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No.869 ≪危機感と使命感≫-2015.6.10 プリント メール
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2015/06/10 Wednesday 13:44:44 JST

No.869 ≪危機感と使命感≫-2015.6.10 目加田 博史

 

経営には3つの坂があるのは有名な話です。登り坂、下り坂、まさかという3つのさかです。一番厄介なのが、3つめのさか「まさか」です。ひところのはやり言葉でいえば、「想定外」「予想外」というたぐいのものです。「まさか」を日頃からトレーニングすることで感性豊かな想像力がはぐくまれてゆきます。

先日、森信三先生の流れをくむ実践人京都研修会で作家の門田隆将氏の「極限のリーダーシップ」~福島第一原発所長 吉田昌郎が残したメッセージ~という講演を聞きました。門田隆将氏はもともと週刊誌の編集長を経てノンフィクション作家となられた方で、徹底した取材が真骨頂で、亡くなった吉田所長がインタビューに応じた唯一のジャーナリストだそうです。原発事故発生時の関係者はだれも口を開かなかったのですが、後世に正しい記録を残すために吉田所長の命令で皆が取材に応じてくれたそうです。その記録は「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日」(PHP刊)として出版されています。

講演の中で、「吉田所長が想定していた最悪の事態は単純に考えてもチェルノブイリの10倍だった。格納容器が爆発すると第一原発と第二原発にある10基の原子炉が次々と爆発するからです。それを回避するために部下たちが最後まで原子炉に突入を繰り返してくれた。命の危険を顧みずに駆けつけてくれた自衛隊や多くの方の勇気をたたえたい。感謝という言葉では言い表せないと吉田所長は語っていました。このことを斑目春樹原子力安全委員会委員長に伝えると『吉田さんはそこまで言ったんですか。私も現場の人たちには本当に頭が下がります。私は最悪の場合は吉田さんの想定よりも、もっと大きくなった可能性があると思います。福島第一が制御できなければ茨城の東海第二発電所もアウトになったでしょう。そうなれば日本は三分割されていたかもしれません。汚染によって住めなくなった地域と北海道と西日本の3つです』と言っておられました」と聞いて驚きました。

原発は大地震でも壊れない想定していたけれど、津波はせいぜい10メートルを超えることはあり得ない。だから海抜10メートル以上にあれば大丈夫という甘えがあったようです。今回は22メートルにもなる津波の来襲により、全電源が喪失するという誰もが予想だにしなかった想定外の事態に至ったわけです。原子力を制御する電源を喪失するということは、スイッチを押せば閉まるはずのドアを、人間が放射能が充満している真っ暗な現場まで行って手動で開閉しないといけないということになるのです。まさに「まさか」のさかです。
では、生きて帰ってこれないかもしれない死地に誰が行くの? 誰が人選して誰が命令するの?という極限の人知を超えた判断が必要になります。

門田隆将氏は取材を通じて吉田さんが福島第一原発の所長だったから日本が救われたと思った。なぜなら、吉田さんとなら死ねると言った人がほとんどだったからだ。起きた事実が何を意味し、これからどうなるかを熟知している技術者が、電源喪失で現場の状況が全く分からず、情報が錯綜し、すべて手動で動かすしかない中で、それぞれの技術者がそれぞれの役割を当たり前に的確に遂行してゆく使命感は感動的です。

中小企業経営も「まさか」のさかと隣り合わせです。危機感をもって、その時にどのような対応をすればよいか想像力を鍛えることで、当たり前のことを当たり前に遂行できる使命感が涵養されるように思います。

 
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