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No.397【「おもてなし」が会社を伸ばす】-2006.3.15

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No.871 ≪先義後利≫-2015.6.24 プリント メール
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2015/06/24 Wednesday 13:11:48 JST

No.871 ≪先義後利≫-2015.6.24 目加田 博史

 

京都に創業427年の「半兵衛麩」という食品メーカーがあります。京都で「麩」といえば「半兵衛麩」。グルテンから作られる「麩」はありふれた食品です。しかし、「半兵衛麩」の「麩」でないと食べた気がしません。
その半兵衛麩にも大変な時代がありました。戦争で全てを無くし、小麦粉も統制され、麩の製造そのものができません。やっと統制が解除されたのは昭和27年(1952年)です。自由に商売ができるようになってもマイナスからのスタートで釜も機械も無い中で家族が早朝から深夜まで家庭用の鍋で「麩」を作り、自転車で遠くまで行商に出かけ、食べていくだけで精いっぱいだったころ、脳溢血で10年の長い間、病の床に伏しておられた先代から枕元に呼ばれ、日頃は「まじめに働け」と口酸っぱく言っておられた先代が「もっと遊べ」と急に言い出されたそうです。ここからは第11代目当主 玉置半兵衛氏の著書「あんなぁよおぅききや」(京都新聞社刊)から抜粋します。

「人間、働くばっかりが能やない。遊びも大切や。そら、真面目に働らかなあかん。人一倍仕事もせんといかん。けど、真面目に働いているだけの人間は窮屈でかなん。寝る時は、お布団を敷くだけの場所があったら寝られるやろ。そしたら、一畳に四方壁の部屋でも横になって寝られるけど、六畳の間、八畳の間にお布団引いて寝る方がゆっくり休めるやろ。後のあまりの分は何や。無駄のようやが、この使っていない所、これがゆとりで余裕や。これが安らぎになるのや。けど、余裕が多ければ多いと、ゆっくり寝られて安らぎになるか。百畳の間にお布団一枚敷いて寝てみ。怖くて不安で、落ち着いて寝てられへんもんや。それと一緒で、ギスギス働いてばっかりいんと、適当に遊ばんと、余裕とか人間の幅とか奥行きができひんのゃ。人を見る目も変わるし、ユーモアも感性もできる。一日も休まんと働いてばっかりいたら、ええ知恵もでてきいひん。余裕の無いような者には人もついてきやへん。少しは適当に遊びもせんといかん」

あんなぁ、よおぅききや。
百畳の間で寝るのと同じで、遊びすぎると、ただの極道になってしまう。お金がない時は、いらんような遊びをして、暇がなかったら、時間を取らんような遊びをしたらええのや。自分でその時の事情に合わせた遊びをしたらええ。お金無いし、暇もないのやったらどういようもないやろ。そしたら、夜、表に出て五分だけでええさかいに、一人で夜空のお星さんを静かにながめてるだけでええ。
そのうち、もっとあんな楽しみがしたい。こんなこともしたい、あそこも行ってみたいと思うようになって、どうしたらやりたいことができるようになるか考えて仕事するようになるし、人生がもっと楽しくなる」

素晴らしいお父上です。私もギスギス働いている人に、こんなことが言えるような人間になりたいと思います。玉置家では三代目の当主が石門進学の祖である石田梅岩に傾倒し、雅号までもらっておられました。三代目の教えが代々受け継がれて家訓となって言い伝えられているそうです。その中に「先義後利」という考え方があり、正しい人の道を先にして、利は後にするのが哲学になっているようです。
人類史上、だれもが想像すらできなかったほどの高度な技術と経済的豊かさを享受している現代は、様々な格差や価値観の多様化で悩める時代でもあります。今の豊かさがいつ崩壊するかもしれないという不安と隣り合わせの現代は、このような考え方がとても重要になってくると考えております。

最終更新日 ( 2015/06/24 Wednesday 13:11:57 JST )
 
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