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2017/05/17 Wednesday 12:06:58 JST

No.964 ≪生産性が下がっている!≫-2017.5.17 目加田博史

 

最近ふと思うことがあります。仕事の道具は進化しているが、人間は進化しているのだろうかと。以前より、ゆとりが増えて、幸福になっているのだろうかと。

19951175:46 淡路島沖を震源とするM7.3の阪神淡路大震災が発生しました。真冬の寒い朝、吹田・江坂のホテルで泊まっていた私は、ホテルの警報音で目を覚ましました。何事かと周囲を見渡すと、昨夜は頭の方に有ったテレビが足の方の床に転がっており、冷蔵庫が倒れているのをみてぎょっとしました。
緊急避難放送があり、着の身着のままで、階段を使ってロビーまでおりました。「何が起きたのか」と聞いても、ホテルのスタッフは「わからない」と答えるだけです。テレビのニュースでも何も報道していません。
このころは、FacebookもTwitterもありません、もちろん、携帯電話は普及していませんし、インターネットの普及に貢献したWindows95の発売の1年前のことですから、メールも普及しておらず、公衆電話は長蛇の列で、しかも、どこにかけても不通状態が続きました。
この時の教訓から、携帯電話が急速に普及し、メールを使う方が激増しました。その後、スマホの時代になり、東北大震災の時に、メールが不通になり、安否情報が伝わらなかった教訓をもとに、LINEが開発され、今ではいかなる状況にあっても、だれとでも連絡をとれる環境が整いました。

メールやLINEをやっていない方も、携帯があればSMSで連絡がつくようになっています。パソコンの性能は飛躍的に増大し、スマホは常に同期がとれる便利な道具となっています。入力デバイスが何であれ、ネットワークしているすべてのデバイスや関係者と情報が共有できます。以前は、デバイスごとに再入力したり、メールしたり面倒なことが多かったですが、今は本当に簡単にスピーディに停滞なく情報共有が可能です。

しかし、冒頭で述べたように、仕事のスピードは以前と変わらないか、反対に遅くなっているような印象さえあるのです。なぜ、そう感じるのか?
日本生産性本部が3か月ごとに更新している生産性統計を見てみると、驚きました。2010年を100とした指標は2016年平均でみると、100以下の業種業態が非常に多いのです。65という業種さえあります。
製造業は1990年と比較すると、ほとんどの業種で、5割増と改善されていますが、人の考え方や働き方で結果が変わる非製造業は、生産性が変わらないか、反対に悪化している傾向があるのです。まさに感じていたものと同じ統計になっていました。

仕事には前工程、本工程、後工程があり、各工程で関係者とつながっています。関係者と情報を共有することが、価値ある仕事を成し遂げることになります。
例えば、お客様に提案をするためにアポイントを取るとします。その時の手段は、携帯やメールがない時代は、連絡手段は、固定電話や公衆電話、はがき、FAXしかありません。アポイントの取り方も最低でも1週間分、通常は2週間分取りました。当然、コースを考えながらとらないと、お客様にご迷惑をおかけしますので、工夫を凝らします。持ってゆく資料や道具も考えます。荷物は多くなりますが、あらゆる場面に対応できる準備が身についていました。渋滞や事故に巻き込まれることもありますので、早め早めの行動をとらねばなりません。「悲観的に準備して、楽観的に行動せよ」という教訓が身についているのです。自分の頭で考え、段取りするので自身が最高の道具だったのです。

今は、様々な便利な道具がそろっていますし、ほとんどの方が、いついかなる時も、瞬時に連絡が取れる時代です。自分の頭で考えるより、便利な道具を使う方が生産性を上げられると考えがちです。しかし、道具に使われているだけではないでしょうか。必要のない仕事まで引き受けて、自分の首を絞めているのです。
アポイントを取ると、お客様が、「時間が合わないので、提案資料をメールで送ってほしい。それを見て、こちらから連絡します」と言われると送らざるをえない場合があります。提案資料はアポイントを取ってから、まとめて作成しようと思っていたけれど、プレゼン資料から提出資料に変更しなければなりませんので、仕事の段取りが変わってしまいます。メールで送る資料で評価されると考えると、説得力を持たせようと、念入りに調査・分析し、出来上がった時は夕方だったという場合も出てきます。力作の資料は重くなりますので、相手のサーバーから受信拒否されて戻ってくる場合もあります。また、メールで送る資料は開封されることもなく削除される可能性もあります。社交辞令で「メールで送ってください」と言っておられる方もおられるからです。
「やはり、お会いして、直接説明させていただきたいので、ご都合の良い日を教えてください」と言えばよいのですが。

変えるべきは、道具ではなく、「考え方」ではないでしょうか。仕事の目的は何か、何のために仕事をしているのか。言い方を考えたり、会えるような工夫をしたり、心に残るはがきを送ったり、方法はいろいろありますが、時代のテクノロジーの進歩以上に、仕事の仕方を工夫しないと、生産性は向上しません。
生産性の国際比較では、1970年以来、日本はOECD加盟国中、19位~22位の間にあることからも、このことが言えます。目的に対する手段をどう考えるか、今一度見直してみてはいかがでしょうか?

 
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