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No.913 ≪「待つ」という戦略≫-2016.5.12 プリント メール
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2016/05/12 Thursday 12:24:26 JST

No.913 ≪「待つ」という戦略≫-2016.5.12 目加田博史

 

当社の顧問先で建設会社のA社のB社長は「わが社のテーマソングは『待ちぼうけ』、座右の銘は『果報は寝て待て』、『マコトソーケー、ナンクルナイサー』です」と大言してはばかられません。経営的に「待ち」と言うと、マイナスイメージが強く、あまり良い印象を持ちませんし、それが経営戦略だと言われると、首をかしげる方が多いかもしれません。
待ちだから何もしないのかというと決してそうではありません。積極的な「待ち」の姿勢なので、会社全体では能動的な活動を活発に展開しています。その成果は業績に表れており、ランキング上位の増収増益基調で推移しています。
この境地に至るには、長い苦境のトンネルを越えねばなりませんでした。

どこに頼んでも、「こんな仕事を請けられない。赤字になる。価格は魅力的だが、納期も短いし、顧客の要求事項があまりにも厳しい、相当な技術者でないと補償問題になる。申し訳ないが、うちでは無理です」と断られて、困り果てて、期待せずに訪ねたA社で「わかりました。やりましょう」と二つ返事で受諾してもらい助かったお客様は何社もあります。

あるお客様は、大型プロジェクトを請負った会社の責任者から「価格は他社よりも高いかもしれないが、A社以外では、結果に責任を持てない」と言われ、役員会で喧々諤々議論をした結果、A社に発注したことがありました。A社の担当者の仕事の仕方をみて、発注したお客様は、「A社に頼んで良かった。社員の教育が行き届いていて、挨拶は言うに及ばず、報告・連絡・相談が素晴らしい。技術も研究熱心で感動した、私たちの無理難題を見事にクリアしているので安い買い物だった」とおほめの言葉をいただきました。大きな放送局が通常営業しながら行う仕事なので、半日ダンドリして、実際の作業は5分しかできない、それも秒単位での正確さを要求される仕事でした。

B社長の口癖は、「先代はなんでもこなせるやり手でしたが、私は技術者でもないし、営業が苦手なので、社員のみなさんに頑張ってもらうしかありません。私にできることは責任を取ることだけ」です。
「時を守り、場を清め、礼を正す」「大きな努力で小さな成果」「1分以内にコールバック、24時間以内に現場訪問」・・・どれもスローガンとして掲げることはできても継続実践は難しいものです。B社長は徹底的に継続し、A社ではこれらが既に当たり前の文化になっています。お客様の安心感は相当なものです。

かって、B社長は月商が2億円のころ、月商以上の不渡りを2か月連続で被り、だれもが、もうA社は駄目だと思ったことがありました。その時に、友人の経営者数人が、不渡り相当額の資金を出し合い、B社長が相談に来られたら、すぐ提供できるように準備しておられました。しかし、その資金は使用されることはありませんでした。苦境を打開し、乗り越えられたのです。その経験が多くの学びにつながり、今の経営哲学に凝縮されています。

毎朝、誰よりも早く出社して会社のトイレ掃除をし、休日には市内のゴミ拾いをやっておられます。道にゴミが落ちていれば当たり前のように拾われます。この人と決めれば、とことん、ついてゆかれます。これらは本人から聞いたのではなく、周囲の人から聞いた話です。

営業活動は弱いので、お客様に探し求めて来て頂かねばなりません。お客様に引き合いをいただけるようにするにはどうすればよいかと考えた時に、先ほどの文化を成熟・進化させてゆくことに落ち着いたのです。ただ、待つのではなく、お客様が探し求められるように戦略的に待つには、長期的な時間を持続する力が必要ですので、攻める以上に困難な戦略といえます。経営者のキャパシティ、キャラクター、コンディションといった3Cにフィットした戦略ならば、結果もついてくるのです。

最終更新日 ( 2016/05/13 Friday 11:18:16 JST )
 
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