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2015/07/22 Wednesday 15:56:20 JST

No.875 ≪東芝の不正経理操作に学ぶ≫-2015.7.22 目加田 博史

 

創業140年の製造業の名門、「東芝」が不正経理で揺れています。第三者委員会の報告書がネットにも公開されているのでご覧になることをお勧めします。工事が絡む仕事をしている会社であれば、多かれ少なかれよく似た状況が発生していると思われるからです。
ただ、それを、名門上場企業が株価や株主、金融機関等の目を意識しすぎるがゆえに、またライバルである日立の好業績と対抗するために、経営者を含めた組織ぐるみの「ゴマカシ」を行うのは明らかな問題です。中小企業がやむにやまれぬ事情でのやりくりするのとわけが違います。

代表的なごまかしの例で、電力会社のA案件と呼ばれる案件を見てみましょう。
NET
原価では91億円でしたが、競争他社に競り勝ち、何としても受注しなければならないという戦略上の問題もあり、受注してから何とかする「チャレンジ値」(CD、又は追加受注獲得)を見込んで原価は70億円と見積もられました。そして、入札は71億円で受注しました。当然、受注時点で損失引当金を積まねばならない案件ですが、組織ぐるみで目をつむり、何事もなかったかのように工事を進め、NET91億円の原価がチャレンジしたところで21億も下がるはずもなく赤字になってしまいました。
明らかに損失引当金を計上しなければならない事態にいたらないと部長に承認してもらえないため、売上計上と原価先送りでごまかしたのです。
この会計では進行基準という売上計上方法が取られています。完成するまでは、受注金額に対して、原価の消化割合で売上高を計上するため、原価を少な目に見積もれば、売上高も多めに計上できるという理屈を利用しています。

例えば、受注金額100に対して、想定原価が80の場合、進行基準で60の原価を計上した場合は、原価の割合は75%なので、売上高も75%の75計上できる。この時は売上高(75)-原価(60)は赤字ではないので、損失引当金の計上が必要なくなるのです。
しかし、実際には受注金額71億円、原価91億円ですから、原価消化が60億円なら、66%の消化なので、売上計上は71億円×66%=47億円となり、利益は47億円-60億円=△13億円で損失引当金を計上しなければなりません。
このような操作がいたる事業で発生していたようです。
このような経営思想では、チャレンジという名のなりふり構わず手段を選ばないやり方が横行し、それを実践した人が出世し、物を言えない社風が出来上がっていたようです。東芝の創業者の「からくり儀右衛門」の発明家田中久重や、中興の祖、めざしの上光敏雄がこの不祥事を聞いてどう思っているでしょうか?
「人の振り見てわがふり直せ」といいます。くれぐれもご用心を。

 
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