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No.387【今年の出来事】-2005.12.28
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2017/02/01 Wednesday 14:39:51 JST

No.950 ≪もし、挨拶禁止令が発令されれば。≫-2017.2.1 目加田博史

 

少し古い話題で恐縮ですが、2016年(平成28年)114日付の神戸新聞夕刊の投書欄に、「マンションの住民総会で住人の要望により、マンション内では挨拶禁止にした。理解に苦しむ」と掲載された。日本人なら耳を疑うような記事ですが、挨拶禁止決議に至った経緯は、小学生を持つ親が、「子どもには、知らない人に挨拶されたら逃げるように教えているので、マンション内では挨拶しないでください。教育上困ります」と発言したことに端を発して、議論が始まったようです。総会では、賛否両論あり、最終的に「挨拶禁止」ルールが明文化されたようです。それも、あの阪神大震災を経験し、日本で最も、防災や安全意識が高いと思われていた神戸市内のマンションで起きたので、なおさらです。明文化日本初かもしれません。

挨拶は、集団生活をするうえで、なくてはならないもので、良好な人間関係を築く上にも欠かせない動作です。物心ついた時から、「近所の人に会ったら、挨拶しなさい」「知らない人について行ってはいけないよ」と教え込まれ、近所の人や、見知らぬ人でもすれ違えば、「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」というのが習慣になっている人も多いでしょう。さらに、子供たちやお年寄りを見守りながら、外部の悪意を持った人の侵入を未然に防止し、地域の安全を確保しているのは、町内会活動です。これらをサポートしているのが、世界中から評価の高い交番制度です。その基本は、日ごろの挨拶です。

子供が成長する過程で、自然と親離れしてゆきます。そこで出会うのは、見知らぬ人ばかりです。その見知らぬ人と、良好な人間関係を作ってゆく重要な習慣が挨拶です。それを禁止するというのは、理解を超えています。しかも、変人奇人の主張ではなく、マンションの住民総会で、決議され、同意し、明文化されたのですから、驚きを隠せません。それを乗り越えてゆくのが、人の知恵であり、思いだと思います。

マンション管理組合の役員をやっている関係上、マンションの現実は良く理解していますし、この事例のような出来事はあります。住人にもオーナーと賃借人がおられます。自分さえよければよい人もおられれば、無関心の人もたくさんおられます。だからこそ、住民同士がかかわれるイベントやきっかけが重要です。クリスマスパーティやバーベキューパーティ、総会や防災訓練等、様々なイベントを通じて、互いに自己紹介の機会を作り、顔と名前が一致するように工夫する必要があります。階が違っても顔がわかる状態をつくる努力は必要です。最近は、管理組合自体を外注化しているマンションがほとんどですが、安全は、結局は、自分から、近所から、地域から作ってゆくしかないのです。

また、町内会の役員もやっていますが、その経験から言っても、町内会活動が活発であればあるほど、空き巣や強盗、事故、事件の発生率は反比例して少ないものです。私の所属する町内会では、この10年間、ほぼゼロです。有志数人で、拍子木をカチ、カチと打って「火の用心!」とふれて回る活動もあります。これも、誰かが言いだしっぺになって、誰かが賛同して始まった活動です。「情けは人のためならず」のことわざ通り、結局、自分に回ってくるのです。

私の息子が中学校の頃、学校は荒れに荒れていました。そこで、父親が立ち上がり、「おやじの会」を結成して、夜の見回り、登校時の挨拶運動を展開しました。その時に学んだことがあります。
私は、名も知らぬA君に狙いを定めて、その子に届くように声をかけました。最初は、わざと無視していたその子も、数日たつと、今度は、かすかに頭を上げるのがわかりました。「シメタ」と思って、次の日はもっと届くように声をかけました。すると、頭をはっきりと下げて反応してくれました。
しかし、まだ目線は合わせてくれません。翌日、口がもごもごと動いたように見えました。さらに翌日、こちらを見て何か言っています。その子に近づいて、「挨拶してくれてありがとう。もっと大きな声で挨拶しないと相手に聞こえないよ」というと、「言いました」と大きな声で反論してきます。「今みたいに大きな声で挨拶すると相手に伝わるね」というと、「言いました!」と繰り返してきます。
「挨拶はね、相手にあなたの気持ちを伝えるための言葉だから、相手に聞こえなければ、挨拶したことにならないよ。どうかな?」というと、頭をぴょこんとさげます。「今日はありがとう。明日、待ってるよ。」というと、「はい」と言ってニコッとしてくれました。

人は、変えられませんが、変わることができるのです。その入り口は、挨拶にあると、信じて疑いません。

 
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