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No.408【天国と地獄は紙一重】-2006.5.31
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織り成す経営~企業承継期の経営 第21号-2016.1.29 プリント メール
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2016/01/28 Thursday 10:08:13 JST

織り成す経営~企業承継期の経営 第21号-2016.1.29 谷口行利

『企業承継期の人材戦略~金の卵と銀の卵の組み合わせの妙!』

 

筆者がお手伝いしている地方食品製造販売業は常時雇用する従業員は40名にも満たないが、新工場を立上げ、徹底した衛生管理に取り組んでいる点や独自の定番商品とPB製品の共同開発展開で需要者に支持されている。この会社においては女性比率が約80%で、障がい者の方も雇用し、元々70歳を越える方や60歳半ばの女性パートタイマーの方々が重要な戦力として頑張っておられるが、その流れもあり昨年12月、製造職の従業員について定年制を65歳に引き上げた。ちなみに、営業職や事務職の定年は60歳のままで、定年後は一年単位の契約を更新して、65歳の誕生日の前日(法律上は誕生日の前日に誕生日を迎える)まで雇用する。
背景としては、会社のコアである固有技術を持っている人材の流出防止・確保である。
さらに、結果はまだ出ていないが若年齢層の製造職での雇用確保を狙い、2年間の「技能習得手当」や3年間の「奨学金手当」を導入やフルタイム勤務者には「フルタイム勤務給」を支給する賃金規程の大幅改訂を行った。
これらの措置の中で、高年齢者はシルバーつまり“銀の卵”として重宝している。一方、なかなか入ってこない若年齢層はゴールドつまり“金の卵”として入社を促進すべく、先ほど述べた改善策を打った。これにもともとある“おばちゃん”の世話焼きを強みとしたペア制度で若年齢層や障がい者の方を育てるエルダー役を果している。
ところで、事業主には、平成25年4月1日に改正施行された高年齢雇用安定法で、「定年60歳以上で、退職及び解雇の項に該当しない者で、希望する人を全員65歳まで(継続)雇用する」の義務が発生している。これは言うまでもなく、労働力人口の減少が第一の理由、次に、60歳~64歳までの特別支給の老齢厚生年金(在職老齢年金)がつなぎの役割を終え、老齢厚生年金が65歳から支給される措置が第二の理由になっている。労働力人口減少はこれまでの政治のミスリードであることを考えれば、事業主からの恨み節も致し方ないが、いずれにしても現実を直視すれば、高年齢者や女性、外国人などに代表される多様な人材を労働力として活用することが重要になっている。ところで、筆者も今年、学年で言えば55歳になり、高年齢者の仲間入りをするが、水泳ほかスポーツで悪あがきの体質改善を行い、身体年齢が42~44歳と毎朝測定結果が出るのをみていると、戸籍年齢は55歳だが、認識及び身体そのものは42~44歳という実感が本当にしている。
今、高年齢者雇用を現在継続雇用している61歳以上の人で見ていると人事施策を間違う恐れがある。現在、53歳以下の年齢層を見て、彼らの定年後の人事処遇制度を念頭に再設計しないと将来を見据える(若い)高年齢者はスピンアウトするだろう。まさに、事業主サイドでは今後、高年齢者は10歳若いという基本認識で社内の人材構成や施策を考えていく必要があると思う。
一方、同年4月1日から、非正規従業員への雇用環境の改善を踏まえ、労働契約法も改正された。これはご存知のように平成27年12月1日から施行された常時雇用する従業員50名以上の事業所に義務化されたストレスチェック制度の導入にも代表される“労働者への安全配慮義務”を実行することと同じ仕事で同じ職責ならば同一賃金であるという“同一労働同一賃金”を事業主に求めている。
現在61歳以上の高年齢者を抱える事業所の多くで、定年時賃金を50~80%に下方改訂して再雇用契約を締結している。これは特別支給の老齢厚生年金や雇用保険から公的給付で定年時賃金と下方改訂した賃金の差額を支給する助成制度があったためにできたことであり、それが使えなくなっていく。実際、定年で60歳の人が公的給付を受けられなくなって、“調整手当”を支給する事業所もある。逆に、そうしなければ、助言及び支援業務に回っていて、“同一労働同一賃金”に違反という意味で抵触する事業所が普通にある。

これまでの定年者はある意味、公的給付や老齢厚生年金が早めに受給できたために恵まれていた。しかし、これからの事業主は労働費用面で“助成金”のようなものであった“公的給付”は期待できず、定年後の人事処遇制度の設計について“不作為”のままだと“同一労働同一賃金”への民事訴訟リスクを抱えていくなど、問題を抱え込む。
 まずは、地方中小企業において、現在の採用環境の厳しさを実感されている事業所は多いと思うので、向こう10年の人員構成表を作成されることをお勧めする。その中で、若年齢層についての採用は経営トップ自ら広告塔の役割を担い、採用した“金の卵”である若年齢層を育成するために“銀の卵”(定年後再雇用者)をエルダーとして任命し、部下の人事評価にも係らせていく。一方で高年齢者の定年後の賃金体系は“職務給”や“職能給”から“役割給”へのシフトチェンジをお勧めしたい。その上で選択性の資格等級制度を設計し、心身ともに充実し、稼げる高年齢者は週40時間勤務で稼げるコース、介護や育児・その他多様な人生設計の中で、就労をしたい高年齢者については、短時間就労コース等を設けたい。総じて、ブラックではない“ホワイト企業”づくりを志向したい。

 

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最終更新日 ( 2016/01/28 Thursday 10:10:16 JST )
 
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