
土光敏夫氏は、その後、鈴木内閣、中曽根内閣に乞われて、第二次臨時行政調査会の会長を引き受けます。その時の、引受条件が、①首相は臨調答申を必ず受け入れ、行政改革を断行すること ②増税によらない財政再建を実現すること ③各地方自治体を含む中央・地方を通じての行革推進 ④3K(コメ、国鉄、健康保険)赤字の解消、官業を民営化すること、という4条件を要求し、受け入れられたので、会長に就任しました。
臨調会長としての土光敏夫氏の本分は、「増税なき財政再建の実現」でしたので、内閣や官僚から増税案が出るたびに、「ならばやめる」と突っぱね、誰もがなしえなかった巨額債務の国鉄を分割民営化する答申をまとめ、実行に移されたのです。

その同じ東芝で起きていることは、リーダーの本分とはかけ離れた、利益さえ上げれば、たいていのことはまかり通るというおごりに見えます。会社は社会の公器です。世のため人のために役立つことで存続を許され、見つからなければ法網をくぐっても良いという倫理観なき会社は破たんするのです。これもリーダーによって決まります。

私の前職の上司であり、人生の師匠である田原敏男氏は、1922年生まれの軍人です。第5期陸軍経理学校を卒業し、主計大尉として敗戦の玉音放送を聞きました。経理部門の重要な仕事の一つに軍事物資の管理があります。武装解除するとともに、管理している倉庫の軍事物資を占領軍に引き渡さねばなりません。
横流しなどとんでもない。こういう時こそ、日本の軍人の真価を示そうと部下に訓令して、倉庫にあるおびただしい軍事物資を、縦横一直線になるように、すべて整理しなおしたそうです。「整理とは、有るべきものが、あるべき場所に、必要な分だけそろっていることだ。整頓とは、直線である。1ミリも歪んではいけない」というのが口癖でした。占領軍への引き渡しの時、磨き抜かれた床に、一分の狂いもなく整然と積み上げられた倉庫を見て、相手の将校が感動して、「我々は、負けても誇りを持って任務を全うする人がいる国と戦争していたんだ」と声を震わせたそうです。主計大尉としての田原敏男氏の本分は「戦いには負けたかもしれないが、民族の誇りまで失くしてはいない」ことを貫くことだったと思います。

自分さえよければ、それで良い。ばれなければ、何をしても大丈夫だ。利益さえ上がれば、文句を言う人はいない。言われたことだけやっていれば、責任は問われない。目に見えるものがすべてであり、目に見えないものは信用できない。このような人にはなりたくないですね。理想の高みを見据えて、「我が本分は何か」を問い、尽くしてゆきたいと思います。 

 
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