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No.1003 ≪「人間が一番恐ろしい」って本当?≫-2018.2.21

No.1003 ≪「人間が一番恐ろしい」って本当?≫-2018.2.21 目加田博史

 

皆さんは「ミルグラム実験」、別名「アイヒマン・テスト」と呼ばれる実験を聞かれたことがありますか?
1960年代にアメリカのエール大学で、ミルグラム教授が行った実験です。どのような実験かと言いますと、「人は、権威に命じられるとどのような残虐行為も実行するのか」を調べたものです。

新聞広告で集められた20歳~50歳の様々な背景を持つ普通の人に、「これは、罰による学習効果を測定する実験です。教師役のあなたは、生徒役に問題をだし、もし、間違っておれば、罰として電気ショックを与えてください」と告げて、実験するのです。
「教師」と「生徒」は二人1組でペアを組み、別々の部屋に入り、会話はインターホンを通して行われます。「教師」の前には、問題と回答集、電気ショックを与える装置があり、「生徒」が間違えるとスイッチを押すのです。
電気ショック装置の電圧目盛りは15V単位で、最大450Vまであり、装置の下には「危険」と表示されています。白衣を着た博士然としたインストラクターは「いかなる事態に至っても実験は続行してください。すべての責任は私たちが負います。安心してください」と「教師」に伝え、不安感を払しょくさせます。
最初に被験者全員は、あらかじめ45Vの電気ショックを経験し、「生徒」の受ける痛みを理解します。
実験の方法は、「教師」が、問題を読み上げ、「生徒」はそれに回答する。「生徒」が間違うと、電気ショックを与える。「生徒」が一問間違えるごとに15Vづつ強くして行く。

電圧が、75Vを超えると、「生徒」はうめき声をあげ、120Vを超えると大声で叫び、150Vで絶叫し、300Vを超えると実験の中止を要求し、330Vを超えると無反応になりました。「教師」は別室で、「生徒」の声だけを聞いています。

「生徒」の苦痛の声を聞いて、「教師」がひるむと、白衣を着た博士然としたインストラクターが、冷静に、「心配いりません。続けてください」と続行を指示します。電圧が高くなるに従い、「生徒」の苦痛が激しくなると、「教師」は不安になってやめようとしますが、インストラクターに続行を命じられます。さらに電圧を上げてゆくと、「生徒」の苦痛がさらに激しくなります。それでも、続行を命じられます。インストラクターの指示通り、450Vまで電圧を上げる「教師」もいれば、耐えられなくなって実験を放棄する「教師」もいます。

実は、この実験で、「生徒」はすべてサクラで、苦痛の芝居をすることになっていました。教師役と生徒役を分けるくじ引きもすべて「教師」になっており、被験者が必ず「教師」になるようになっていたのです。最初から、電圧は流れておらず、「生徒」の見事な演技の声だけが、インターホンを通じて「教師」に聞こえていたのです。

この実験の結果は、驚くべきものでした。被験者40人中、65%に当る26人が、最大の450Vまでスイッチを入れたのです。135Vを過ぎたころに、実験に疑問を感じ、苦情を訴える「教師」が、白衣を着た博士然としたインストラクターに一切責任を負わせないと説得されると、ほぼ全員が、実験を続行したのです。しかも、他の機関で行われた実験でも、設定の違いによる誤差はあっても、おおよそ、同じ結果になったのです。

この実験から、ミルグラム博士は「人は権威に命じられ、責任を取らなくてよいと保証されると、どんな残虐行為に対しても葛藤やストレスを無視できる」と結論付けました。この実験の発端となったのは、ナチス時代に、親衛隊として、多くのユダヤ人をガス室に送り込んで殲滅したアイヒマンが捕えられ、裁判の過程で、「私は上からの命令に従っただけ」と平然と繰り返したことから、人間は、上からの命令だけで、残虐行為ができるのかどうかを検証するために行われたのです。

ミルグラム実験の結果は、誰もがアイヒマンになる可能性を明確に示したのです。実験に参加した「教師」は、家族が人質にとられているわけでもなく、銃を持った兵士に拘束されているわけでもなく、普通の部屋の中で、インストラクターに命じられるままに、行動していたのです。
アイヒマンは極悪非道で、残虐な怪物のような人間ではなく、単なる凡庸な小役人にすぎなかったのです。

私たちは、この事実を踏まえて、自分の弱さをしり、考えることの大切さを肝に銘じて、権威に盲目的になるのではなく、しっかりとした自分の考えを持たねばならないと痛感します。

 
No.1002 ≪労働生産性100万円を実現する≫-2018.2.16

No.1002 ≪労働生産性100万円を実現する≫-2018.2.16 目加田博史

 

20121226日に、安倍政権が発足以来、アベノミクスを支持しています。今も、その考え方に変わりはありません。当時の閉塞感を打開するには、従来にない画期的な発想と英断が必要でした。中でも「黒田バズーカ効果」は非常にわかりやすく、1年で、1$=85円の円高から1$=105円の円安にシフトし、輸出企業の業績を好感して株式も上昇し、高揚感が漂い始めました。

