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No.903 ≪今そこにある危機≫-2016.2.19 プリント メール
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2016/02/19 Friday 11:07:39 JST

No.903 ≪今そこにある危機≫-2016.2.19 目加田博史

 

今から100年前、1914年6月28日にオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子フランツ・フェルディナント大公夫妻がサラエボでボスニア系セルビア人に暗殺されたことに端を発して、5年間もの長期にわたり、世界中の国々を巻き込んだ第一次世界大戦がはじまりました。世界を巻き込む戦争は人類史上初めてのことでした。

当時のヨーロッパは、ハプスブルク家が支配するオーストリア帝国とハンガリー帝国、ビスマルク宰相が率いるドイツ帝国、ニコライ2世を擁する帝政ロシア、オスマン家率いるオスマン帝国。いずれも一人のオーナー(皇帝)が全権掌握し、支配・統治する時代のなかで、制度疲労を起こし、戦争回避のための外交努力よりも領土拡張・国力増強という個人的野心が優先された時代です。一人のカリスマ・リーダーの支配欲が、異論を封じ込めて、暴走すると、ガバナンスが働かず、利害が対立する国々や人々を巻き込んで小さな出来事(地域紛争)がとんでもない出来事(世界大戦)に発展して、あってはならない、戦争という事態に至ってしまいます。

ハプスブルク家と共同統治領のセルビア政府との話し合いでおさまる程度の内輪もめが、三国同盟に基づいて同盟国であるドイツに対応を相談した結果、領土拡張をもくろんでいたドイツは「待ってました」とばかりに、ロシアとフランスに宣戦布告したのです。ドイツに相談すればどうなるかはハプスブルク家もわかっていたでしょうが、しがらみがそれを許さなかったのでしょう。宣戦布告されたロシアでも皇帝はいやいや対応して部分戦でお茶を濁すつもりでいたのでしょうが、軍部は威信をかけて全面総動員を主張し、それが承認されてしまいます。ロシアの本気度を見た国々は片手間では大変なことになると思い、連鎖的に、本格的な準備をはじめ、硬直的かつ原理主義的な対応に終始し、戦争回避のための外交努力は形式的な手続きにすぎなくなってゆきます。

そこに、宗教がからみます。強大な領土を持っていたオスマン帝国はイスラム教、オーストリア=ハンガリー帝国はキリスト・カトリック教、ロシアはキリスト・ロシア正教です。宗教と宗派の微妙な調和のもとに成り立っていた地域に、ひとたび波乱の種がまかれると燎原の火にごとく、統制不能状態になります。

大戦後、世界の主導権を握ったのがアメリカと日本です。大西洋から太平洋の時代になっていきます。大戦バブルとでもいえる大活況に沸いたアメリカでは次第に太平洋の支配に意欲を抱き、その野望を妨害するように見える日本が邪魔になってくるのもわからなくはありません。

100年たった現在、非常に似通った時代背景と構造に危機を感じるのは私だけでしょうか?
カリスマオーナー・リーダー率いる中国、ロシア、北朝鮮・中東諸国の動きに目を離せません。資源問題、中でも原油動向は極めて神経質で微妙な危機をはらんでいると思います。20世紀に凄惨な世界大戦を二度も経験し、平和と調和への智恵を得た人類は遺伝子に記憶しています。しかし、大戦後70年が過ぎ、世代が交代し、戦争を知らない世代が主流になると、また同じことが起きる可能性があります。遺伝子の厭戦スイッチが働いて対立から和解、混乱から調和、硬直から柔軟、原理主義から自由主義、威信から尊敬へと移行することを願うばかりです。
一筋の光明は、今年2016年2月12日に、キューバのハバナで、フランシスコ・ローマ法王とキリル・ロシア正教会総主教が、1000年ぶりに和解したことは大きな出来事です。信者数では上回るカトリック側が譲歩した結果生れた調和です。

翻って、これらの環境を俯瞰して、会社経営の対応を考えたならば、ひとたび世界危機に陥ると、体制は一気に崩壊し、いかなる巨大企業といえども、ゼロクリアされてしまいます。経営は環境適応技術ですので、いかなる環境おいても適応しなければならないのです。そのような観点に立つと、一つのかごに卵を盛るようなビジネスモデルでは極めて脆弱です。3つから5つの柱をつくり、バランスを取りながら進めてゆかねばなりません。その努力は今まで以上に重要な時代に入っています。そして、思考にも行動にも柔軟性が求められています。

最終更新日 ( 2016/02/19 Friday 11:08:24 JST )
 
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