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No.894 ≪世界最古の会社≫-2015.12.9 プリント メール
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2015/12/09 Wednesday 16:58:09 JST

No.894 ≪世界最古の会社≫-2015.12.9  目加田 博史

 

先週に引き続き、100年老舗企業についての話題です。9月から経営者のための経営塾「経営志行塾」を開いていますが、12月は「100年企業をつくる」をテーマに世界最古の会社「金剛組」と同じ宮大工から始まった上場ゼネコン「竹中工務店」を取り上げて勉強しますが、今回は、中でも、興味深い、世界最古の会社「金剛組」についてお話します。

538年に仏教が伝来し、豪族が競って私的に建立する寺院はあったものの、官寺はありませんでした。官寺を建設しようと、578年に聖徳太子の招きで、百済の工匠3人「金剛氏」「早水氏」「永路氏」が渡来し、初の官寺である大阪の「四天王寺」を建立しました。「四天王寺」完成にめどがついたころ、速水氏は大和(奈良)に、永路氏は山城(京都)に配置されました。
聖徳太子より「四天王寺」を今後とも守護するよう命じられたのが、金剛重光氏で、金剛組の創業者です。
100近い寺社を誇る四天王寺専属宮大工「正大工職」を命じられ、四天王寺境内に屋敷を与えられ、独占的に事業を行ってきました。その間、五重塔は7度も焼失し、苦境に立ちます。

最大の危機は、明治政府が国家神道に進み「神仏分離令」発令による、全国的な廃仏毀釈がおこり、多くの寺領を没収され、仕事が激減したことです。
1300
年近く営業活動などしたことがなかった金剛組が、やむなく各地の神社仏閣へ営業を行うことになりましたが、思うようにゆきません。金剛組は「組」(棟梁を中心に3~100人のチームで、徒弟制度で人材育成し、仕事をする)組織は固定コスト構造の為、柔軟性がなく、受注減により次第に困窮することになります。 正大工(当主)を補佐する権大工(兄弟筋)や分家(柳家)、大番頭が存在し、本家当主が暴走や怠慢を働いた際には、合議制のもとで当主の座から降ろす仕組みがあり、病弱や職に適さない際には、こうした兄弟筋や分家から当主を選抜する仕組みがあり、組織を存続させるための内部牽制システムは機能していました。

1932年、第37代金剛治一氏が、極度の経営悪化により、墓前で自殺しました。その後を、妻のよしゑ氏が歴代初の女性棟梁となり、3人の子供を育てながら第38代に就任し、活発に事業展開し、難局を打開します。1934年、室戸台風で五重塔倒壊し苦境に至りましたが、よしゑ氏の果敢な行動で1940年無事再建しました。
それもつかの間、1945年、大阪空襲で、ほぼ全域を消失して、仕事が完全になくなったのです。

戦後は防災上コンクリート建築に移行し、木造建築の技術しかなかった金剛組は、代々再建してきた四天王寺五重塔の復興から除外されました。
渡辺利隆氏が、金剛家の三女の婿養子となり、なにわの女棟梁とよばれた義母のよしゑ氏と協力し、経営の近代化を推し進め、1955年に株式会社に改組し、1967年第39代金剛家を継承されました。寺社建築の良さを残したコンクリート工法を開発したのです。

このコンクリート工法で、一般建築の受注を活発化させ、規模拡大と関東進出を実現しました。しかし、一般建築分野はコスト競争が激しく赤字工事も発生し、経営状態はさらに悪化してしまったのです。
2000年ごろから給与カット、2005年から人員削減に手を付けざるを得ませんでした。
自力再建を断念し、法的整理も踏まえ、金融機関の協力も得て、支援企業を捜しましたが、うまくゆかず、債権者集会の会場を予約して覚悟を決めたのです。

そこに、2005年、同じ「りそな銀行」と取引のあった高松建設(大阪:東証1部上場)が金剛組の支援を打診され、高松隆育会長が堺市の金剛組の加工センターを見学し、宮大工の技工に感動し、帰社後、全役員を集めてこう話して支援を表明しました。
「金剛組を潰したら大阪の恥や。古いものは一度なくなってしまうと二度と元に戻すことはできない。そうなれば長い年月、積み重ねてきた人の努力も技術もなくなってしまう。商人の街、大阪の上場企業として、それを見逃すようなことはできない」
1400年の歴史に汚点を残さないように存続させるために私的再建にこだわり、金融機関には自主的に債権放棄をお願いし、承認されました。
また、宮大工や協力会社等の債権者集会では債権の8割買取をお願いし、合意を取り付けました。いずれも、ありえない奇跡と言われた。のれん、看板という先祖の徳のおかげとしか言えなかったそうです。
高松建設の高松会長は「金剛組は四天王寺を守り続けてきたが、今度は我々が金剛組を守り続ける」と決意を表明されたのです。
いかなる企業も、永続するには時流や環境に適応しながら、常にイノベーションを図らねば、あっというまに衰退しきます。わが社のイノベーションはできているか、再点検しようではありませんか。

 
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