徐々に、経済が活性化し、会社もなんとなく良い方向に向かい、仕事も徐々に増えてきて、経済指標は記録更新を繰り返しています。好景気だといわれても、今一つ、生活実感はないでしょうが、着実に改善しています。
オリンピック後が見えないので、漠然とした不安を抱えながら経営しているため、企業も大胆な手(投資・待遇改善)を打ちにくいのが現状です。しかし、経済は着実に成長しています。当然、「禍福はあざなえる縄のごとし」ですから、危機も同時に成長していますが。

いま、働き方改革が脚光を浴びています。労働法を改正し、長時間労働を是正し、労働生産性を改善する。結果として、給与アップを図り、個人消費を活発化して、GDPを成長させるとともに、デフレから脱却するという目論みです。アベノミクスの「第三の矢」(懐かしい響きですね)が起動しています。

2017年版の労働生産性の国際比較で、日本は19位です。アメリカは6位。ドイツは8位。これは、一人当たりGDPを表しています。金額ベースで見れば、日本(19位)は41,574$、アメリカ(6位)は57,591$、ドイツ(8位)は48,989$です。赤ちゃんも、100歳のベテランも含めた場合ですから、なんとなく漠然としてピンとこないですね。これを就業者1時間当たりで見ると、日本(19位)は46$、アメリカ(6位)は70$、ドイツ(8)68$です。労働者が1時間当たり生み出す付加価値を表します。アメリカと比較すると、1時間当たり24$低いのです。ドイツと比べると22$低いのです。これだとわかりやすいですね。

私たちが日常使っている経営分析に、企業の生産性の基準となる労働生産性(人月限界利益)という指標があります。基準は1,000千円です。1$=110円、月間法定労働時間160時間で比較すると、日本(19)801千円、アメリカ(6位)は1,225千円、ドイツ(8位)は1,197千円となります。会社が目指すべき当面の目標である、労働生産性1,000千円を実現する必要性がこれからもうかがえます。

年間労働時間は、日本はこの10年で随分と改善し、1719時間となり、アメリカの1790時間を追い抜きました。アメリカより働かなくなってしまったのです。ドイツは1371時間ですから、週休3日制の国で、別格です。ドイツ製の製品が高性能・高品質・高価格のなのは当然ですね。
平均週間労働時間は、日本は41時間、アメリカは41時間、ドイツは40時間ですから、ほとんど変わりません。
変わるのは、祝日休暇と有給休暇の消化日数です。年間休日はというと、日本は137日、アメリカは128日、ドイツは145日なのです。最低賃金も日本は823円ですが、アメリカは800円(1$=110円換算)です。低賃金長時間労働をしているのは、日本よりもアメリカです。なのに、国際比較では圧倒的な上位にいる。なぜでしょうか?

「働く時間の長さで勝負する時代は終わった」と言われますが、働く時間の長さは、人生のある一定時期、20代~30代では絶対的に必要だと思っています。
問題は仕事の仕方です。私が社会に出たころは、まだワープロなるものが世に出ていない時代でしたから、文書は手書きでしたし、データ処理は磁気テープにパンチするやり方でした。いかにきれいに早く書くか、いかに正確にパンチするかは、熟練しかありません。時間をかけて練習するしかなかったのです。
今は、パソコン、スマホ全盛で、同じ目的を果たすには、テクノロジーを使いこなせるかどうかで生産性が変わります。テクノロジーを使いこなすには、やはり一定の時間が必要です。後10年もすれば、自動運転、自動操作は当たり前で、テレパシー通信を標準装備するでしょうから、頭の中でいかに文章化し、グラフィック化するかが生産性を分ける時代になるはずです。

元に戻すと、労働生産性の国際比較を改善するには、個人の努力の問題ではなく、国の産業構造をどのように改革するかで決まってしまうということです。アメリカの産業構造は製造・金融・IT・通信及びその知財分野で付加価値を創造し、GDPを稼いでいます。NASAから生まれたデリバティブ、ゲイツのWindows、ジョブスのiPhone、ベゾスのamazon等が付加価値を生んでいます。就業者1時間あたり最低賃金は安くとも、一人当たりGDPが高くなるのは、産業構造の創造性に依存しています。これは政治家の仕事です。私たちができるのは政治家を選ぶ事です。

日本がどのような国柄を目指すのかによって産業構造は変わるでしょうが、会社は環境適応して存続しなければなりません。その基本条件が、人月当り労働生産性1,000千円であり、これを実現するための具体策を取らねばならないのです。人年労働生産性が12,000千円になれば、労働分配率50%でも、年収6,000千円にすることも可能です。それでも、一人当たり経常利益は2,000千円出せるはずです。安倍政権の働き方改革の旗振りをきっかけに、人月労働生産性1,000千円を実現するための改革に着手しましょう。「M脳職人」を増やしましょう。

 
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