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No.384【活気に湧くロンドン】-2005.12.7
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2017/04/06 Thursday 13:32:19 JST

No.959 ≪バブル再来か、それともトレンドか?≫-2017.4.6 目加田博史

 

日経新聞日曜版2017年3月26日付の1面で、「アパート融資 異形の膨張 年3.7兆円 新税制で加熱」というタイトルで、金融機関のアパート融資の統計が始まって以来、過去最高の融資残高となったと伝え、さらに全不動産向け新規融資は、バブル崩壊前の残高を超えて過去最高の12.2兆円となっていると警鐘を鳴らしています。

バブル崩壊のきっかけとなった1990年3月27日の「不動産融資総量規制」は、「地上げ」が社会問題となり、橋本蔵相が、金融機関の不動産融資伸び率を全融資伸び率以下に抑えること、不動産業・建設業・ノンバンク3業種に対して取引実態を報告すること、という形で行政指導を発動しました。その結果は、ご承知の通り、日本中がシュリンクして、後に「失われた20年」といわれたデフレ不況を招くきっかけになりました。

では、バブルになったきっかけは何かといえば、アメリカの貿易赤字を削減するために、1985年9月20日のプラザ合意により、円高・ドル安へ移行したことです。日銀がドルを放出し、ドルを売って円を買うため、市場には行き場のないお金があふれました。金利も5%から2.5%に下がりました。その後、季節ごとに合意がなされ、合意前に1$=242円だったものが、1987年12月23日のクリスマス合意では126円にまで半減しました。
トヨタ自動車だけで見ても為替1円当たりの損益は400億円と言われますので、単純に為替が116円も円高になると、4.6兆円減益したことになります。日本全体で見れば、これの数百倍の巨大な資金が市場に放出されたわけです。

その結果、お金が向かったのは、不動産と株式です。大阪の料亭の女将が、個人で約3兆円の借り入れをして、資産運用に大成功し、総量規制で資金繰りに窮して、詐欺事件で捕まったのは有名な話です。マンションは作れば売れる時代で、金融機関は完全にモラルを失い、腹黒い守銭奴に姿を変え、「そこまでやるか!」と、なりふり構わぬもうけ主義に走り、この世に、究極の人間のエゴを現出して、社会が壊れてしまいました。そこで発動された総量規制により、一気に多くの金融機関や不動産会社、建設会社、証券会社が倒産し、多くの人が苦い経験をました。

今回は、相続税制の改正により、田畑にアパートを立てれば、相続課税評価が下がることを利用したものが中心で、インバウンド需要に対応した民泊転用アパートもブームの後押しをしたようです。前回のバブル崩壊で失敗した人は参加していないでしょうが、今回は、その教訓が生かされず、少子高齢化が進む日本で、採算度外視で、マーケティング無視の相続税対策ありきのアパート建築ラッシュは、冷静に考えれば、長期にわたって負債を背負い込むことはすぐにわかるはずです。
通常、アパート建築を行う場合は、事業計画を立てて、利回り計算を行ったうえで、契約に入ります。自己資金でできる人は問題ありませんが、ほとんどが借り入れで賄いますので、金融機関が厳しくチェックします。今回は、そのチェックがメクラ判になっているケースがあると聞きます。こうなると、業者と金融機関が組織ぐるみで税制を利用して建築主を丸め込んだことになります。

しかし、沖縄では、少し事情が異なり、新税制になる前から、アパート建築は盛んです。私は30年以上前から「アパートは、まだまだ必要だ」と言い続けてきました。理由は、沖縄の人口構造にあります。30年前112万人だった人口は、毎年1万人増えて、今は142万人で、今も増え続けています。沖縄で結婚する人は、1977年以降、毎年約8000組で、安定微増傾向にあります。出生率は全国最多の1.94人。これだけ見ても、毎年1.6万人の人口が増えることを意味しています。新婚8000組の半分が、アパートに新居を求めたとすれば、4000戸必要です。通常、沖縄でのアパートは1棟当り10戸ですので、新婚向けだけで、400棟が不足します。(もちろん、離婚も全国一ですから、計算通りには行きませんが)

また、米軍基地関係者は5万人以上、観光客は860万人(内外国人208万人)以上、さらに、避寒移住者を含む移住者、出張族・転勤族向けのアパートを考えると、慢性的に不足しています。これに、最近は民泊転用アパートが加わります。統計的には、過剰供給されている様に見えますが、入居したいと思うおしゃれな住宅・アパートは不足しています。これは、バブルとは言えません。安定需要です。
但し、立地も大きな要素ですので、場所を選びます。どこでもよいわけでは勿論ありません。
また、政府の規制が始まると、ローン金利が上昇します。さらに、建設業の深刻で慢性的な人手不足、資材高騰が加わりますので、採算は悪化する可能性は大いにあります。

表面的に見るのではなく、長期的に、多面的に、根本的に見なければなりません。 

最終更新日 ( 2017/04/13 Thursday 10:45:23 JST )
 
(C)2005 建設業経営コンサルタント 目加田経営事務所 組織活性化、売上げ向上、コストダウン、ISO取得支援、ビジョン策定のお手伝い 沖縄 大阪 京都. Powered by Mambo. Designed by MamboTheme - Mambo professional templates!